13章:曲面の法線ベクトルと接平面の方程式
作成2011.02.13
スカラーの勾配は重力場における加速度以外にも応用が可能です。
曲面の法線ベクトルと接平面の方程式への応用を検討しましょう。
- 曲面の法線ベクトル
(13.1)式のaは定数であり、球面の方程式です。
(13.1)式の勾配は
であり、(13.2)式は球面に対して法線方向のベクトルとなります。
従って、単位法線ベクトルは下記式となります。
- 接平面の方程式
曲面上の1点Pの位置ベクトルをA、P点を通る接平面上の任意の位置ベクトルをRとすればR-Aは法線方向ベクトルに垂直でなければならない。
従って
を満足必要があります。
ゆえに
となります。
- 放物面鏡の法線と焦点
天体望遠鏡には、放物面鏡が用いられます。放物面鏡の法線と焦点位置について検討します。
図13-1に放物面鏡の法線と焦点の説明図を示します。
放物面鏡の面の方程式は下記となります。
放物面鏡の法線の式は以下となります。
Z軸と平行に入射する光線と法線ベクトルの角度θは
から
焦点位置Zfの値は
- 放物面鏡の法線角度と焦点位置のグラフ
Y=0として、Xとθの関係とXとZfの関係をグラフにします。
図13-2に放物面鏡の法線角度と焦点位置のグラフを示します。
図13-2において、放物面鏡のZ位置はXの変化により2次曲線で変化し、
角度θも変化しますが、焦点位置Zfは0.25で一定位置となることがわかります。
これは、無限遠からきた平行光線が1点に集光することを表しています。
- ワークブック「ベクトル解析13.xls」のダウンロード
図13-2のグラフのEXCELファイルは下記からダウンロードできます。
ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
ワークブック「ベクトル解析13.xls」をダウンロードする。
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