2章:エネルギーの単位

  1. SI単位
     実用されている単位は分野毎にさまざまで 必ずしも共通ではありません。
     慣れない単位はどうしても混乱します。
     単位による混乱を避けるためには、SI単位を用いると 統一できますので、比較検討が可能となります。

     下記は
    国際単位系 - Wikipediaに行く。
    の抜粋です。
     
    名称 記号 定義
    時間 s セシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位(F=4,M=0およびF=3,M=0)間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770倍の継続時間
    長さ メートル m 1秒の1/299,792,458の時間に光が真空中を進む距離
    質量 キログラム kg 国際キログラム原器(プラチナ90%、イリジウム10%からなる合金で直径・高さともに39mmの円柱)の質量
    電流 アンペア A 無限に長く、無限に小さい円形断面積を持つ2本の直線状導体を真空中に1メートルの間隔で平行においたとき、導体の長さ1メートルにつき2×10-7ニュートンの力を及ぼしあう導体のそれぞれに流れる電流の大きさ
    熱力学温度 ケルビン K 水の三重点の熱力学温度の1/273.16。温度間隔も同じ単位
    物質量 モル mol 0.012kgの炭素12に含まれる原子と等しい数の構成要素を含む系の物質量。モルを使うときは、構成要素 (entités élémentaires) が指定されなければならないが、それは原子、分子、イオン、電子、その他の粒子またはこの種の粒子の特定の集合体であってよい
    光度 カンデラ cd 周波数 540×1012ヘルツの単色放射を放出し、所定方向の放射強度が1/683 W・sr-1である光源のその方向における光度

     光度だけは、やや個性的です。
     全ての単位はSI単位の組合せで表現することが可能です。

  2. 各種のエネルギーと単位
    (1)重力場ポテンシャルエネルギー
     重力場ポテンシャルエネルギーをEg、重力加速度をG、物体質量をm、地上からの高さをH とした場合、
     Eg=m・G・H
    となります。
     従って、単位はkg・m2・s-2
    となります。

     弾性体(バネ)の位置ポテンシャルエネルギーも 単位は同一となります。

    (2)物体の運動エネルギー
     物体の運動エネルギーをEv、物体質量をm、速度をV とした場合、
     Ev=(1/2)・m・V2
    となります。
     単位はkg・m2・s-2
    となります。

     地上からの高さをHから、物体を自由落下させた時、地上に達するまでの 時間をt0、地上寸前の速度をV0とした場合、
     t0=(2・H/G)1/2
     V0=-G・t0
    となります。これを運動エネルギーの式に代入すると
     Ev=m・G・H
    となって、重力場ポテンシャルエネルギーと一致します。
     このようにポテンシャルエネルギーは容易に運動エネルギー に変化します。

     物体が地上に衝突するとどうなるか?
     この場合は、かなり複雑な現象となりますが、 仮に地上の質量が無限大で物体が共に完全弾性体と 仮定すれば、運動エネルギーは一旦、弾性エネルギーに 変化し、物体は跳ね返ることになります。
     

    (3)馬力とは?
     鉄腕アトムが十万馬力とありましたが
     馬力は下記のように定義されています。
     「1秒間につき75重量キログラム (kgf) の重量を1メートル動かすときの仕事率」(75 kgf·m/s)となる。

     また、kgfは下記のように定義されます。
     1 kgf = 9.80651 N
     従って
     1馬力= 9.8065×75=735.4875 N・m/s(=kg・m2・s-3
    となります。


    (4)カロリ(cal)とは?
     カロリーの元々の定義は、「1グラムの水の温度を標準大気圧下で1℃上げるのに必要な熱量」である。 ただし水の比熱はその温度によって異なり、0℃で 4.218 J/g、34.5℃で 4.178 J/g の最小値、 100℃で 4.216 J/g となる。そのため、何度の水で定義するかにより各種の「カロリー」が生まれることになる。
    名称 記号 cal/J J/cal 備考
    国際蒸気表カロリー calIT 4.18680 ~0.238846 定義値
    熱力学カロリー calth 4.18400 ~0.239006 定義値



    (4)ジュール(J)とは?
     ジュール(joule, 記号:J)は、SIにおけるエネルギー、仕事、熱量、電力量の単位である。 その名前はジェームズ・プレスコット・ジュールに因む。

     1ジュールは以下のように定義できる。
     1 ジュール = 1 N · 1 m = 1 ニュートン・メートル = 1kg・m2・s-2
     1 ジュール = 1 C · 1 V = 1 クーロン・ボルト
     1 ジュール = 1 W · 1 s = 1 ワット・秒
     SIや日本の計量単位令では、1つ目に掲げた定義を用いて、「1ニュートンの力が力の方向に物体を 1メートル動かすときの仕事」と定義している。
     1ジュールは、地球上でおよそ102グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を1メートル持ち上げる時 の仕事に相当する。1ジュールは1ニュートンの力がその方向に物体を1メートル動かすときの仕事 であるので、ジュールは「ニュートンメートル」(N·m)と書き表すこともできる。
     しかし、同じ単位が力のモーメント(これはエネルギーではない)にも用いられており、仕事や エネルギーの単位として「ニュートンメートル」を使用すると混乱を招くおそれがある。
     1ジュールは、1ボルトの電位差の中で1クーロンの電荷を動かすのに必要な仕事とも定義できる。 これが2つ目に掲げた定義である。
     1ジュールは、1ワットの仕事率を1秒間行ったときの仕事とも定義できる。これが3つ目の定義である。


    (5)クーロン(C)とは?
     クーロン(coulomb、記号C)は、電荷のSI単位である。クーロンという名称は、フランスの物理学者、シャルル・ド・クーロンの名にちなむ。
     現在のクーロンの定義はアンペアに基づくもので、1秒間に1アンペアの電流によって運ばれる電荷(電気量)が1クーロンとなる。
     それは、電子が持つ電荷(電気素量)の約6.241506×1018倍である。

    名称 記号 次元 物理量
    クーロン C A·s 電荷・電気量


    (6)ボルト(V)とは?
     ボルト(volt、記号:V)は、電圧・電位差・起電力の単位である。 名称は、ボルタ電池を発明した物理学者アレッサンドロ・ボルタに由来する。

     1ボルトは、以下のように定義することができる。表現の仕方が違うだけで、いずれも値は同じである。
    ・1アンペアの電流が流れる導体の二点間において消費される電力が1ワットであるときの、 その二点間の電圧 (V=W/A)(日本の計量単位令ではこの定義を採用している)
    ・導体の二点間を1クーロンの電荷を運ぶのに1ジュールの仕事が必要となるときの、その二点間の電圧 (V=J/C)
    ・1オームの電気抵抗のある導体の二点間に1アンペアの電流が流れているときの、その二点間の電圧 (V=AΩ)
     国際単位系 (SI) では組立単位となっており、SI基本単位で表わすと V = m2·kg·s−3·A−1 となる。


    (7)ワット(W)とは?
     ワットという名称は、蒸気機関の発展に大いに貢献したジェームズ・ワットにちなんで名づけられた。 1889年の英国学術協会第2回総会で採用された。

     ワットはジュール毎秒(J/s)に等しい。すなわち、1秒あたりに変換・使用・消費されているジュールで表したエネルギーの率を表す。
     ジュールがm2·kg·s-2の次元なので、ワットはm2·kg·s-3の次元を有することになる。


    (7)ボルト毎メートル(V/m)とは?
     電場(電界)の強さを表す単位であり、
     記号はV/m
     次元はkg·m·s−3·A−1


    (8)アンペア毎メートル(A/m)とは?
     磁場(磁界)の強さを表す単位であり、
     記号はA/m
     次元はm−1·A


    (9)ウェーバ(Wb)とは?
     磁束の強さを表す単位であり、
     記号はWb
     次元はV·s = kg·m2·s−2·A−1


    (10)電子ボルト(eV)とは?
     電子ボルト(でんしぼると、エレクトロンボルト, electron volt, 記号 eV)は、エネルギーの単位である。
     エレクトロンボルトともいう。素粒子の質量の単位としても使われる。[1]

     1 V の電位差がある自由空間内で電子 1 つが得るエネルギーを 1 eV とする。非常に小さな単位である。
     1 eV のCODATA推奨値は 1.60217733(49)×10-19 J(括弧内は拡張不確かさ)である。
     質量に換算する[2]と 1.783×10-36 kgとなる。
     1 eVの平均運動エネルギーをもつ気体の温度は11,604 Kとなる。

     [1]「国際単位系(SI)及びその使い方」によると、“特殊な分野に限り併用してよい単位”となっている。
     [2]質量とエネルギーの等価性(E=mc2)によると、エネルギーと質量の単位は、互いに変換することができる。


  3. 備考
    ・エネルギーの基本単位は
     1 ジュール(J) = 1 N · 1 m = 1 ニュートン・メートル = 1kg・m2・s-2
     1 ジュール(J) = 1 C · 1 V = 1 クーロン・ボルト
     1 ジュール(J) = 1 W · 1 s = 1 ワット・秒
     です。
    ・質量とエネルギーの等価性(E=mc2)は核分裂、核融合を除き無視できると思います。



 エネルギーは重力、運動、弾性、熱、電気、磁気等さまざまに変化します。
 まずは、理想気体のエネルギーについて検討してみたいと思います。
3章:理想気体のエネルギーに行く。

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