8章:複素三角関数

    作成2011.01.18
  1. 複素三角関数の定義
     複素数の三角関数は、複素数XとYに関して以下のように定義される。



  2. 実数での公式
     複素数においても、下記の実数での公式は成立します。



  3. 複素三角関数の微分
     実数の微分公式がそのまま適用できます。

     三角関数を微分すると関数の形が変化するのではなく、位相がπ/2進むと考えることもできます。(これも実数と同じです。)


  4. 複素関数グラフのワークブック「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」のダウンロード
     下記のワークブック「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」をダウンロードしてください。

     ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
     
    ワークブック「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」をダウンロードする。


  5. ワークブック「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」説明
    1. ワークブック「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」は複素関数機能を使用しています。
    2. 複素関数機能を使うには、メニューの「ツール(T)」_「アドイン(I)」を選択し、アドインリストの「分析ツール」にチェックマークを設定する必要があります。
    3. 「複素関数8-1.xls」「複素関数8-2.xls」をダブルクリックで起動します。
         (マクロを有効にして開いてください!!)
    4. シート「操作」はパラメータの設定と操作を行います。
    5. シート「Yr」は関数Yの実数部3Dグラフです。
    6. シート「Yi」は関数Yの虚数部3Dグラフです。


  6. シート「操作」
    1. Xr分割数 Nr:変数Xの実数部範囲の分割数を設定します。
    2. Xr初期値 Xr1:変数Xの実数部の初期値を設定します。
    3. Xr終値   Xr2:変数Xの実数部の終値を設定します。
    4. Xi分割数  Ni:変数Xの虚数部範囲の分割数を設定します。
    5. Xi初期値  Xi1:変数Xの虚数部の初期値を設定します。
    6. Xi終値   Xi2:変数Xの虚数部の終値を設定します。

    7. 定数   A:関数Y=A*cos(X)の係数を設定します。
    8. cos  cos(X):=IMCOS(C16)を設定します。

    9. 「計算実行」ボタンを押すと3Dグラフを作成します。


  7. デフォルト条件での実行結果
     複素関数Y=cos(X)の実数部3Dグラフを図8-1に示します。


     複素関数Y=cos(X)の虚数部3Dグラフを図8-2に示します。


     複素関数Y=sin(X)の実数部3Dグラフを図8-3に示します。


     複素関数Y=sin(X)の虚数部3Dグラフを図8-4に示します。


     図8-1〜図8-4から、cos(X)とsin(X)で位相がπ/2ずれているだけで 同じ形をしていることがわかります。


  8. 複素関数Y= cos(X)の微分の検証1
     複素関数Y= cos(X)の微分はdY/dX=-sin(X)です。
     Yの変化量ΔYはXが実数軸上で変化した場合、すなわち
     X=1、ΔX=0.1の時



     Xが1から虚数軸上で変化した場合、すなわち
     X=1、ΔX=0.1×iの時



     (7.8)式、(7.9)式の結果は3Dグラフ図8-1と図8-2の結果と比べて 矛盾の無いことが確認できます。


  9. 複素関数Y= cos(X)の微分の検証2
     複素関数Y= cos(X)を数値微分で検証します。
     検証条件は
     X=1+i、ΔH=0.01×(1+i)とします。
     Y= -sin(X)の値は以下となります。


     次に数値微分法で微分値を求めます。
     結果は以下となります。

     (8.11)式の演算はEXCELの複素関数機能を使用すれば簡単に計算できます。

     さて、(8.10)式の結果と(8.11)式の結果を比較すると値が一致していることがわかります。


  10. 複素三角関数の特徴
    1. 実数の三角関数の公式が複素数の三角関数に適用できます。
    2. cos(X)微分は-sin(X)となります。
    3. sin(X)微分はcos(X)となります。
    4. 従って、不定積分は可能です。


  11. 複素関数の微分まとめ
    (1)実数の微分公式はそのまま、複素関数の微分公式として適用できます。
    (2)上記の公式と数値微分の結果は完全に一致します。


9章:複素関数の不定積分に行く。

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