61章:平板摩擦

    作成2012.09.13

  1. 境界層

     図61-1に示すとうに平板と平行な流体の流れがあり流速をUとすると、固体壁面にそって流れる流体 の状態は二つの層に分かれます。第1の層は固体壁面に近い層で粘性抵抗により流体の速度が減速する領 域です。第2の層は固体壁面から離れた層で流体の速度が変化しない層です。
     実測においては、流速が0.99Uとなった位置を計測し境界層を求めます。


  2. 平板摩擦におけるレイノルズ数
     平板摩擦におけるレイノルズ数はxを流れの方向に平板の前縁からの距離として、下記のように定義されます。

    (61.1)式のレイノルズ数の値により



    上に示すようにRの値で流れの状態が変化します。これを図に示すと図61-2のようになります。



  3. 摩擦抗力Dの実験式
     摩擦抗力Dの実験式は以下となります。

     (61.5)式において、cfは摩擦抵抗係数であり、レイノルズ数Rにより変化します。Ρは比質量、U は流速、lは平板の長さ、bは平板の幅です。


  4. 摩擦抵抗係数cfの実験データ
     摩擦抵抗係数cfの実験データグラフを図61-3に示します。。



  5. 摩擦抵抗係数の実験式
     図61-3から実験式を求めます。
    (1)層流領域

    上記の領域において

    (61.6)式が実験値と良く一致します。

    (2)遷移領域と乱流領域

    上記の領域において

    (61.8)式が実験値と良く一致します。


  6. 摩擦抵抗係数のEXCELワークブック
      EXCELワークブックを使用すると簡単に補間計算ができます。
    摩擦抵抗係数のEXCELワークブックに行く。


  7. 平板摩擦抵抗係数のグラフ
     ワークブック「61-1.xls」のグラフを下記に示します。

    図61-4のグラフは図61-3の実験値と良く一致しています。


  8. 例題61-1
     長さ0.8m、幅1mの平板を水中にて板に平行に0.3m/sの速度で動かす場合、片面の抗力を求めよ。この水の動 粘性係数は0.0131cm2/sとする。

    解答
     レイノルズ数Rは

    ワークブック「61-1.xls」から

    したがって抗力は

    となります。













62章:流れの中の球体の抗力に行く。

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