21章:アンペアーの法則

    作成2011.03.03
  1. アンペアーの法則
     アンペアーは天才的な方法で種々の実験を行い、電流と磁場の相互作用の基本法則を確立しました。
     アンペアーの法則は下記が根本となっています。
    (1)平行に相接して逆向きに走る2つの相等しい強さの電流は互いに打消しあって外部に磁気作用を生じない。

    (2)電流が流れている環状の線はあたかも磁石のような振る舞いをする。 (3)図21-2において、電流の方向に右ネジを回した時にネジの進む方向が磁石のN極であるかのように振舞う。
     上記の(3)を言い換えると図21-3に示すように「電流Iの方向に右ネジを回す時に、回す方向が磁場の方向と一致する。」となります。




  2.  電磁単位系
      アンペアーはさらに下記に法則を見出しています。
    (1)電流が平面上の曲線にそって流れる時、この面上の磁位(ポテンシャル)はゼロである。
    (2)あるコイルがP点において作る磁位は、P点からコイルをみた立体角に比例する。

     上記の(2)を式にすると

    磁気双極子のポテンシャルは

    であり、(21.1)式と(20.4)式は等しくなります。従って

     モーメントmと位置ベクトルRの成す角度をθとすれば

     コイルが半径aの円形で、法線ベクトルnと位置ベクトルRの成す角度をθとすれば

     (21.3)式に(21.4)式を代入すると

     となる。(21.5)式をみればわかるように、電流Iが磁気モーメントmによって決まる。これをアンペアーと呼ぶ。
     従って、電気の単位、アンペアー、クーロン等は本質的には磁気的に決めることができる。このような単位系を電磁単位系と呼ぶ。





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