18章:電気双極子

    作成2011.02.23
  1. 電気双極子
     電気双極子とは、涌点と吸点がそれぞれ正電荷と負電荷に対応し、正電荷と負電荷の距離を無限小としたモデルのことです。

     図18-1における静電ポテンシャルは


     ここで

     とするならば、(18.1)式は下記のように変形できます。

     (18.3)式において、ΔXが無限小であっても、電荷eが無限大であれば、e ΔXは有限の値となります。
     もともと、電荷eの体積は無限小として静電ポテンシャルは定義しています。数学的モデルですからこのような定義が可能です。(実際は、電荷eの大きさも電荷eの値もΔXの値も有限のはずです。)
     m= e ΔXとするならば

     (18.4)式のmを電気双極子のモーメントといいます。 mはXの方向だけでなく任意の方向をとることができるためベクトルとして扱われます。
      (18.4)式の一般形はRを位置ベクトルとして下記のようになります。


     (18.4)式の計算結果を下記に示します。

     図18-2において、流れはポテンシャルの高い点から低い点に流れます。流れの方向はポテンシャルの等高面に垂直となります。


  2. スカラーの勾配
      具体的にはスカラーの勾配であり、下記の式となります。

     流線を描くにあたって、Z=0とします。 流線の方向はベクトルAの方向とします。 描く流線の長さをSとすると

     を満足するようにΔXとΔYを決定します。
    従って

     また、流線のスタートは涌点とし、角度Uを変数とします。そして、終点は吸点とします。
    以上の条件で作図プログラムを作成します。



  3. 電気双極子演習
     EXCELを用いて、電気双極子演習を行い、電気双極子のイメージアップを図りましょう!!

  4. ワークブック「ベクトル解析18.xls」のダウンロード
     下記のワークブック「ベクトル解析18.xls」(ベクトル作図プログラム)をダウンロードしてください。

     ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
     
    ワークブック「ベクトル解析18.xls」をダウンロードする。


  5. ワークブック「ベクトル解析18.xls」説明
    1. ワークブック「ベクトル解析18.xls」は複素関数機能を使用していません。
    2. 「ベクトル解析18.xls」をダブルクリックで起動します。
         (マクロを有効にして開いてください!!)
    3. シート「操作」はパラメータの設定と操作を行います。
    4. シート「XY平面」はXY平面上の作図を行います。
    5. シート「ポテンシャル」はポテンシャルの3Dグラフを示します。


  6. シート「操作」
    1. X作図倍率 Mx:作図上のXの倍率を設定します。
    2. Y作図倍率 My:作図上のYの倍率を設定します。
    3. 角度間隔 dU(度):作図上の角度間隔を設定します。
    4. 計算回数 N:角度の計算回数を設定します。
    5. 線分長さ dS:作図上の線分長さを設定します。

    6. 「作図実行」ボタンを押すと作図を実行します。


  7. 計算・作図結果
     入力条件を下記表に示します。

     

     作図結果を下記に示します。

     図18-3の0度の流れは直線で消えています。(0度の流れは無限大の長さになります。)







19章:正電荷と電気双極子のある場に行く。

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