16章:1次・2次関数のラプラス変換
作成2011.01.26(2011.01.28修正)
1次関数のラプラス変換
 t > 0 において
 f(t)=t の時

1次関数のラプラス逆変換
 コーシーの係数公式(13.2)式を変形します。


 ゆえに

2次関数のラプラス変換
 t > 0 において
 f(t)=t^2 の時

2次関数のラプラス逆変換
 逆変換は同様に(16.2)式を使用します。

 となり、ラプラス逆変換を行うと完全に元の関数形に戻ります。
一見、トリックを使っているようにも思われます。
数値計算による検証
 数値計算を用いれば、コーシーの係数公式を用いることなく、ラプラス逆変換の定義式のまま計算できます。

 (16.5)式の数値計算を実行します。
 閉曲線の積分路は、図16-1に示す通りとします。
 時間tは0〜5までを10分割して計算するとします。
複素関数グラフのワークブック「複素関数16.xls」のダウンロード
 下記のワークブック「複素関数16.xls」(ラプラス逆変換プログラム)をダウンロードしてください。
 ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
 
ワークブック「複素関数16.xls」をダウンロードする。
ワークブック「複素関数16.xls」説明
- ワークブック「複素関数16.xls」は複素関数機能を使用しています。
 - 複素関数機能を使うには、メニューの「ツール(T)」_「アドイン(I)」を選択し、アドインリストの「分析ツール」にチェックマークを設定する必要があります。
 - 「複素関数16.xls」をダブルクリックで起動します。
   (マクロを有効にして開いてください!!)
 - シート「操作」はパラメータの設定と操作を行います。
 - シート「OUT_FM」は数値積分の計算結果です。
 - シート「Graph1」は計算結果のグラフです。
 
シート「操作」
- 定数      A:Y=A*exp(Xt)/X^3の定数(=2)を設定します。
 - Xt     Xt:=IMPRODUCT(C9,C13)を設定します。
 - X^3  (X^3):=IMPOWER(C9,3)を設定します。
 - exp(Xt)     :=IMEXP(C14)を設定します。
 - 初期時間  ts:初期時間を設定します。
 - 終了時間  te:終了時間を設定します。
 - 時間分割数  Nt:時間分割数を設定します。
 - 積分路数  Nr:積分路数を設定します。
 - Xr(0)      :積分路スタート点の実数を設定します。
 - Xi(0)      :積分路スタート点の虚数を設定します。
 - Xr(1)      :積分路1本目の終点の実数を設定します。
 - Xi(1)      :積分路1本目の終点の実数を設定します。
 - N(1)      :積分路1本目の分割数を設定します。
 - Xr(2)      :積分路2本目の終点の実数を設定します。
 - Xi(2)      :積分路2本目の終点の実数を設定します。
 - N(2)      :積分路2本目の分割数を設定します。
 - Xr(3)      :積分路3本目の終点の実数を設定します。
 - Xi(3)      :積分路3本目の終点の実数を設定します。
 - N(3)      :積分路3本目の分割数を設定します。
 - Xr(4)      :積分路4本目の終点の実数を設定します。
 - Xi(4)      :積分路4本目の終点の実数を設定します。
 - N(4)      :積分路4本目の分割数を設定します。
注(1)積分路は斜め線の設定も可能です。
注(2)積分路数の最大は50本です。
 - 「計算実行」ボタンを押すと計算を実行します。
 
ラプラス逆変換(16.5)式の数値計算結果
 ラプラス逆変換を行った結果の実数部を図16-2に示します。

  ラプラス逆変換を行った結果の虚数部を図16-2に示します。

 ラプラス逆変換の数値計算の結果と代数解は完全に一致します。
17章:exp・sin関数のラプラス変換に行く。
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