2章:糖尿病のお薬
作成2011.10.08
- これまでに服用した糖尿病のお薬一覧
これまでに服用した糖尿病のお薬一覧を下記の表に示します。
No | 名称 | 単位 | メーカー | 分類 | 系統 | 成分名 | CAS No |
1 | メルビン錠250mg | 250mg | 大日本住友 | 糖尿病用剤 | ビグアナイド系 | メトホルミン塩酸塩 | 1115-70-4 |
2 | メトグルコ錠250mg | 250mg | 大日本住友 | 糖尿病用剤 | ビグアナイド系 | メトホルミン塩酸塩 | 1115-70-4 |
3 | ジャヌビア錠50mg | 50mg | MSD | 糖尿病用剤 | DPP-4阻害剤 | シタグリプチン リン酸塩水和物 | 486460-32-6 |
4 | ボグリボースOD錠0.2mg | 0.2mg | メディサ | 糖尿病用剤 | αグリコシターゼ阻害剤 | ボグリボース | 83480-29-9 |
- ブドウ糖
図2-1にαブドウ糖の分子構造を示します。
αブドウ糖は私たちの重要なエネルギー源です。
私たちは血液中のαブドウ糖からエネルギーを得て活動しています。
もし、血液中のαブドウ糖が不足すれば、エネルギー不足で活動できなくなります。
しかし糖尿病とは、血液中のαブドウ糖が多すぎる病気です。
血液中のαブドウ糖が多すぎても何の自覚症状はでてきません。
私たちは、食事を取り、それを消化・吸収してαブドウ糖を得ています。
摂取量が足りなければ、活動がにぶってしまいます。多すぎた場合は、あまった
αブドウ糖は中性脂肪に変換されて蓄積されます。
定常的にあまりすぎれば、肥満の原因になるとともに悪影響がでてくるようです。
従って、 αブドウ糖必要量と摂取量のバランスが重要なのですが、
どのような基準でバランスをとるかが課題です。
- でんぷん
植物は土中から水を吸い上げ、空気中から二酸化炭素を吸収し、光合成で
ブドウ糖を合成します。
ブドウ糖にはα型とβ型があり、αブドウ糖が脱水縮合反応により多数個結合した物質が
でんぷんです。
βブドウ糖が脱水縮合反応により多数個結合した物質がセルローズ(繊維質)です。
草食動物は、セルローズ(繊維質)を加水分解し、ブドウ糖にする消化酵素があり
セルローズ(繊維質)を食べて、栄養として吸収する能力を持っています。
私たち人間は、でんぷんを加水分解し、ブドウ糖にする消化酵素をもっていますが、
セルローズ(繊維質)を加水分解し、ブドウ糖にする消化酵素は持っていません。
私たちは、毎日の食事で、でんぷんを含む栄養素をとり、体内の消化酵素の働きで
でんぷんを加水分解しブドウ糖に分解して、体内に吸収します。
問題なのは、必要量以上にでんぷんを摂取しすぎてしまいやすいことです。
年齢を重ねるにつれ、細胞の活性度が衰え、ブドウ糖の必要量は減少すると
思われます。
でんぷんの摂取量を必要量にあわせてコントロールできればよいのですが、
長年の食事習慣を簡単にはコントロールできません。
でんぷんのかわりにセルローズ(繊維質)を多く含む食事をすれば、ブドウ糖と
して吸収される量は減少しますが、そう簡単には変更できません。
無理な食事制限はストレス病の原因となるはずです。
運動量が多くなればブドウ糖の消費量が増えますので、バランスがとれますが、これも
年齢を重ねて運動量を維持することは無理があります。
運動量を無理に増やさず、でんぷんの摂取量を無理に減らさず、ブドウ糖の
必要量と摂取量のバランスをとる方法があります。
それは、糖尿病のお薬を適度に摂取することです。
- メルビン錠250mg とメトグルコ錠250mg 成分の分子構造
メルビン錠250mg とメトグルコ錠250mgは名称が異なるだけで全く同じ薬です。
したがって、成分の分子構造、効果も全く同じです。
成分名 メトホルミン塩酸塩
【CasNo.】 1115-70-4
【分子式】 C4H11N5・HCl
【分子量】 165.62
図2-3(a)にメトホルミン塩酸塩の分子構造を示します。
図2-3(a)において、メトホルミン分子と塩酸分子を併記しただけの図になっています。
メトホルミン分子はNHの構造を多数個持っています。
この構造はアンモニアと同じに、プラス水素イオンを引き付けてプラスイオンとなり、
水溶液は強いアルカリ性を示します。
塩酸はアルカリ性を中和し中性にする性質があります。この反応の一例を
図2-3(b)に示します。
メトホルミン塩酸塩の水溶液はイオン性の電解液となります。
分子構造から人体への影響を予想できるか?
残念ながら、高分子材料の人体への影響は複雑でよくわかりません。
この薬を服用して、どの様な変化を感じたか?
私個人の感想ですが
・この薬を服用前は便秘症でしたが、便秘しなくなりました。
ただし、下痢をしやすくなりました。
・血糖値が服用前と比較して下がりました。
(便秘症の方には、便秘改善薬としての効果がありそうです。)
(下痢症の方は避けたほうが良いとおもいます。)
- ジャヌビア錠50mg 成分の分子構造
成分名 シタグリプチン リン酸塩水和物
【CasNo.】 486460-32-6
【分子式】 H3O4P・H2O・C16H15F6N5O
図2-4にシタグリプチン リン酸塩水和物の分子構造を示します。
シタグリプチン分子にはNH2の構造があります。
この構造はアンモニアと同じに、プラス水素イオンを引き付けてプラスイオンとなり、
水溶液はアルカリ性を示します。
リン酸はプラス水素イオンを放出し、マイナスイオンとなり、酸性となります。
シタグリプチンとリン酸の中和反応物です。
シタグリプチン リン酸塩水和物の水溶液はイオン性の電解液となります。
分子構造から人体への影響を予想できるか?
残念ながら、高分子材料の人体への影響は複雑でよくわかりません。
この薬を服用して、どの様な変化を感じたか?
私個人の感想ですが
・ほとんど変化を感じませんでした。
・血糖値の変化はありませんでした。
- ボグリボースOD錠0.2mg 成分の分子構造
成分名 ボグリボース
【CasNo.】 83480-29-9
【分子式】 C10H21NO7
【分子量】 267.28
図2-5にボグリボースの分子構造を示します。
図2-5の分子構造において、7個ものOH基を持つのが特徴的です。
OH基は水に良く溶解する性質があります。
分子構造から人体への影響を予想できるか?
残念ながら、高分子材料の人体への影響は複雑でよくわかりません。
この薬を服用して、どの様な変化を感じたか?
私個人の感想ですが
・おなかの不調を感じることがありました。
・血糖値が服用前と比較してさらに追加して下がりました。
- メルビン錠250mg とメトグルコ錠250mg の作用・特徴・注意・効能・用法・副作用
- 概説
血糖値を下げるお薬です。糖尿病の治療に用います。
- 作用
【働き】
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されています。糖尿病は、このインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こします。
このお薬は、血糖降下薬です。インスリンに対する感受性を高め、おもに肝臓での糖分の生成を抑えることで血糖を下げます。適応となるのは2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)で、なかでも肥満型に向くといわれています。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。
【薬理】
肝臓での糖新生抑制、末梢での糖利用促進、腸管からの糖吸収抑制の3つの作用により血糖を下げます。これらは膵外作用であり、膵β細胞のインスリン分泌を介しません。
糖新生抑制:肝臓での糖の生成が抑制されます。
糖利用促進:筋肉、脂肪組織など末梢での糖分の利用を促進します。
糖吸収抑制:小腸における糖分の吸収が抑制されます。
- 特徴
・古くからあるビグアナイド系の血糖降下薬です。略称はBG薬。SU薬に代表されるインスリン分泌促進薬とは異なり、膵臓でのインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を発揮します。この系統の特異な副作用として「乳酸アシドーシス」が知られています。
・この薬の有効成分メトホルミンは、同系のなかでは乳酸アシドーシスの発現が少なく、比較的安全性が高いです。イギリスでおこなわれた大規模長期臨床試験でもよい結果がでており再評価されています。(一方で、かつて、他のBG系薬剤による重い乳酸アシドーシスが世界的に問題となったことがあり、また、古くにおこなわれた同系薬剤による長期臨床試験では必ずしもよい結果が出ていません。)
・体重増加を助長しないことから、とくに肥満型の2型糖尿病に好んで用いられます。血液中のコレステロールや中性脂肪の低減効果も多少期待できそうです。
・欧米では2型糖尿病の第一選択薬として広く用いられています。日本では、乳酸アシドーシスの副作用から、用法用量に制限が加えられ、近年あまり使われていませんでしたが、最近また見直されています。
・2010年、メトグルコ錠が新薬として改めて承認されました。海外での使用実績をふまえ、従来のメトホルミンの用法・用量を大きく見直し、高用量処方を可能としたものです。それまでの1日最大用量750mg に対し、1日維持用量として750〜1500mg、1日最大用量として2250mg の処方が可能となり、また食後に加え食直前の服用が認められています。
- 注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。妊娠中は服用禁止です。
もし、体調が悪ければ、そのことも伝えてください(発熱、食欲がない、下痢をしている・・など)
飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。服用中の薬は、すべて報告しておきましょう。
注意事項や副作用、また、体調が悪いときの飲み方「シックデイルール」などについて十分説明を受けてください。とくに乳酸アシドーシスと低血糖時の対処法について、ご家族も含めて理解を深めておくことが大切です。
治療中に「低血糖症状」を起こした場合は、必ず医師に報告してください。
CT検査や心臓カテーテル検査をふくめX線造影検査(レントゲン)をおこなうさいは、服薬の継続について相談しておきましょう。
【注意する人】
乳酸アシドーシスあるいは低血糖を起こす可能性が高い場合は処方を控えます。たとえば、腎臓病や肝臓病、心臓病のある人、また体の状態がひどく悪いときなど使用できないことがあります。高齢の人も副作用がでやすいので、慎重に用いる必要があります。造影剤を使用する検査をおこなうさいは、一時休止しなければなりません。
適さないケース..乳酸アシドーシスになったことのある人、腎臓が相当に悪い人、透析を受けている人、重い肝臓病、重い心臓病や肺の病気、アルコール摂取量の多い人、脱水症、下痢や嘔吐、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病、重い外傷や感染症、手術前後,、脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良状態、衰弱状態、妊娠中、ヨード造影剤使用時など。
注意が必要なケース..腎臓病、肝臓病、感染症、高齢の人、不規則な食事や食事摂取量の不足、激しい筋肉運動をおこなう人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
薬の飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、乳酸アシドーシスや低血糖の副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうケースもあります。他の薬との併用は、医師の判断で慎重におこなわなければなりません。
血糖降下作用を強める薬の例として、他の血糖降下薬、解熱鎮痛薬(アスピリンなど)、血圧や心臓の薬(β遮断薬、ACE阻害薬など)、胃薬のシメチジン(タガメット)などがあげられます。
血糖降下作用を弱める薬には、ホルモン剤(副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモンなど)、利尿薬、結核の薬(イソニアジド)、安定剤(フェノチアジン系)などがあります。
緊急な場合は別として、ヨード造影剤を使用して造影検査(レントゲン)をおこなうさいは、一時的に服薬を中止することになります。とくに大量の造影剤を用いる心臓カテーテル検査などにおいては適切な対応が必要です。服用再開は検査後2日目以降になります。
アルコールは血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発します。できるだけ控えてください。飲酒を希望するのなら、医師とよく相談のうえにしましょう。
【使用にあたり】
症状によって、飲む量や飲み方が違います。決められた服用量、服用回数を厳守してください。一般的には、少量より開始し、副作用や血糖値に注意しながら慎重にゆっくりと増量していきます。
万一飲み忘れたら、その1回分は抜かしてください。絶対に、2回分を1度に飲んではいけません。
体調が悪く、食事がとれていないとき、下痢をしているとき、あるいは激しい運動の前後、疲労のひどいときなどは、薬の量を減らしたり休薬したほうがよいことがあります。そのようなときの対処法(シックデイルール)を医師から聞いておきましょう。
薬の効きすぎによる低血糖症状(副作用の項参照)があらわれたら、すぐに甘いもの(糖分)をとるようにします。糖分としては、吸収の良い砂糖がおすすめで10〜20gをとるようにしてください。外出のときにも持ち歩くようにしましょう。そのほか糖分の多いジュースなどでもかまいませんが、アメ玉は溶けるのに時間がかかるので向いていません。なお、αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)を併用している場合は、病院から渡されるステイックシュガー(ブドウ糖)をとるようにしてください。すぐに糖分をとれば15分くらいで治ってきますが、医師への報告も忘れないようにしましょう。
万一の重い低血糖症状にそなえ、糖尿病手帳やカードを身につけているとよいでしょう。
低血糖には注意が必要ですが、こわがりすぎて血糖値を高いままにしておいてはいけません。
【検査】
定期的に血糖値やHbA1c、腎機能や肝機能検査、その他必要な検査を受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。
【妊娠授乳】
妊娠中は飲み薬ではなく、インスリン注射薬による治療をおこないます。
【食生活】
低血糖によるめまいやふらつきを起こすおそれがあります。車の運転や高所での危険な作業などには十分注意しましょう。
この薬を飲みはじめても、食事療法や運動療法をきちんと続けるようにしてください。
【備考】
2型糖尿病では、食事療法や運動療法がとても大切です。アメリカでおこなわれた「糖尿病予防プログラム(DPP)」でも、その重要性が示されています。糖尿病の一歩手前の人(IGT)約3200人を、@プラセボ(にせ薬)を飲む人、A糖尿病治療薬のメトホルミンを飲む人、B食生活を改善する人(強化食事・運動療法)の3つのグループに分け、糖尿病の発症予防効果を比較した試験です。試験の結果、もっとも予防効果があったのはBの「食生活を改善するグループ」でした。
2型糖尿病や境界型の人は、まず食事療法や運動療法からはじめます。医師や栄養士とよく相談のうえ、自分に適したやりかたで日々続けることが大切です。このような基本療法だけで血糖値が十分に下がれば薬を使う必要はありません。けれど不十分な場合は、飲み薬やインスリン注射による薬物治療が必要となってきます。基本療法は、薬を飲みはじめても続けるようにしてください。
メトホルミンは別かもしれませんが、飲み薬の最終的な効果(重い合併症を防げるか、長生きできるか)は、必ずしも明確ではありません。一方、インスリン注射薬でより厳格に血糖値をコントロールすると、目の病気(網膜症)や腎臓病などの重い合併症を減らせることが証明されています。2型糖尿病でも、医師からインスリン療法をすすめられた場合は積極的に受け入れてください。
- 効能
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る
食事療法・運動療法のみ
食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
- 用法
【一般】
通常、成人はメトホルミン塩酸塩として1日量500mgより開始し、1日2〜3回食後に分割経口服用する。維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高服用量は750mgとする。
【メトグルコ】
通常、成人はメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2〜3回に分割して食直前又は食後に経口服用する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750〜1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高服用量は2,250mgまでとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
- 副作用
比較的多いのは、下痢や吐き気、食欲不振、腹痛などです。このような胃腸症状は重篤な乳酸アシドーシスの初期症状として現れることがありますので、症状が強い場合は医師と連絡をとり、継続の可否を含めて指示をあおいでください。
乳酸アシドーシスはこの薬に特有な副作用で、血液中に乳酸がたまり血液が酸性になった状態です。とくに、もともと肝臓病や腎臓病、心臓病などの持病のある人、体の弱っている人、脱水がある場合、また薬の飲み始めや量を増やしたときに起こりやすいものです。胃腸症状をはじめ、けん怠感、筋肉痛、息苦しさなどを伴いますので、そのような場合は直ちに医師に連絡してください。
そのほか、「低血糖」を起こすおそれもあります。低血糖とは、必要以上に血糖値が下がってしまう状態です。おおよそ血糖値が50mg/dl以下になると低血糖特有の症状があらわれてきます。ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、目のちらつき、イライラ、ぼんやり、さらに重くなると、気が遠くなり、けいれんを起こしたり意識を失うこともあります。すぐに糖分を補給するようにしましょう。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
乳酸アシドーシス..吐き気、吐く、腹痛、下痢、けん怠感、息苦しい、息が荒い、筋肉痛、手足の脱力、歩けない、動悸、急激な体重減少、意識がうすれる。
低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
【その他】
下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛
乳酸上昇、肝機能異常
発疹、かゆみ
- ジャヌビア錠50mgの作用・特徴・注意・効能・用法・副作用
- 概説
血糖を下げるお薬です。糖尿病の治療に用います。
- 作用
【働き】
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されています。糖尿病は、このインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こします。
このお薬は、血糖を下げる血糖降下薬です。特徴的な作用として、血糖値を適時、適度に下げる点があげられます。つまり、血糖値が高いときにインスリンを分泌させ、血糖をほどよく下げるのです。適応症は、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)です。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。
【薬理】
食事をとると、インクレチン(GLP-1、GIP)という消化管ホルモンが分泌され、膵臓に対しインスリン分泌を促します。さらに、インクレチン(GLP-1)は膵臓からのグルカゴン分泌を低下させ、肝臓における糖の産生を抑制します。インクレチンはこのようにして血糖を下げる役目をするのですが、血糖依存的に作用するので、血糖値が低い場合にはインスリンの分泌を促進せず必要以上に血糖を下げません。
シタグリプチン(この薬)は、インクレチンを分解する酵素DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)を選択的に阻害し、活性型インクレチン濃度を上昇させます。結果的に、鈍っているインクレチンの働きを高め、血糖依存的な血糖低下作用をもたらすことになるのです。このような薬理作用から選択的DPP-4阻害薬と呼ばれています。
- 特徴
国内初の選択的DPP-4阻害薬です。SU薬など従来からのインスリン分泌促進薬とは作用機序が違います。その作用は、DPP-4阻害作用にもとづき、インクレチンを介するものです。血糖コントロールが改善されますので、HbA1cの低下にもつながります。ただし、単独ではやや弱いので、他の糖尿病治療薬との併用療法が必要なことがあります。
血糖に依存し比較的ゆるやかに作用しますので、効きすぎによる低血糖を起こしにくいです。また、食欲抑制作用があり体重増加をきたしにくいとされます。これらの特性から、新規発症者や高齢の人に向くようです。また、日本人に多い非肥満型の糖尿病にも有用と考えられています。
食事の影響を受けないので、1日1回いつでも飲めて服用が楽です。
腎排泄型です。このため、腎臓病のある人は慎重に用いる必要があります。腎機能の程度により用量を調整しなければなりません。
新しい薬なので、本当に合併症を予防できるのか、長生きにつながるのかなど長期的な予後改善効果については、まだよく分かっていません。長期服用時の有効性や安全性については、今後の課題といえるでしょう。
- 注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。
もし、体調が悪ければ、そのことも伝えてください(発熱、食欲がない、下痢をしている・・など)
服用中の薬を医師に教えてください。
注意事項や副作用について十分説明を受けてください。とくに低血糖時の対処法については、ご家族も含めよく承知しておくことが大切です。
治療中に「低血糖症状」を起こした場合は、必ず医師に報告してください。
【注意する人】
腎臓の悪い人や高齢の人は、薬の排泄が遅れがちです。そのため、低血糖症の発現に留意し、用量を少なめにするなど慎重に用いるようにします。
適さないケース..重い腎臓病、1型糖尿病、糖尿病性昏睡、ケトアシドーシス、重い外傷や感染症、手術前後など。
注意が必要なケース..腎臓病、脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良状態、衰弱状態、不規則な食事や食事摂取量の不足、アルコール摂取量の多い人、激しい筋肉運動をおこなう場合、高齢の人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
他の血糖降下薬といっしょに使用するときは、低血糖症に注意が必要です。とくにインスリン注射薬またはスルホニルウレア薬(SU薬)と併用するさいは、その減量を考慮しなければなりません。そのほかにも、血糖降下作用に影響する薬がたくさんあります。使用中の薬は忘れず医師に報告しておきましょう。
血糖降下作用を強める薬の例..他の血糖降下薬(SU薬、BG薬、インスリン抵抗性改薬、インスリン注射薬など)、降圧薬(β遮断薬など)、フィブラート系高脂血症治療薬など。
血糖降下作用を弱める薬の例..ステロイド薬、甲状腺ホルモン薬など。
アルコールは血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発します。できるだけ控えてください。飲酒を希望するのなら、医師とよく相談のうえにしましょう。
【使用にあたり】
飲み方は医師の指示通りにしてください。腎臓病のある人は少量となることがあります。通常1日1回、食事と関係なく飲めますが、飲み忘れのないように時間を決めて規則正しく服用しましょう。
αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル)やチアゾリジン系薬剤(アクトス)など別の血糖降下薬と併用することがあります。
低血糖(副作用の項参照)に注意しましょう。低血糖症状があらわれたら、すぐに甘いもの(糖分)をとるようにします。糖分としては、吸収の良い砂糖がおすすめで10〜20gをとるようにしてください。外出のときにも持ち歩くようにしましょう。そのほか糖分の多いジュースなどでもかまいませんが、アメ玉は溶けるのに時間がかかるので向いていません。なお、αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)を併用している場合は、病院から渡されるステイックシュガー(ブドウ糖)をとるようにしてください。糖分をとれば15分くらいで治ってきますが、早めに医師に報告することも忘れないように。
万一の重い低血糖症状にそなえ、糖尿病手帳やカードを身につけているとよいでしょう。低血糖には注意が必要ですが、こわがりすぎて血糖値を高いままにしておいてはいけません。
特異な副作用として急性膵炎の報告があるようです。嘔吐をしたり、激しい腹痛や背中の痛みが続く場合は、すぐに受診してください。
【検査】
血糖値やHbA1cをはじめ、必要な検査を定期的に受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。
【妊娠授乳】
妊娠中は飲み薬ではなく、インスリン注射薬による治療をおこないます。
【食生活】
低血糖によるめまいやふらつきを起こすおそれがあります。車の運転や高所での危険な作業などには十分注意しましょう。
この薬を飲みはじめても、食事療法や運動療法をきちんと続けるようにしてください。
【備考】
2型糖尿病では、食事療法や運動療法がとても大切です。アメリカでおこなわれた「糖尿病予防プログラム(DPP)」でも、その重要性が示されています。糖尿病の一歩手前の人(IGT)約3200人を、@プラセボ(にせ薬)を飲む人、A糖尿病治療薬のメトホルミンを飲む人、B食生活を改善する人(強化食事・運動療法)の3つのグループに分け、糖尿病の発症予防効果を比較した試験です。試験の結果、もっとも予防効果があったのはBの「食生活を改善するグループ」でした。
2型糖尿病や境界型の人は、まず食事療法や運動療法からはじめます。医師や栄養士とよく相談のうえ、自分に適したやりかたで日々続けることが大切です。このような基本療法だけで血糖値が十分に下がれば薬を使う必要はありません。けれど不十分な場合は、飲み薬やインスリン注射による薬物治療が必要となってきます。基本療法は、薬を飲みはじめても続けるようにしてください。
メトホルミンは別として、飲み薬の最終的な効果(重い合併症を防げるか、長生きできるか)は、必ずしも十分確かめられていません。一方、インスリン注射薬でより厳格に血糖値をコントロールすると、目の病気(網膜症)や腎臓病などの重い合併症を減らせることが証明されています。2型糖尿病でも、医師からインスリン療法をすすめられた場合は積極的に受け入れてください。
- 効能
2型糖尿病。ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
食事療法、運動療法のみ
食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
- 用法
通常、成人はシタグリプチンとして50mgを1日1回経口服用する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
- 副作用
とくに他の血糖降下薬と併用する場合は、低血糖症の発現に十分に注意してください。低血糖とは、必要以上に血糖値が下がってしまう状態です。おおよそ血糖値が50mg/dl以下になると低血糖特有の症状があらわれてきます。ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、目のちらつき、イライラ、ぼんやり、さらに重くなると、気が遠くなり、けいれんを起こしたり意識を失うこともあります。すぐに糖分を補給するようにしましょう。
そのほかは ほとんどありませんが、重い肝障害や腎不全、さらには急性膵炎の副作用報告があるようです。万一のことですが、ひどい倦怠感、強い吐き気、嘔吐、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、尿が出ない、激しい腹痛などの症状が現れましたら、すぐに受診するようにしてください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)。
重い皮膚症状..高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
急性腎不全..だるい、吐き気、むくみ、尿の濁り、血尿、尿が少ない・出ない。
膵炎..上腹部〜背中の強い痛み、吐き気、吐く。
間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
【その他】
便秘、腹痛、腹部不快感
肝機能値の異常
- ボグリボースOD錠0.2mgの作用・特徴・注意・効能・用法・副作用
- 概説
食後の血糖上昇をおさえるお薬です。糖尿病や耐糖能異常の治療に用います。
- 作用
【働き】
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されています。糖尿病は、このインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気です。そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こします。
このお薬は、食後の急激な血糖上昇をおさえます。その作用は、腸からの炭水化物(糖分)の消化吸収をゆっくりと遅らせることによります。インスリン分泌の節約になるので、膵臓に負担をかけることもありません。日々の血糖値を適切に保つことは、将来起こるかもしれないさまざまな合併症の予防につながります。
【薬理】
小腸粘膜に存在するαグルコシダーゼという酵素は、砂糖や炭水化物をブドウ糖に分解する働きをしています。このお薬は、そのαグルコシダーゼの働きをじゃますることで、ブドウ糖への分解を遅らせます。その結果として、ブドウ糖の体内への吸収がゆっくりになり、食後過血糖が抑えられます。
- 特徴
従来の血糖降下薬とは異なる新しい部類の糖尿病治療薬です。作用機序から「αグルコシダーゼ阻害薬」と呼んだり、その臨床効果から「食後過血糖改善薬」と呼ぶこともあります。
インスリンを介する直接的な血糖低下作用はありません。単独では弱いので、SU薬など他の血糖降下薬と併用することが多いです。
いわゆる糖尿病予備軍にあたる耐糖能異常のある人に対する効能が新たに追加されました。糖尿病の一歩手前から使用することで、その発症抑制効果が期待できます。
- 注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
妊娠中や、その可能性のある人は申し出てください。
もし、体調が悪ければ、そのことも伝えてください(発熱、食欲がない、下痢をしている・・など)
服用中の薬を医師に教えてください。
注意事項や副作用、また、体調が悪いときの飲み方「シックデイルール」などについて十分説明を受けてください。とくに低血糖時の対処法については、ご家族も含めよく承知しておくことが大切です。
治療中に「低血糖症状」を起こした場合は、必ず医師に報告してください。
【注意する人】
胃腸の安静を必要とする場合は慎重に用いなければなりません。たとえば、腸閉塞や腸に癒着のある人、また胃腸の手術後などです。なお、重症ケトーシスや糖尿病性昏睡、重症感染症や妊娠中における高血糖には、飲み薬ではなく、インスリン注射薬が必須です。
適さないケース..重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、重い感染症、重い外傷、手術前後、妊娠中。
注意が必要なケース..胃腸に病気のある人、肝臓や腎臓の悪い人、高齢の人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
他の血糖降下薬と併用するときは、低血糖の発現に注意が必要です。ほかにも、血糖降下作用に影響をおよぼす薬がたくさんあります。使用中の薬は忘れず医師に報告しておきましょう。
血糖降下作用を強める薬の例..他の血糖降下薬(SU薬、BG薬、インスリン抵抗性改薬、インスリン注射薬など)、降圧薬(β遮断薬など)、フィブラート系高脂血症治療薬、ワルファリンなど。
血糖降下作用を弱める薬の例..ステロイド薬、甲状腺ホルモン薬など。
アルコールは血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発します。できるだけ控えてください。飲酒を希望するのなら、医師とよく相談のうえにしましょう。
【使用にあたり】
食事のすぐ前に飲んでください(食直前)。万一、飲み忘れた場合は、食事中でもよいのですぐに飲むようにしましょう。ただし、食後時間が開いてしまうと飲んでも意味がありません。また、何らかの事情で食事がとれないときは、飲む必要はありません(医師に確認しておきましょう)。
おなかが張ってゴロゴロしたり、便がやわらかくなり排便回数が多くなることがあります。徐々に体が慣れしだいに軽減することが多いのですが、つらいときは 医師と相談するようにしてください。
オナラも増えるかもしれません。我慢はよくないのですが、お仕事などで支障のあるときは医師とよく相談してみましょう。
他の血糖降下薬と併用しているときは、低血糖(副作用の項参照)に注意しましょう。低血糖症状があらわれたら、直ちに病院から渡された“ブドウ糖”をとってください。
万一の重い低血糖症状にそなえ、糖尿病手帳やカードを身につけているとよいでしょう。
低血糖には注意が必要ですが、こわがりすぎて血糖値を高いままにしておいてはいけません。
【検査】
定期的に血糖値やHbA1C、その他必要な検査を受け、効果や副作用をチェックするようにしましょう。
【妊娠授乳】
妊娠中は飲み薬ではなく、インスリン注射薬による治療をおこないます。
【食生活】
他の血糖降下薬と併用しているときは、低血糖によるめまいやふらつきを起こすおそれがあります。車の運転や高所での危険な作業などには十分注意しましょう。
この薬を飲みはじめても、食事療法や運動療法をきちんと続けるようにしてください。
【備考】
2型糖尿病では、食事療法や運動療法がとても大切です。アメリカでおこなわれた「糖尿病予防プログラム(DPP)」でも、その重要性が示されています。糖尿病の一歩手前の人(IGT)約3200人を、@プラセボ(にせ薬)を飲む人、A糖尿病治療薬のメトホルミンを飲む人、B食生活を改善する人(強化食事・運動療法)の3つのグループに分け、糖尿病の発症予防効果を比較した試験です。試験の結果、もっとも予防効果があったのはBの「食生活を改善するグループ」でした。
2型糖尿病や境界型の人は、まず食事療法や運動療法からはじめます。医師や栄養士とよく相談のうえ、自分に適したやりかたで日々続けることが大切です。このような基本療法だけで血糖値が十分に下がれば薬を使う必要はありません。けれど不十分な場合は、飲み薬やインスリン注射による薬物治療が必要となってきます。基本療法は、薬を飲みはじめても続けるようにしてください。
メトホルミンは別として、飲み薬の最終的な効果(重い合併症を防げるか、長生きできるか)は、必ずしも十分確かめられていません。一方、インスリン注射薬でより厳格に血糖値をコントロールすると、目の病気(網膜症)や腎臓病などの重い合併症を減らせることが証明されています。2型糖尿病でも、医師からインスリン療法をすすめられた場合は積極的に受け入れてください。
- 効能
【効能A】
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
【効能B】
耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制(錠0.2のみ)(ただし、食事療法・運動療法を十分に行っても改善されない場合に限る)
- 用法
【効能A】
通常、成人はボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口服用する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を0.3mgまで増量することができる。
【効能B】
通常、成人はボグリボースとして1回0.2mgを1日3回毎食直前に経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
- 副作用
とくに飲み始めにおなかの調子が悪くなることがあります。おなかが張ってゴロゴロしたり、オナラや軟便、排便回数が増えたりします。重症化することはほとんどなく、しだいに慣れることが多いのですが、ひどいときは早めに受診しましょう。いったん量を減らして、徐々に慣らしていくことも可能です。
他の血糖降下薬と併用しているときは、「低血糖」にも注意が必要です。低血糖とは、必要以上に血糖値が下がってしまう状態です。おおよそ血糖値が50mg/dl以下になると低血糖特有の症状があらわれてきます。ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、目のちらつき、イライラ、ぼんやり、さらに重くなると、気が遠くなり、けいれんを起こしたり意識を失うこともあります。すぐにブドウ糖を補給するようにしましょう。
そのほか重い副作用として、肝障害が報告されています。頻度的にきわめてまれな副作用ですが、定期的に肝機能検査を行うなど注意が必要です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
腸閉塞様の症状..著しいお腹の張り、ひどい腹痛
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
重い肝硬変例における高アンモニア血症の悪化..便秘、眠気、もうろう、混乱、けいれん、意識がうすれる。
【その他】
お腹の張り、ゴロゴロ、オナラ、排便回数増加、軟便、下痢、腹痛、便秘、吐き気、吐く、食欲不振
肝機能値の異常
3章:検査結果の記録に行く。
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