1章:木材の性質とシロアリ駆除

    作成2014.11.19

  1. セルローズの分子構造と性質
     植物は地中から水を吸収し、空気中から二酸化炭素を吸収して、光合成によりブドウ糖を生成します。ブドウ糖 には図1-1に示すようにα型とβ型があります。

     α型ブドウ糖のOH基が脱水縮合反応で結合したものがでんぷんです。また、β型ブドウ糖のOH基が脱水縮合反応で結合したものがセルローズです。
     でんぷんとセルローズの分子構造例を図1-2に示します。

     OH基は脱水縮合反応をおこし、親水性を示します。図1-2は1例であり、複雑な3次元構造を形成することが予想されます。
     でんぷんもセルローズも十分な水を加え、分解酵素を作用させるとブドウ糖に分解します。私達人間は、でんぷんの消化酵素をもちでんぷんをブドウ糖に分解して栄養素とすることができますが、セルローズは分解できません。
     しかし、草食動物はセルローズの分解酵素をもち、セルローズブドウ糖に分解して栄養素とすることができます。シロアリや菌類もセルローズの分解酵素をもち、セルローズブドウ糖に分解して栄養素とすることができます。
     木材はシロアリにとっておいしい食料なのです。もし、シロアリが大繁殖したならば、木造家屋の構造物である材木をシロアリに食われてしまい、強度を失って崩壊してしまうでしょう!!
     これは、一大事です!!!


  2. シロアリが好む木材
     木材の主成分であるセルローズは、シロアリの主食です。しかし、木材はセルローズ以外にさまざまな成分を含んでおり、シロアリが好む木材と好まない木材があるようです。
    (1)パイン材はシロアリが好む木材で、使用をさけたほうが良いようです。
    (2)ヒノキはシロアリが食いにくいといわれています。
    (3)防腐材を塗布するとシロアリが食いにくなるようです。
    (4)シロアリ駆除の薬剤を注入するとシロアリが食いにくなるようです。
    *我家の基礎の上の枕木はヒノキに防腐材を塗布したものです。(35年たっているので、効果の持続性が心配です。)
    *4年ほど前に床の張替えをおこなったのですが、床材にパイン材を使用してしまいました。
    *床材のパイン材のシロアリ被害がひどいです。


  3. シロアリ駆除
    (1)シロアリ駆除は床下作業となり、大変な作業となりますので専門業者に委託する必要があります。
    (2)床下収納庫をはずすと床下にはいることができます。
    (3)我家では、床板張替えの際、床下収納庫をなくしてしまいました。
    (4)床下収納庫のかわりとして、和室の畳の下板をはずすことにしました。
    (5)築35年もたっているためか?畳の下板をとめているクギがうまくぬけません。
    (6)やもなく、畳の下板をとめているクギの位置で連続的にドリル穴を開け、畳の下板を部分的に切断して床下への入口を確保しました。
    (7)本格的な作業は2014年11月6日(木)に下記の専門業者に委託し、実施しました。
    木材防腐防蟻処理協同組合
    埼玉県所沢市有楽町18-9
    http://www.mokuboukyo.com/
    (8)和室の床下入口から床下を調査してもらうと、基礎のコンクリートが各部屋ごとに区切られており、床下を自由に移動できないことがわかりました。
    (9)結局、シロアリ駆除を実施するために、基礎のコンクリートを5箇所も人が通れる穴を開けました。
    (10)具体的な薬剤散布、注入等は専門業者にまかせました。


  4. 床下湿度対策
    (1)セルローズがブドウ糖に分解する条件は「十分な水分」と「分解酵素」です。
    (2)シロアリは分解酵素を持ちますが十分な水分がなければ木材を分解できません。
    (3)従って、床下が乾燥していれば、シロアリは繁殖できないはずです。
    (4)または、シロアリにとって有害な成分があれば、シロアリは死滅します。
    (5)我家の床下は予想以上に湿度が高い!!
    (6)東所沢住宅地域は比較的水はけが良く、床下の湿度は低いと勘違いしていました!!
    (7)闇雲に床下湿度対策を専門業者に委託すると大きな費用が発生するため、自力で床下湿度調査と対策を行うことにしました。


  5. 我家の床下湿度の調査
     冬季の温室の温湿度調査用として作成していた「無線式気象観測レコーダNo2」を急きょ、床下温湿度調査用として使用しました。
     図1-3に外気と床下の湿度変化グラフ、図1-4に外気と床下の温度変化グラフを示します。


     図1-3から床下の湿度はほぼ100%に近く飽和状態にあることが理解できます。また、図1-4から床下の温度変化は小さく安定していることが理解できます。


  6. 床下湿度の調査結論
    (1)床下の湿度はほぼ100%に近く飽和状態にあり、なんらかの湿度対策を実施する必要がある。
    (2)湿度対策としては、外気が乾燥状態にあるとき、外気を強制的に床下に送風する方法が有効と思われる。




2章:床下ファンの設置に行く。

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