11章:投影露光波動回折計算プログラム
作成2013.05.27
投影露光波動回折の応用
投影露光波動回折は投影露光におけるパターンの転写特性の検討で重要です。
また、光と電波は数学モデルとしては同一であり、電波の集光の検討にも使用できます。
投影露光波動回折の基礎理論
投影露光波動回折の基礎理論については光の不思議と応用 18章:投影光学系における回折理論
18章:投影光学系における回折理論 に行く。
で説明しています。
VBA_Cソフト
以前は入出力をVBA、計算部分をC++(V6)で作成しました。これは、きめ細かな入出力画面をC++(V6)で作成するのがかなりきつかったためで、高速の演算部分をC++(V6)で作成し、数表やグラフ表示部分をBVAで作成して合体しました。
(1)ビルドして実行形式にしたファイルは現在も正常に動作しています。
(2)C++(V6)自体は、現在使用パソコンの状態が変化したため、互換性に問題が生じて正常には動作しなくなりました。
(3)従って、C++(V6)で作成プログラムの修正は、現在困難となりました。
VBA_Cソフトは光の不思議と応用 19章:投影露光演算プログラム
19章:投影露光演算プログラム に行く。
からダウンロードできます。
投影露光波動回折計算C#、WPFソフト
投影露光波動回折計算にC#、WPFアプリケーションを適用してみました。
完成ファイルは以下からダウンロードできます。
ダウンロード後は解凍してから使用してください。
[投影露光波動回折計算プログラム]をダウンロード する。
解凍すると「Projection」フォルダーがあります。
「Projection」フォルダー内の「Projection.sln」をダブルクリックすると「Express 2012 for Windows Desktop」が起動して、プログラムの修正・デバッグが可能です。
「Projection.exe」をダブルクリックすると実行プログラムが起動して、投影露光波動回折計算が可能となります。
投影露光波動回折計算C#、WPFソフトのデフォルトの計算条件
投影露光波動回折計算C#、WPFソフトのデフォルトの計算条件は以下を参照しました。
光の不思議と応用 34章:3次元光線追跡演習(1)
134章:3次元光線追跡演習(1) に行く。
操作例
(1)「Projection.exe」をダブルクリックします。
(2)「計算実行」バタンを押すと計算結果数表ウインドウが開きます。
(3)「次頁」ボタンを押すと数表ウインドウが閉じて、グラフウインドウが開きます。
以下に計算結果グラフを示します。(図11-1)
(4)グラフウインドウ「閉じる」ボタンを押すとグラフウインドウが閉じます。
(5)MainWindowでデフォーカス量を0μmから-150μmに変更して「計算実行」バタンを押します。
(6)計算結果数表ウインドウで次頁」ボタンを押すと以下のグラフが表示されます。(図11-2)
(4)グラフウインドウ「閉じる」ボタンを押すとグラフウインドウが閉じます。
(5)クローズボックスで終了します。
・デフォルト計算条件のパターンデータにおいて、位相は45度としました。位相シフトパターンはさまざまな位相の矩形パターンの集合として定義できます。
・パターン開口の刻み数は浮動少数点入力が可能です。これにより微妙な寸法変化の影響を評価できます。
その他操作説明
(1)MainWindowのメニューの保存を選択すると計算条件が保存できます。
以下に保存例を示します。
Projection
項目 記号 値 単位
矩形パターン数 PN 1 行
投影面範囲分割数 N 50 偶数
投影面範囲の刻み幅 dx 0.5 μm
波長 WL 0.4861 μm
投影レンズNA NA 0.05 sinθ
照明σ Sig 0.4 無次元
照明X方向傾き Iaxx 0 rad
照明Y方向傾き Iay 0 rad
デフォーカス量 DF 0 μm
X方向オフセット収差 Ax1 0.00000559 λ
X方向焦点収差 Ax2 -0.224 λ
X方向コマ収差 Ax3 -0.000529 λ
XX方向球面収差 Ax4 -0.00684 λ
X方向高次コマ収差 Ax5 0.0000843 λ
X方向高次球面収差 Ax6 0.00892 λ
Y方向オフセット収差 Ay1 -0.000000000000000384 λ
Y方向焦点収差 Ay2 -0.163 λ
Y方向コマ収差 Ay3 0.00000000000000145 λ
YX方向球面収差 Ay4 -0.00927 λ
Y方向高次コマ収差 Ay5 -0.00000000000000112 λ
Y方向高次球面収差 Ay6 0.00882 λ
パターンデータ
項目 波動振幅(実数部) 波動振幅(虚数部) 開口X1 開口X2 開口Y1 開口Y2
記号 U0r[i] U0i[i] X1 X2 Y1 Y2
単位 相対 相対 刻み数 刻み数 刻み数 刻み数
1 0.7071 0.7071 -10.5 10.5 -10.5 10.5
(2)MainWindowのメニューの開くを選択すると保存した計算条件が設定されます。
(3)数表画面のメニューの保存を選択すると計算結果数表をタブ区切りテキスト形式で保存できます。
変更点
(1)入出力部分は全面変更となりました。
(3)投影面範囲分割数の制限をなくしましたが、この値を大きくすると極端に計算時間が長くなります。
(4)矩形パターン数の制限がなくなりました。
(5)「「Projection.exe」単独で動作します。
感想:
(1)投影露光波動回折計算プログラムは試行錯誤しながら作成したプログラムです。
(2)収差、照明σ、照明傾き等多くのパラメータがあり、複雑なため難解な高速フーリエ変換の適用をさけました。
(3)高速フーリエ変換は演算時間の点で有利なのですが、データ数が2のN乗である必要があります。
(4)投影の特徴として、光強度変化の傾斜は比較的なだらかであり、最終的に得られた光強度を補間することが可能です。
(5)本プログラムにおいては、投影面範囲の間隔でパターンは繰り返えされることに注意する必要があります。
(6)フーリエ変換においては完全孤立は定義できず、必ず繰り返しパターンとして定義されます。
(7)本プログラムの計算条件の組合せは限りなく、いろいろ計算条件を変更して計算してみると面白いと思います。
12章:3次元光線追跡プログラム に行く。
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