62章:流れの中の球体の抗力
作成2012.09.14
流体中を物体進行する場合、または流れの中の物体が静止している場合、物体が流体から受
ける力を流体の抵抗または抗力といいます。
- 球体の抗力実験式
(62.1)式において、cDは無次元の係数で抗力係数といいます。抗力係数は実験的に求められます。ρ
は比質量、qは流速、Aは断面積です。球の直径をdとすると(62.2)式となります。
- 球の抗力係数の実験データ
図62-1において球の抗力係数は
で与えられるレイノルズ数Rの関数となっています。また
の領域においては
(62.5)式の関係式が成立します。
- 臨界レイノルズ数
図62-1において、レイノルズ数R=300000付近で球の抗力係数が約0.44から0.18に急激に変
化します。これを臨界レイノルズ数といいます。
この現象は、図62-2(a)に示す剥離点Sが図62-2(b)に示す位置に急激に変化するためと考えられています。
- 例題62-1
直径1cmの球が空気中を30m/sの速度で飛ぶ場合の抗力を求めよ。ただし、空気の比質量は1.23kg/m3、動粘性
係数は0.15cm2/sとする。
解答
レイノルズ数は
図62-1から抗力係数cDは
したがって抗力Dは
となります。
63章:円柱とその他形状の抗力係数に行く。
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