3章:酸素原子の性質

  1.  単独酸素原子の電子配置
     単独酸素原子の電子配置を図3-1に示します。
    単独酸素原子は(a)酸素ラジカル、(b)酸素-1イオン、(c)酸素-2イオン等の9通りの 電子配置の状態が存在します。

     (a)酸素ラジカルは2個の2s電子席に対して2個の電子が収まっています。 6個の2p電子席に対して4個の電子が収まっています。 この様な条件において、電子の収まっていない電子席は不安定な状態となります。 電子席と電子席の反発よりも電子席と電子の引力の方が強く、2個の空席電子席は電子に接近します。 この状態は不安定で他の原子とただちに反応します。

     (b)酸素-1イオンは1個の空席電子席が1個の場合です。
     (c)酸素-2イオンは1個の空席電子席が0個の場合です。
    この様な条件において、原子全体としてはマイナス電荷が過剰となるためマイナスイオンとなります。 マイナスイオンはプラスイオンと反応して安定状態となります。

     空席電子席が3個以上の場合は、原子全体としてはプラス電荷が過剰となるためプラスイオンとなります。 この様な条件において、電子と電子は反発し離れます。 プラスイオンはマイナスイオンと反応して安定状態となります。
     


  2.  酸素ガスの結合電子配置
     酸素ガスの結合電子配置を図3-2に示します。

     この状態で安定な酸素ガスとなります。 最外周の電子席は8個であり、これ以外の構造も成立します。

      分子式はO2となります。


     分子構造図を図3-3に示します。
     分子構造図では、1対の共有結合を1本の実線で示します。 酸素ガスは2本の共有結合で結合しています。



  3.  オゾンの結合電子配置
     オゾンの結合電子配置を図3-4に示します。

      分子式はO3となります。


     分子構造図を図3-5に示します。
     分子構造図では、1対の共有結合を1本の実線で示します。 また配位結合を1本の破線で示します。 オゾンは共有結合と配位結合で結合しています。

     配位結合は共有結合と比較すると弱い結合で不安定な結合となります。




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