36章:波面収差を考慮した投影像の計算
- タイプA等倊光学系の投影像の計算
図32-2に示すタイプA等倊光学系の投影像の計算を行ってみましょう。
- タイプA等倊光学系の波面収差
| 486.1nm-X | 486.1nm-Y | 546.1nm-X | 546.1nm-Y | 656.3nm-X | 656.3nm-Y |
0次 | -9.71E-07 | -9.45E-07 | -7.21E-07 | -6.99E-07 | -5.05E-07 | -4.88E-07 |
1次 | 5.59E-06 | -3.84E-16 | 5.29E-06 | 2.95E-16 | 4.54E-06 | -5.90E-16 |
2次 | -2.24E-01 | -1.63E-01 | -1.86E-01 | -1.29E-01 | 2.81E-01 | 3.32E-01 |
3次 | -5.29E-04 | 1.45E-15 | -4.70E-04 | -1.16E-15 | 6.49E-04 | 2.32E-15 |
4次 | -6.84E-03 | -9.27E-03 | -3.45E-02 | -3.66E-02 | -5.39E-02 | -5.55E-02 |
5次 | 8.43E-05 | -1.12E-15 | -4.93E-05 | 9.05E-16 | -1.90E-04 | -1.81E-15 |
6次 | 8.92E-03 | 8.82E-03 | 7.56E-03 | 7.47E-03 | 6.11E-03 | 6.04E-03 |
- その他の計算条件
(1)投影パターン □10μm、配列ピッチ25μm(XY方向とも)
(2)NA 0.05
(3)照明σ 0.4
(4)フォーカス ベストフォーカス
(5)計算ピッチ 0.5μm(データ分割数50となります。)
- シート「IN_FM《の作成
上記の条件で波長0.4861μmでのシート「IN_FM《を作成すると以下
の図36-1となります。
図36-1 波長0.4861μmでのシート IN_FM
- 波面収差を考慮した投影像の計算プログラムのダウンロード
以下の演習を実行するには、下記の演習プログラムをダウンロード
する必要があります。
ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
「演習プログラム《をダウンロードする。
動作条件としては
C:\Program Files\VBA_C_OPTICS\VBA_C投影露光.dll
C:\Program Files\VBA_C_OPTICS\IN_FM.txt
が存在する必要があります。
- 投影露光演習7青
(1)VBA_C投影露光計算.xlsをダブルクリックで起動します。この時マクロは有効にして開いて下さい。
(2)シート「投影露光演習7青《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(3)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-2 タイプA-青(□10μmホール)
- 投影露光演習7緑
(1)シート「投影露光演習7緑《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(2)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-3 タイプA-緑(□10μmホール)
- 投影露光演習7赤
(1)シート「投影露光演習7赤《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(2)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-4 タイプA-赤(□10μmホール)
- タイプB等倊光学系の投影像の計算
図32-3に示すタイプB等倊光学系の投影像の計算を行ってみましょう。
- タイプB等倊光学系の波面収差
| 486.1nm-X | 486.1nm-Y | 546.1nm-X | 546.1nm-Y | 656.3nm-X | 656.3nm-Y |
0次 | 7.54E-11 | 5.76E-11 | 2.44E-13 | -1.90E-12 | 1.30E-11 | -4.09E-12 |
1次 | 1.78E-09 | 3.17E-17 | 1.47E-09 | 5.96E-18 | 1.21E-09 | 6.95E-19 |
2次 | -1.41E-01 | -8.97E-03 | -1.38E-01 | -1.26E-02 | -1.09E-01 | 2.88E-03 |
3次 | -3.77E-04 | -1.29E-16 | -4.47E-04 | -2.10E-17 | -3.39E-04 | -2.31E-18 |
4次 | -2.68E-03 | -2.85E-03 | -2.40E-03 | -2.55E-03 | -2.03E-03 | -2.15E-03 |
5次 | -1.57E-05 | 1.03E-16 | -1.52E-05 | 1.62E-17 | -1.38E-05 | 1.66E-18 |
6次 | 3.64E-06 | 3.66E-06 | 3.29E-06 | 3.29E-06 | 2.80E-06 | 2.78E-06 |
- その他の計算条件
(1)投影パターン □50μm、配列ピッチ125μm(XY方向とも)
(2)NA 0.01
(3)照明σ 0.4
(4)フォーカス ベストフォーカス
(5)計算ピッチ 5μm(データ分割数50となります。)
- 投影露光演習8青
(1)シート「投影露光演習8青《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(2)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-5 タイプB-青(□50μmホール)
- 投影露光演習8緑
(1)シート「投影露光演習8緑《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(2)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-6 タイプB-緑(□50μmホール)
- 投影露光演習8赤
(1)シート「投影露光演習8赤《の全体をコピーし、シート「IN_FM《に貼り付けてください。
(2)シート「操作《の計算実行ボタンを押してください。
以下の計算結果が表示されます。
図36-7 タイプB-赤(□50μmホール)
- 波面収差を考慮した投影像の計算のまとめ
(1)タイプA等倊光学系、タイプB等倊光学系は波面収差が許容値以内であり、
良好な解像特性を示します。
(2)解像度の比較でいうと、タイプA等倊光学系、タイプB等倊光学系も
青>緑>赤の順に良い解像特性を示します。
(3)青についてみると□ホールパターンの四角の形状が僅かに残っています。
(形状転写性が解像特性をみる基準です。)
(4)緑は形状が円形となり、中央の光強度が1.1~1.5とコントラストが高く
なっています。(解像特性の判定は形状転写性であり、コントラストでは
ありません。)
(4)赤は形状が円形となり、中央の光強度が小さくなっています。
(これは解像度限界に達していることを示しています。)
以上の結果から、解像度を上げるには光の波長を小さくするのが有効である
ことがわかります。
37章:ミラー+レンズの投影光学系の設計に行く。
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