4章:粘度の話

    作成2011.10.24
  1. 粘度の定義
     実在する液体と気体は全て粘度を持っています。粘度をどのように測定し活用するかを考えて見ましょう。
     粘度を測定するには、まず粘度の定義を知る必要があります。
     図4-1に粘度の定義説明図を示します。
     図4-1において容器には粘度μの粘性流体が満たされており、隙間hで移動物体を設置します。
     移動物体の面積がAで速度Vで移動すると 下記式の抵抗力Fが発生します。

     (4.1)式を変形して

     となります。一般的にはmPa・sが多くもちいられます。

  2. 動粘度の定義
     粘度を密度ρで割った動粘度ν(動粘性係数ともいう)が指標として用いられます。



  3. 粘性流体の密度の測定
     図4-2に密度の測定方法を示します。
    ・電子天秤にメスシリンダを載せて、ゼロ設定します。
    ・メスシリンダに粘性流体を適量入れて容積Vを測定します。(単位は通常cm3)
    ・電子天秤で質量Mを測定します。(単位は通常g)
     単位の変換に注意して、下記の計算を行います。



  4. 粘度の測定
     粘度の測定方法を図4-3に示します。
    ・供給圧力=P
    ・供給時間=t
    ・吐出体積=V
    ・比例定数=C
     とした場合、
     粘度μは下記の関係式が成立します。

     最初に粘度の値が既知の粘性流体を用いてノズルの 比例定数Cを求めます。
     供給圧力P0、供給時間t0で粘度がμ0の吐出体積がV0であった場合、比例定数Cは

     として求まります。これで比例定数Cが確定しますので、粘度が不明の粘性流体において、 供給圧力(P) 、供給時間(t)、吐出体積(V)を求めれば、粘度を求めることができます。
     体積Vが測りにくい場合は、電子天秤で質量mを測定し、あらかじめ測定した密度ρから

     として求めます。ここでP=P0、t=t0とした場合

     という単純な関係式が成立することになります。


     縦軸にμ、横軸にV0/Vをとってグラフにすると図4-4に示すようになります。
     粘度測定は以外と容易に実施できることがわかります。

     測定に必要なシリンジ、ノズル、アダプターチューブ等は下記アドレスから入手可能です。
    ディスペンサー総合メーカーの武蔵エンジニアリング株式会社
    ・ノズル推奨品 プラスチックニードル
    内径はΦ0.2〜Φ1.43(13種類) ノズル長さは8mmと13mmの2種類
    ・シリンジ推奨品 クリアシリンジ 目盛付 容積1ml〜50ml(7種類)
     目盛付の場合は、直接体積Vの測定が可能です。
    ・アダプターチューブ推奨品 AT-Eシリーズ シリンジの容積に合わせて選定します。

    ・また、エアパルス方式ディスペンサーを使用すると吐出時間と設定圧力を正確に行えます。






5章:粘性流体の応用に行く。

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