1章:機械設計の手順

  1. 装置開発の概略フロー
     図1-1に装置開発の概略フローを示します。

    (1)装置開発にあたっては、まず膨大な量の既存技術の調査・検討が 必要です。
     既存技術での実際の装置があれば理想的的です。実際の装置を 分析すると重要な情報が得られます。 さらには、特許公開情報、文献等の調査が必要です。
     そして、現状技術の問題点のリストアップをします。

    (2)対策は良いアイデアの提案が必要です。
     良いアイデアのためには、十分な事前調査が必要です。

    (3)対策案が公知の技術でない場合は、特許となる場合が ありますので、新規のアイデアの場合は特許出願できます。

    (4)新規のアイデアは問題が生じることが多いので、要素試作を 行って確認します。

    (5)もし、要素試作が成功した場合、実用機の開発プランを立てます。

    (6)実用機の開発は通常大掛かりとなりますので、作業を分担し 開発を進めることになります。
     仕様検討・基本構想・ユニット設計は複数の設計者で作業を分担 します。

     機械設計は、「要素試作」「基本構想」「ユニット設計」で必要となります。
     


  2. 機械製図の手順
     図1-2に機械製図の手順を示します。

     方式Aでは、
    (1)まず組立図を作成します。
    (2)組立図から部品図を作成します。
    (3)最後に部品手配のための部品表を作成します。
    (部品表には、型番で手配する購入部品表と加工部品を 手配するための加工部品表があります。)

     方式Bでは、 (1)まず検討図を作成します。
    (2)検討図から部品図を作成します。
    (3)次に部品手配のための部品表を作成します。
    (4)最後に、組立図を作成します。

     方式Aと方式Bでどちらがよいか?
     意見が分かれるのですが、私は方式Aが望ましいと考えます。
     方式Bの場合、最後に組立図を作成するわけですが、どうしても 組立図の完成が遅れます。
     方式Bでの組立図は組立に必要な図形のみを記載するため、 詳細な情報が組立図から削除されます。

     これに対して、方式Aは最初に組立図が作成されるため、 詳細な情報が組立図に残ります。
     また、組立図の完成が遅れることはありません。

     しかし、CADソフトの機能によっては、方式Bのほうが 作業性がよくなるケースがあります。

     AutoCAD LT 98やME-10では、方式Bになりがちです。
     手書き、パワーポイント、フリーソフト「AR-CAD」では、方式Aが 効率的です。

     なぜ?、このようになるかはソフト機能の違いに依存します。




2章:組立図と検討図の事例に行く。

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