60章:堰(せき)

    作成2012.09.12

  1. 堰の概要
      堰(せき)は河川の水を農業用水、工業用水、生活用水に振り分ける目的で使用されます。堰(せき)とは水が 自由表面を有しながら水路を流れる場合、流れの途中の図90-に示すような切欠きを設けて、水量を計るとともに流量 を制御します。

    図60-1において面積xdyを流れる流量dQは

    となります。 (60-1)式のcは堰の流量係数であり、実験的に求めます。図60-1において、hは堰板から十分 上流の水面と堰の峰との垂直距離でヘッドといいます。またBは水路の幅、bを堰の幅、Dを峰の高さといいます。


  2. 矩形堰

     矩形堰においては図60-2(a)に示すようにx=bの一定となります。このため(60-1)式は容易に積分できます。

    矩形堰の実験式は下記のように定義されます。


    上記式は実験的に求められた式であり、下記の条件を満足する必要があります。

    非常に限られた条件で適用できる実験式であることに注意が必要です。


  3. 三角堰
     図60-2(b)においてxの関係式は

    (60-1)式の積分は

    三角堰の実験式は下記のように定義されます。


    上記式は実験的に求められた式であり、下記の条件を満足する必要があります。

    非常に限られた条件で適用できる実験式であることに注意が必要です。


  4. 例題60-1
     水路の幅B=3mに幅b=2m、峰の高さD=0.5mの四角堰を設けて流量を制御する。堰のヘッドhと流 量Qの関係をグラフにせよ。

    解答
      条件式(60-5)式を満足する範囲を確認します。

    (60-11)式から堰のヘッドhが0.03〜0.64mの範囲で条件式を満足します。従って


    (60-3)式と(60-4)式で計算した結果をグラフにします。

    堰のヘッドhは峰の高さDを制御することにより変化します。これにより河川の流量制御が可能となります。












61章:平板摩擦に行く。

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