47章:非定常流れのエネルギー方程式

    作成2012.08.18

  1. 非定常流れのエネルギー方程式

    (45.6)式に


    (45.8)式と(45.14)式を代入すると

    (47.1)式を流れの道程sにそって積分すると

    となります。ここで



    (47.2)式に(47.3)式、 (47.4)式、 (47.5)式を代入すると

    となります。また圧力損失Δpがある場合は

    となります。 (47.6)式は∂q/∂tの項があるため、時間tの変化に伴いネネルギーバラン スが変化することを示しています。


  2. 例題47-1
     図47-1のように容器に取付けた管の一端を急に開いた場合、ここより出る水の速度はどの様に変化 するか?ただし容器には水を補充して一定に保つこととし、管摩擦は無いとする。


    解答

    (47.6)式において、q1=0、p-p1=0、y-y1=-hとすれば

     となります。 (47.8)式の時間変化の項は、水面s1から管の入り口s’までは、断面積が大きく流速qは近 似的にゼロとできます。
     また管の入り口s’から管の出口s2までは断面積が等しいため流速qは一定となります。したがって

    (47.8)式に(47.9)式を代入すると

    となります。ここで時間t=∞においてdq/dt=0とするならば

    (47.10)式に(47.11)式を代入すると

    (47.12)式を変形すると

    (47.13)式を積分して

    (47.14)式のcは積分定数ですが、t=0でq=0の初期条件を代入するとc=0となります。従って

    (47.15)式を変形すると

    となります。


    重力加速度 g=9.81(m/s2)
    落差 h=10(m)
    とすると
    定常流速 q∞=14.01(m/s2)
    となります。
     管長さLが5m、10m、20mの場合について、計算した結果を図47-2に示します。


    図47-2から、管長さLが長くなると応答が遅くなることがわかります。


  3. 例題47-2
     図47-3に示すように両端を開いたU字管に液をいれて、基準平面0-0に対して、最初両端に-y、+yの水 位の差をつけると、管内の水は振動する。この振動の周期を求めよ。ただし、液体は理想流体とし、U字管 の液の全長を2lとする。

    解答

    (47.6)式において、q=q1、p-p1=0、y=-y1とすれば

    となります。またU字管内の液体はsに無関係に同一流速であるため

    となります。また

    の関係があります。 (47.17)式に(47.18)式と(47.19)式を代入すると

    変形して

    (47.21)式の一般解は

    となります。周期Tは

    となります。


    (47.23)式の計算結果をグラフにすると図47-4に示すようになります。


    図47-4からU字の液の全長2lが大きくなると周期Tが長くなることがわかります。











48章:運動量の法則に行く。

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