30章:蒸気の等容過程

    作成2012.07.25

  1. 蒸気の等容過程
     蒸気の等容過程は湿り蒸気と過熱蒸気の領域でおこります。
     図30-1に蒸気の等容過程説明図を示します。
     図30-1において、1点と2点は湿り蒸気または過熱蒸気の領域にあります。
     等容過程においては

    であり


    となります。したがって熱量qは

    となります。


  2. 例題30-1
     ボイラーの中に圧力4ata(kp/cm2)の水7m3と乾燥水蒸気5m3が入っている。コックを閉じて火室から毎分 4200kcalの熱を加え、圧力を16ataに上げるにはどれだけの時間がかかるか?

    解答:
    圧力4ata(kp/cm2)飽和蒸気の物性はワークブック「湿り蒸気表.xls 」から

    表30-1 圧力4ata(kp/cm2)飽和蒸気の物性
    沸点 圧力 比容積 比容積 エンタルピ エンタルピ 熱量 内部エネルギ 平均比熱 比熱 エントロピ 総熱量 内部エネルギ 蒸発熱 エントロピ
    摂氏 絶対圧 液体 気体 液体 気体 液体 液体 液体 液体 液体 気体 気体 気体 気体
    t p v’ v’’ i’ i’’ q’ u’ c’m c’ s’ λ’’ u’’ r=i''-i' s’’
    kp/cm2 m3/kg m3/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg・deg kcal/kg・deg kcal/kg・deg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg・deg
    140 3.685 0.0010798 0.5084 140.60 652.20 140.51 140.51 1.0036 1.018 0.4152 652.11 608.33 511.60 1.6539
    142.9 4.000 0.0010828 0.4727 143.57 653.23 143.47 143.47 1.0043 1.029 0.4222 653.13 609.14 509.66 1.6479
    145 4.237 0.0010850 0.4459 145.80 654.00 145.69 145.69 1.0048 1.037 0.4275 653.89 609.75 508.20 1.6433

    最初、ボイラの中にあった水の質量は

    最初、ボイラの中にあった水蒸気の質量は

    である。水と水蒸気の混合物の質量は

    最初の混合物の乾き度は

    圧力4ata(kp/cm2)乾き度0.001633蒸気の物性はワークブック「湿り蒸気表.xls 」から

    表30-2 圧力4ata(kp/cm2乾き度0.001633蒸気の物性
    乾き度 比容積 エンタルピ 総熱量 内部エネルギ エントロピ
    vx(m3/kg) ix(kcal/kg) λ’’(kcal/kg) ux(kcal/kg) sx(kcal/kg・deg)
    0.001633 0.001853 144.400 144.299 144.23 0.424228909

    ボイラーは定容過程の変化であり、表30-2において、比容積が一定の変化となります。
    圧力16ata(kp/cm2)飽和蒸気の物性はワークブック「湿り蒸気表.xls 」から

    表30-3 圧力16ata(kp/cm2)飽和蒸気の物性
    沸点 圧力 比容積 比容積 エンタルピ エンタルピ 熱量 内部エネルギ 平均比熱 比熱 エントロピ 総熱量 内部エネルギ 蒸発熱 エントロピ
    摂氏 絶対圧 液体 気体 液体 気体 液体 液体 液体 液体 液体 気体 気体 気体 気体
    t p v’ v’’ i’ i’’ q’ u’ c’m c’ s’ λ’’ u’’ r=i''-i' s’’
    kp/cm2 m3/kg m3/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg・deg kcal/kg・deg kcal/kg・deg kcal/kg kcal/kg kcal/kg kcal/kg・deg
    200 15.857 0.0011565 0.1273 203.50 667.00 203.07 203.07 1.0154 1.071 0.5563 666.57 619.73 463.50 1.5362
    200.4 16.000 0.0011572 0.1263 203.95 667.06 203.51 203.51 1.0155 1.071 0.5572 666.62 619.77 463.11 1.5354
    205 17.585 0.0011645 0.1151 208.90 667.70 208.42 208.42 1.0167 1.071 0.5675 667.22 620.30 458.80 1.5273

    圧力16ata(kp/cm2乾き度0.001853蒸気の物性はワークブック「湿り蒸気表.xls 」から

    表30-4 圧力16ata(kp/cm2乾き度0.001853蒸気の物性
    乾き度 比容積 エンタルピ 総熱量 内部エネルギ エントロピ
    vx(m3/kg) ix(kcal/kg) λ’’(kcal/kg) ux(kcal/kg) sx(kcal/kg・deg)
    0.005561 0.001853 206.523 206.090 205.83 0.562624512

    熱量qは

    (30.3)式から

    これから

    したがって、圧力を16ataに上げるのに必要な時間は

    となります。


  3. 例題30-2
     圧力2ata温度160℃の過熱水蒸気を容積一定で圧力を3ataにする。終わりの状態の水蒸気温度と これに要した熱量を求めよ。

    解答
     圧力2ata(kp/cm2)で温度160℃過熱蒸気の比容積はワークブック「加熱蒸気表.xls」シート「加熱蒸気v」から

    表30-5 圧力2ata(kp/cm2)で温度160℃過熱蒸気の比容積
    温度\圧力 2 2 2.5
    160.0 1.003000 1.003000 0.800300
    160.0 1.003000 1.003000 0.800300
    180.0 1.052000 1.052000 0.839900

     圧力3ata(kp/cm2)で比容積が1.003m3/kg過熱蒸気の温度はワークブック「加熱蒸気表.xls」シート「加熱蒸気v」から

    表30-6 圧力3ata(kp/cm2)で比容積が1.003m3/kg過熱蒸気の温度

    温度\圧力 3 3 4
    360.0 0.988100 0.988100 0.739800
    369.3 1.003000 1.003000 0.750960
    380.0 1.020000 1.020000 0.763700

     圧力2ata(kp/cm2)で温度160℃過熱蒸気のエンタルピはワークブック「加熱蒸気表.xls」シート「加熱蒸気i」から

    表30-7 圧力2ata(kp/cm2)で温度160℃過熱蒸気のエンタルピ
    温度\圧力 2 2 2.5
    160.0 666.40 666.40 665.50
    160.0 666.40 666.40 665.50
    180.0 675.90 675.90 675.20

     圧力3ata(kp/cm2)で温度369.3℃過熱蒸気のエンタルピはワークブック「加熱蒸気表.xls」シート「加熱蒸気i」から

    表30-8 圧力3ata(kp/cm2)で温度369.3℃過熱蒸気のエンタルピ
    温度\圧力 3 3 4
    360.0 762.30 762.30 761.80
    369.3 766.90 766.90 766.50
    380.0 772.20 772.20 771.80

    熱量qは

    (30.3)式から

    したがって解答は
    終わりの状態の水蒸気温度は369.3℃、これに要した熱量は77kcal/kgとなります。








31章:蒸気の等圧過程に行く。

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