2章:非球面レンズの光線追跡計算式

  1. 非球面レンズの2次元光線追跡の関係式
     非球面レンズに関しては、2次元の計算で十分の場合が多い。まず、 2次元光線追跡の計算式を導く。

    1. 入力パラメータ
       図3.2の幾何学条件図において入力パラメータは 下記のとおりである。
      Z0:入射光光軸方向座標
      X0:入射光像高X方向座標
      U0:入射光のX方向角度
      R1:レンズ面の曲率半径
      D0:レンズ面の光軸方向距離
      Ox1:レンズX方向オフセット
      N0:入射側の屈折率
      N1:出射側の屈折率

    2. 中間パラメータ
      θx:レンズ面法線のX方向角度

    3. 出力パラメータ
      Z1:出射光光軸方向座標
      X1:出射光像高X方向座標
      U1:出射光のX方向角度


    4. 関係式
       入射光の直線の方程式から
       X1=X0 - (tan(U0))*(Z1 - Z0) -------(3.2)式

       非球面方程式から  Z1=F(X1-Ox1)+D0 -------(3.3)式

      屈折の法則から
       N0*SIN(θx - U0) = N1*SIN(θx - U1) -------(3.4)式

       法線の条件から
       TAN(θx)= ΔZ1/ΔX1 -------(3.5)式
       以上の関係式が成立する。

       未知数が中間パラメータ(θx)、出力パラメータ(Z1,X1,U1)の4個に対して、関係式が4個成立 する。

       従って、(3.2)(3.3)(3.4)(3.5)式の関係から出力パラメータ(Z1,X1,U1)を求めることができる。

    5. 関係式の解を求める
       (3.2)式と(3.3)式からX1とZ1の解を求めます。
       (3.2)式に(3.3)式を代入し変形すると
       G(X1)=X1-X0+Tan(U0)*(F(X1-Ox1)+D0-Z0)=0  -------(3.6)式
       (3.6)式は代数的に解くのが難しいのでニュートン法で解を求めます。

       「特設講座」有能エンジニアのための実用数値計算
      1章:ニュートン法により代数方程式の解を求める
       を参照しましょう。
       Java Scriptで表現すると
      N=10; dX=0.05;
      for(i=0;i < N;i++) x=x-G(x)*2*dX/(G(x+dX)-G(x-dX));
       でG(x)=0の解X1を求めることができます。

       (3.5)式のΔZ1/ΔX1は数値微分で求めます。

       X1は既に求まっています。従って
       Z1=F(X1-Ox1)+D0 -------(3.3)式
       θx=ATAN(ΔZ1/ΔX1) -------(3.7)式
       U1 =θx -ASIN((N0/ N1)*SIN(θx - U0)) -------(3.8)式
       から屈折後の光線を求めることが出来ます。


  2. 垂直平面の2次元光線追跡の関係式
     入射光の直線の方程式から
     X1=X0 - (tan(U0))*(Z1 - Z0) -------(3.2)式

     垂直平面方程式から Z1=D0 -------(3.9)式

     屈折の法則から
     N0*SIN(θx - U0) = N1*SIN(θx - U1) -------(3.4)式

     法線の条件から
     TAN(θx)=0  -------(3.5)式
     と単純な計算式となります。


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