39章:1550℃燃焼炉の仕組み

    作成2012.06.05
     リサイクルプラントでは、個体廃棄物を1550℃燃焼炉に搬送する必要があります。高温の燃焼炉内に複雑な機構を設置できません。搬送方法はかなり原始的な方法となります。


  1. 1550℃燃焼炉の構造
     燃焼炉側面(断面)を図39-1、燃焼炉正面(断面)を図39-2 、燃焼炉平面(断面)を図39-3に示します。
     図39-1、図39-2、図39-3において燃焼ガスの排気口は省略しています。







  2. 廃棄物の投入
     燃焼炉には投入ゲートと燃焼灰ゲートがあり、それぞれ開閉可能な構造になっています。投入ゲート側には、投入重量測定器、直線運動機構、ベルトコンベアが設置されています。
     投入廃棄物は、ベルトコンベアで搬送され投入重量測定器に落下します。規定の重量に達したらベルトコンベアは停止します。
     廃棄物投入時間になったら、投入ゲートが開きます。次に直線運動機構が作動し廃棄物を燃焼炉内に押し込みます。押し込みが完了したら、直線運動機構は元の位置に戻り投 入ゲートが閉まります。
     廃棄物投入口での人身事故は重大事故となります。従って投入口にはオペレータが入れないような柵が不可欠です。また万一の場合を想定して、非常停止スイッチと検知器を多 めに設置する必要があります。


  3. 燃焼
     燃焼炉の側面には、多数の送風口と燃料ノズルが設置されます。燃料ノズルには燃料、高圧エアー、冷却水が供給されます。高圧エアーの作用により燃料は 霧状になって噴射されます。噴射先には着火装置があり燃焼します。冷却水はノズル先端の溶解を防止します。
     多数の送風口からは十分な量の空気を供給します。空圧と風速は最適に制御されます。廃棄物は加熱され燃焼を開始します。
     有機溶剤系廃棄物は燃料ノズルから噴射されます。有機溶剤系廃棄物は石油等の液体燃料と同等の燃焼エネルギーを得ることができます。
     フロン溶剤系廃棄物は燃料ノズルから噴射されます。フロン溶剤系廃棄物は燃焼エネルギーが劣りますが、燃焼・無害化処理でフッ化カルシウム(ホタル石)が資源として回収されます。
     シリコンオイル系廃棄物は燃料ノズルから噴射されます。シリコンオイル系廃棄物は燃焼エネルギーが劣りますが、石英が溶解物として回収されます。


  4. 溶解物質
     溶解物質は燃焼炉の底に設けられた溶解液溝で集まられ湯口〔図は省略)から取り出します。


  5. 燃焼灰の回収
     燃焼、気化、溶解しない物質は燃焼灰ゲート近傍に集まります。燃焼灰ゲートを開けると燃焼灰重量測定器の落下します。


  6. 投入量・燃焼時間の制御
     投入量・燃焼時間・燃焼灰重量はコンピュータに記録され、最適な投入量・燃焼時間を予測します。










40章:溶解物質の分別に行く。

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