40章:現在文明とエネルギー問題

    作成2012.08.09

  1. 化石燃料
     現在文明は大量の化石燃料の消費によって支えられていますが、化石燃料は無限ではありません。化石燃料の有効利用が重要です。


  2. 熱エネルギーの変換効率
     熱力学は熱エネルギーの変換効率をあげるのに有効な指針を与えます。しかし、効率を100%に近づけるのは非常に困難です。しかも、ガス タービンや蒸気タービンの発電システムは大掛かりな装置システムとなるため手軽な使用が困難です。


  3. 空調で消費するエネルギー
     空調で消費されるエネルギーが大きいことに気づきます。空調で消費するエネルギーの節約が重要です。


  4. 雨水の有効利用
     日本は四方を海で囲まれているため、雨水が豊富です。雨水の一部は、生活用水、農業用水、工業用水、発電等に利用され ていますが、多くは利用されないまま海に戻ります。
     雨水の有効利用率はもっと上げる必要があります。


  5. エアコンの問題点
     エアコンは空調にかかせません。しかし、冷房にもエネルギーを消費します。冷房の場合は空気から熱エネルギーを奪えばよ いのですが、仕事エネルギーの消費なくして冷房できないのです。
     消費したエネルギーは熱エネルギーになって大気中に放出されます。大気中に放出するエネルギーを有効利用できないのか?原 理的には可能です。しかし、再利用のコストが上昇するため現実的ではありません。
     エアコンを大量に消費すると消費したエネルギーが熱になって大気中に放出され、気温全体が上昇します。


  6. 滝の冷却効果
     落差の大きい滝は冷却効果があります。図40-1に滝の冷却効果説明図を示します。
     落差の大きい滝は、落下の過程で水が霧状になって蒸発します。この時空気から気化熱を奪って冷却します。
     冷却された空気は重くなり下降気流を生じます。また蒸発した水蒸気は空気より軽いため上昇気流を生じま す。従って、滝つぼ付近には冷却された空気が集まり涼しくなります。
     地表付近で蒸発すると湿度が上がり快適さが失われますが、上空で蒸発した場合、冷却された空気だけが 下降してきます。
     従って、落差の大きい巨大な滝ほど冷却効果が大きくなります。


  7. 巨大樹木の冷却効果
     滝と同様に巨大樹木も冷却効果があります。根から吸収された水は上空の葉から蒸発し空気を冷却します。蒸発した水蒸気は上昇 し、冷却された空気は下降します。このため、巨大樹木の下は滝同様に冷却効果があります。



  8. 雨水利用の冷却システム
    8.  大都会には巨大な滝も巨大樹木もあまり期待できません。かわりに図40-2に示すような雨水利用の冷却シス テムが有効です。
     原理は巨大な滝や巨大樹木と同じです。落差が大きいほど涼しく感じるはずです。従って、高いビルの屋上に設 置すると効果的です。
     ポイントは上空で霧を噴霧して空気を冷却し、冷却空気を下降させ、水蒸気を上昇させることにあります。

     このシステムで空調によるエネルギー消費を節約できるはずです。


  9. 熱力学まとめ
    (1)熱力学は熱エネルギーの有効利用検討に有効です。
    (2)熱力学の計算にEXCELワークブックは有効です。











41章:水の体積弾性係数に行く。

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