57章:水路

    作成2012.09.07

  1. 水力平均深さm


     水路においては、水力平均深さmが使用されます。流れの断面積をA、大気を除く水路壁面の長 さをUとしたとき、水力平均深さmは

    と定義されます。


  2. 例題57-1
     図57-2に示す矩形の水路において、最も摩擦抵抗が少ないBとhの比を求めよ。

    解答
     大気を除く水路壁面の長さUは

    Uが最小となる条件は

    従って

    ゆえに

    (57.4)式にA=Bhを代入して整理すると

    となります。



  3. 流速が一定の水路


     図57-3に示すように、傾き角α、流れの断面積Aの水路内を液体が流速q一定で流れているとする。 1-2間の流体が流れの方向に引かれる力Fは

    となる。流れを止めようとする力Fは、せん断応力をτ0とすると

    両者は等しく

    せん断応力をτ0は動圧に比例するとして

    (57.8)式に(57.9)式を代入して整理すると

    となります。 (57.10)式にm=A/U代入して整理すると

     となります。 (57.11)式は理論的に予想される式ですが、Manningの実験式とは一致しません。水路の 流れは複雑であり、 (57.9)式の条件が厳密には成立しないのかもしれません。
      Manningの実験式は

    となります。Mは壁面の種類と状態で異なる定数となります。
     M定数表を表57-1に示します。

    表57-1 M定数表
    壁面の種類 状態 M値
    木材 かんなをかけたもの 90
    木材 かんなをかけないもの 80
    木材 ふるいもの 65〜70
    コンクリート 上塗りを行ない滑らかなもの 90〜95
    コンクリート 砂利露出のもの 50
    金属 滑らかなもの 90〜95
    金属 リベット頭の出ているもの 55〜75
    堀さく開渠 でい砂 60
    堀さく開渠 砂をまじえた砂れき 50
    堀さく開渠 砂れき 40
    自然の河川 侵食、輸送のないもの 40
    自然の河川 侵食、輸送のあるもの 35
    自然の河川 同上で雑草のはえているもの 30


  4. 例題57-2
     幅b=6mの矩形断面のコンクリート製(上塗りして滑らか)があり、傾斜が0.001の場合、水深hと流速の関 係をグラフにせよ。

    解答
     水力平均深さmは

    M=90とすると流速qは

    となります。

     計算結果を図57-4に示します。

     図57-4から流速qは1.62m/s(5.8km/h)から4.33m/s(15.6km/h)の間で変化することがわかります。(自然の 河川と比較すると早くなります。)











58章:オリフィスに行く。

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