15章:2倍光学系の検討

    作成2019.10.15
  1. 15章検討結果ファイル
      15章検討結果ファイルは以下からダウンロードできます。
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    「 15章検討結果」をダウンロードする。
      解凍すると「検討結果」フォルダーがあります。
    (1)光線追跡.dll :3次元光線追跡計算サブルーチン本体
    (2)光線追跡-基本.xls : 3次元光線追跡計算の操作
    (3) IN_FM.txt :計算条件表1
    (4) IN_FM2.txt :計算条件表2
    (5) OUT_M.xls :計算結果
    (6)焦点距離計算.xls :焦点距離計算専用VBA
    (7)動作条件説明.txt :必要ファイルの説明
    (8)光線光線追跡-2倍コマ補正.xls: 2倍光学系コマ補正後
    (9)像面.xls:像面湾曲の計算結果とグラフ


  2. 2倍光学系コマ収差補正後
    *光学ガラスは「S-FPL53」と「S-NBM51」と「S-BAH27」と「S-LAH66」を使用しました。
    *開口数NA=0.12としました。(NA絞り直径=2*NA*f=2*0.12*50=Φ12mm)
     (1)「光線光線追跡-2倍コマ補正.xls」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「IN_FM」には、シート「IN_FM(焦点)」と同じ条件が設定してあります。
    *シート「IN_FM(焦点)」は焦点位置D(0)の値を最適化する場合に使用します。
    (3)シート「IN_FM」には、シート「IN_FM(焦点)」と同じ条件が設定してあります。
    *レンズ中心で最適化する条件です。(像面湾曲を求める場合は、X位置とX角度(半径方向)Y角度(円周方向)の設定を変更します。)
    (4)シート「IN_FM(コマ)」とシート「IN_FM2(コマ)」はレンズ曲率半径を変更して、コマ補正を行う場合に使用します。
    (5)シート「変換」をクリックするとスポットダイアグラムが表示されます。



    (6)シート「作図」をクリックするとレンズ形状が表示されます。



    (7)シート「光線図」をクリックすると光線図が表示されます。



    (8)シート「IN_FM」をクリックし、X0=0.7を入力します。
    スポットダイアグラム計算条件入力表
    No記号説明
    1Mp2処理モード(Mp=1入射位置を変数、Mp=2入射角度を変数)
    2NJ8変数範囲の分割数(±NJに分割する)
    3PR0位置変化範囲半径(mm)(Mp=1の時有効)
    4AR0.12角度変化範囲半径(rad)(Mp=2の時有効)
    5U00入射X方向角度(rad)(中心光線を決定)
    6V00入射Y方向角度(rad)(中心光線を決定)
    7X00.7入射X方向位置(mm)(中心光線を決定)
    8Y00入射Y方向位置(mm)(中心光線を決定)

    (9)シート「操作」をクリックし、「スポットダイアグラム計算実行」ボタンを押します。
    (10)シート「変換」をクリックします。



    *円周方向のバラツキが増加しますが、バラツキは小さいです。
    (11)シート「光線図」をクリックすると光線図が表示されます。



    *光線図から両側テレセントリック光学系であることが確認できます。



  3. 波面収差の確認
    (1)シート「操作」の「波面収差計算実行」ボタンを押すと、波面収差の計算結果表が表示されます。
     最大の収差は波長546.1nmでグラフにすると以下のようになります。



    *収差絶対値の最大は-0.137λであり、0.25λ以内の基準を満足しています。この収差を分析すると
    0次-0.000004126542
    1次0.00002801087
    2次-0.06893444
    3次-0.02277257
    4次-0.09437321
    5次-0.008956518
    6次0.05833033
    *3次と5次のコマ収差が発生しており、非対称な収差が発生していることが理解できます。


  4. 像面の確認
    (12)「像面.xls」をダブルクリックでオープンします。
    (2)シート「2倍コマ補正」をクリックすると像面湾曲が表示されます。



    *コマ収差補正後の半径方向像面が悪化しています。


  5. 2倍光学系の検討纏め
    (1)開口数NA=0.12、焦点距離f=50mmレンズと焦点距離f=100mmレンズの組合せとしました。
    (2)レンズ中心から離れた位置からの光線は左右が非対称なコマ収差が発生します。
    (3)対物側のレンズで必ずコマ収差が発生しますが、投影側のレンズで逆方向のコマ収差が発生します。
    (4)等倍光学系では、対物側のレンズのコマ収差と投影側のレンズのコマ収差がほぼ完全にキャンセルします。
    (5)2倍光学系では、対物側のレンズのコマ収差と投影側のレンズのコマ収差が不一致となりコマ収差が発生します。
    (6)対物側のレンズのコマ収差と投影側のレンズのコマ収差を一致させる補正が必要です。
    (7)このコマ収差補正を実施すると、若干ですが像面湾曲が悪化します。
    (8)対物側のレンズと投影側のレンズのセットで最適化設計が必要です。
    (9)標準レンズは対物側のレンズと投影側のレンズのセットでなければなりません。(弱った!!)
    (10)2倍光学系のフィールドサイズはΦ1.4mmで良好です。







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