42章:水の音速

    作成2012.08.10
     空気の音速は20章:運動の連続条件と音速で検討しましたが、ここでは水の音速について検討します。

  1. 水の音速の計算式
     運動の連続条件式から

     流れ過程の有効仕事の条件から

    以上の式がすでに導かれました。ここで(20.3)式に(20.8)式を代入すると

    となります。整理して

    (42.2)式のcが音速を与えます。 (42.2)式を変形すると

    となります。ここで

    (42.4)式を微分して整理すると

    (41.3)式に(41.5)式を代入して整理すると

    となります。
    材料力学における体積弾性係数から


    がすでに導かれています。材料力学では引っ張りをプラスと定義しているため 、圧縮では符号の反転が必要となります。 (41.5)式と(41.6)式から

    となります。ここで

    (42.4)式の対数をとると

    (42.8)式を微分すると

    (42.7)式に(42.9)式を代入すると

    となります。最後に(42.6)式に(42.10)式を代入すると

    (42.11)式におけるgは工学単位を物理単位に変換する定数でありg=9.81(N/kp)です。物理単位で計算する場合は

    となります。(42.12)式のγは比質量であり通常の記号はρが用いられます。また密度ともいいます。計算 の単位はkg/m3に変換する必要があります。数表ではg/cm3が多く使用されます。
     水の比質量は約1g/cm3=1000kg/m3です。


  2. 音速の計算
     音速の計算は物理単位を使用したほうが簡単です。
    (1)水の音速
      (42.12)式で計算した結果を表42-1に示します。

    表42-1 水の音速計算結果
    項目 単位 温度 温度 温度 温度 温度 温度
    温度 0 20 40 60 80 100
    体積弾性係数 Gpa 1.991 2.189 2.292 2.280 2.209 2.090
    比質量 kg/m3 1000 1000 1000 1000 1000 1000
    音速 m/s 1411 1479 1514 1510 1486 1446


    (2)SUS304の音速
     固体の場合は、体積振動、縦振動、せん断振動等が考えられ単純ではありませんが、ここでは単純に体積振動として 計算します。

    となります。










43章:粘性係数と動粘性係数に行く。

トップページに戻る。