6章:ベクトルの外積

    作成2011.02.04
  1. ベクトルの外積の定義
     図6-1のベクトルの外積説明図に示すベクトルAとBにおいて、 AとBで形成される平行四辺形の面積と大きさが等しく、平行四辺形と垂直な方向ベクトルをベクトルの外積と定義します。
     また、正負の方向はAからBに回したとき、右ネジの進む方向を正と定義しています。

     定義式は下記となります。

     ベクトルCの大きさ(絶対値)は

     となります。


  2. 基本ベクトルの外積
     図6-2に示す基本ベクトルの外積において下記の関係式が成立します。




  3. ベクトルの外積の基本公式
     上記の(6.1)式で定義されたベクトルの外積から、下記の重要な基本公式が導かれます。

     (6.7)式は下記のようにも記述されます。

     ベクトルCの絶対値は

     となります。
     またSIN(θ)の値は

     として求めることができます。

  4. (6.7)式の証明(1)
     (6.7)式は以下の代数演算により証明できます。



  5. (6.7)式の証明(2)
     図6.3の 証明(2)説明図のベクトルAとBはXY平面内とします。
     従って

     従って

     三角関数の公式から

     ゆえに

     となって、ベクトルの外積の定義式と一致します。


  6. ベクトルの外積の幾何学的意味
     ベクトルの外積はAとBで形成される平行四辺形の面積と大きさが等しく、面と垂直な法線ベクトルを得ることができます。
     この性質を利用することにより、複雑な曲面の法線ベクトルを計算したり、面積等の計算が可能となります。

  7. ベクトルの外積と物理量との対応(1)
     図6-4に示すようにベクトルの外積は力のモーメントへの応用が可能です。
     力のモーメントは下記の式で記述できます。




  8. ベクトルの外積と物理量との対応(2)
     図6-5に示すようにベクトルの外積は角速度と速度への応用が可能です。
     角速度と速度は下記の式で記述できます。






  9. ベクトルの外積計算演習
     EXCELを用いて、ベクトルの外積計算演習を行い、ベクトルの外積計算のイメージアップを図りましょう!!

  10. ワークブック「ベクトル解析6.xls」のダウンロード
     下記のワークブック「ベクトル解析6.xls」(ベクトル作図プログラム)をダウンロードしてください。

     ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
     
    ワークブック「ベクトル解析6.xls」をダウンロードする。


  11. ワークブック「ベクトル解析6.xls」説明
    1. ワークブック「ベクトル解析6.xls」は複素関数機能を使用していません。
    2. 「ベクトル解析6.xls」をダブルクリックで起動します。
         (マクロを有効にして開いてください!!)
    3. シート「操作」はパラメータの設定と操作を行います。
    4. シート「XY平面」はXY平面上の作図を行います。
    5. シート「YZ平面」はYZ平面上の作図を行います。


  12. シート「操作」
    1. ベクトル数(Nb)  :ベクトル数を設定します。
    2. 作図倍率M:ベクトル毎の描画倍率を設定します。
    3. X:ベクトル始点のX成分を設定します。
    4. Y:ベクトル始点のY成分を設定します。
    5. Z:ベクトル始点のZ成分を設定します。
    6. ΔX:ベクトルのX成分を設定します。
    7. ΔY:ベクトルのY成分を設定します。
    8. ΔZ:ベクトルのZ成分を設定します。

    9. 「作図実行」ボタンを押すと作図を実行します。


  13. 計算・作図結果
     入力条件を下記表に示します。

       ベクトルAとBの値を設定するとベクトルの内積、角度θ、ベクトルの外積、面積、法線ベクトル等 は自動計算されます。

     作図結果を下記に示します。

     ベクトルの相対角度θは60度ですが、作図結果からは 明確には判断できません。
     相対角度θについては、ベクトルの内積からもベクトルの外積からも求まり一致します。
     ベクトルの外積では、面積、法線ベクトル等が計算できます。




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