43章:フライアイレンズの設計
- フライアイレンズの選択
フライアイレンズは多数必要となるため、大変高価な部品となります。
また、強い光が照射されるため、劣化の少ない合成石英を選択しました。
選択したレンズの仕様を下記表に示します。
タイプ | 合成石英 |
D [mm] | φ15 |
f [mm] | 50 |
tc [mm] | 3.3 |
te [mm] | 2 |
fb [mm] | 47.8 |
r [mm] | 23 |
偏心 | 1分以内 |
品番 | SLSQ-15-50P |
価格 [\] | 7200 |
- フライアイレンズの特性評価
下記表の条件で平凸レンズの特性を計算します。
No | 記号 値 | 説明 |
1 | Dia 15 | レンズ直径(mm) |
2 | Tc 3.3 | 中心厚(mm) |
3 | R0 23 | 曲率半径(mm) |
4 | N0 1.469664 | 屈折率 |
5 | NJ 5 | 変数範囲の分割数 |
6 | WL 404.7 | 設計波長(nm) |
平凸レンズの特性計算結果を下記表に示します。
No | 0 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 | 1 |
平行光線の半径 H(mm) | 0.00 | 1.50 | 3.00 | 4.5 | 6.00 | 7.50 |
正方向焦点距離 F(mm) | 48.97 | 48.90 | 48.69 | 48.3 | 47.82 | 47.16 |
正方向後側焦点距離 Fb(mm) | 46.73 | 46.67 | 46.48 | 46.2 | 45.75 | 45.18 |
正方向波面収差 OL(λ) | 0.00 | -0.03 | -0.57 | -2.9 | -9.65 | -24.71 |
正方向出射角度 U(rad) | 0.00 | 0.03 | 0.06 | 0.1 | 0.13 | 0.16 |
逆方向焦点距離 F(mm) | 48.97 | 48.82 | 48.35 | 47.6 | 46.45 | 44.95 |
逆方向後側焦点距離 Ff(mm) | 48.97 | 48.75 | 48.06 | 46.9 | 45.26 | 43.07 |
逆方向波面収差 OL(λ) | 0.00 | -0.13 | -2.17 | -11.6 | -39.42 | -106.64 |
逆方向出射角度 U(rad) | 0.00 | 0.03 | 0.06 | 0.1 | 0.13 | 0.17 |
- フライアイレンズの配置寸法
上記計算結果のFbの値を参考に下記図の寸法で配置します。
フライアイレンズの幅は
Fx=10 mm
Fy=6 mm
です。
- 照明σ絞り後の光源像
どのような像ができるかは、単純計算が難しいため、光線追跡によるシミュレーションを行います。
光源は直径3mm、高さ3mmの円筒形を仮定します。
フライアイレンズは上記の仕様で複数個配置します。
>照明σ絞りの直径はΦ60mmとします。
光源から多数の光線を発射し、一定の領域内に入った光線の数を数えます。十分な精度はありませんが、おおまかな傾向が把握できます。
図43-2に照明σ絞り後の(5mm/div)での照度分布を示します。
図43-2 照明σ絞り後の照度分布(5mm/div)
図43-3に照明σ絞り後の(0.01rad/div)での照度分布を示します。
図43-3 照明σ絞り後の光線角度分布(0.01rad/div)
発射光線数=31718
透過光線数= 29662
透過率= 89.0%
照度の最大値=522
全出力=223W
照度の目盛=5mm/div
であり、
最大照度= 111.5×522×4/33328=7.0W/cm2 となります。
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