9章:空気抵抗がある場合の放射物体の運動

    作成2011.02.07
  1. ベクトルの微分
     物体の質量をm、重力の加速度をg、重力の方向をZ軸に-kとすれば、放射体のいちベクトルをrとします。また空気抵抗をc、横風の風速ベクトルをVaとします。
     運動方程式は

     (9.1)式を変形すると

     (9.2)式を初期条件t=0でR=0、V=V0としてラプラス変換します。

     (9.5)式を整理すると

     (9.6)式をラプラス逆変換します。

     ここで(9.8)式の微分をおこないます。微分公式は

     従って

     ゆえに

     (9.2)式の解は

     (9.12)式を微分すると

     t=∞で

     となり、一定速度になることがわかります。



  2. 空気抵抗が有る場合の放射物体の運動演習
     EXCELを用いて、空気抵抗が有る場合の放射物体の運動演習を行い、空気抵抗が有る場合の放射物体の運動のイメージアップを図りましょう!!

  3. ワークブック「ベクトル解析9.xls」のダウンロード
     下記のワークブック「ベクトル解析9.xls」(ベクトル作図プログラム)をダウンロードしてください。

     ダウンロード後はダブルクリックで解凍してから使用してください。
     
    ワークブック「ベクトル解析9.xls」をダウンロードする。


  4. ワークブック「ベクトル解析9.xls」説明
    1. ワークブック「ベクトル解析9.xls」は複素関数機能を使用していません。
    2. 「ベクトル解析9.xls」をダブルクリックで起動します。
         (マクロを有効にして開いてください!!)
    3. シート「操作」はパラメータの設定と操作を行います。
    4. シート「XY平面」はXY平面上の作図を行います。
    5. シート「YZ平面」はYZ平面上の作図を行います。
    6. シート「数値」は計算結果の数値データです。


  5. シート「操作」
    1. 位置作図倍率 Mr:作図上の位置の倍率を設定します。
    2. 速度作図倍率 Mv:作図上の速度の倍率を設定します。
    3. 時間間隔 dt(s):計算時間間隔を設定します。
    4. 計算回数 N:計算回数を設定します。
    5. 質量 m(kg):質量を設定します。
    6. 粘性抵抗 c(kg/s):粘性抵抗質量を設定します。
    7. 重力加速度 G(m/s^2):重力加速度を設定します。
    8. 横風(風速) Va(m/s):横風(風速)を設定します。
    9. 初期速度 V0(m/s):初期速度のXYZ成分を設定します。
    10. 初期位置 r0(m):初期位置のXYZ成分を設定します。

    11. 「作図実行」ボタンを押すと作図を実行します。


  6. 計算・作図結果
     入力条件を下記表に示します。

     

     作図結果を下記に示します。

     図9-1と図9-2において、ベクトルの始点はXYZの位置座標、ベクトルの方向と長さが速度 ベクトルで表示しています。

     図9-1と図9-2からわかるように空気抵抗が有る場合の放射物体は 横風の影響を受けて曲がります。
     また、初速はしだいに減速するため、放物線とは異なるカーブを描きます。
     より、リアルなシューティングゲーム等に応用できそうです。




10章:惑星の運動に行く。

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