8章:光合成

  1. 有機物
     有機物とは生命が作り出す物質のことです。
     無機物とは有機物以外の物質のことです。
     地球上には数え切れないほどの種類の生命体が存在します。 各生命体は特定の分子を分解したり、特定の分子を合成します。
     従って、地球上には数え切れないほどの種類の有機物が存在することに なります。

     生命体が特定の分子を合成する光合成について検討してみたいと 思います。

  2. 光合成
     植物は光合成によりブドウ糖や脂肪酸等の炭水化物を作り出します。


     図8-1にブドウ糖の光合成メカニズムを示します。

     水に二酸化炭素が溶けると炭酸になります。
     これに光エネルギーが加わって、酸素ガスと活性分子が生成されます。 活性分子が6個結合し、端末安定化するとブドウ糖の分子になります。
     従って、光合成により水と二酸化炭素が酸素ガスとブドウ糖に変化する ことになります。

     この化学反応は、分子構造式上は成立しますが人工的には 実現できません。
     この逆反応、酸素ガスとブドウ糖から水と二酸化炭素を生成するには 燃焼により容易に行うことができます。
     生命体の特定分子分解・合成により、酸素ガスとブドウ糖が生成する わけです。
     もし、この反応を人工的に行う方法が発見されれば、それは大発見と なるでしょう。
     二酸化炭素による温暖化、エネルギー、食料問題等が解消されます。
     
  3. ブドウ糖の種類
     ブドウ糖の種類を図8-2に示します。

     ブドウ糖の具体的な形状はさまざまに変化できます。
     代表的な形状としてはαブドウ糖とβブドウ糖があります。
     3次元形状を正確に表示できないため2次元の結合で表示してあります。
     αブドウ糖とβブドウ糖はほとんど同じに見えますが右端のOHとHの配置が 逆転しています。



  4.  でんぷんとセルローズ
     でんぷんとセルローズの分子構造図を図8-3に示します。
     でんぷんとセルローズの分子構造図はほとんど同じに見えます。
     でんぷんはαブドウ糖の結合であり、上下が非対称のためねじれが発生します。
     セルローズβブドウ糖の結合であり、上下が対称で直線的な結合となります。

     光合成によりでんぷん、セルローズ等が合成されます。
     生命の合成においては、3次元形状まで正確に合成されます。
     私たちはでんぷんをブドウ糖に分解し栄養素とできますが、セルローズ は分解できません。
     草食動物はセルローズを分解し栄養にできます。 これも生命の神秘です。



9章:発酵に行く。

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