7章:等容過程

    作成2012.06.20

  1. 等容過程の計算式
     図5-1に等容過程のpv線図を示します。
     v=一定の等容過程においては、 4章の内部エネルギーで検討した式が全て成立します。


    (4.1)式においてpdv=0となるため

    となります。以下は内部エネルギー[u]で検討した式です。



    として求めることができます。また温度T1における内部エネルギーをu1、温度T2にお ける内部エネルギーをu2とした場合、内部エネルギーの変化Δuは


    温度T1の定容比熱がcv1、温度T2の定容比熱がcv2で直線的に変化するとするならば

    q=uであり、気体に取り入れられたエネルギーは全て内部エネルギーとなります。



  2. 例題7-1
      空気の圧力が2気圧、温度30℃で30リットルの容器にはいっている。この空気の圧力を4気圧にするにはどれだ けの熱量を加えればよいか?
    ただし
    絶対零度=-273℃
    空気のガス定数R=29.27(mkp/kg・K)
    単位変換定数A=1/427 ( kcal/ mkp)
    表3-2 定容比熱cvの数表(単位:kcal/kg・deg)を用いて計算
    とします。

    解答

    (2.1)式において、v=一定とするならば

    表3-2 定容比熱cvの数表(単位:kcal/kg・deg)から
    30℃における空気の定容比熱cv1=0.1720 (kcal/kg・K)=73.440( mkp/kg・K)
    333℃における空気の定容比熱cv2=0.1831 (kcal/kg・K)=78.204( mkp/kg・K)

    (4.6)式から


    空気の質量Gは(2.2)式から

    従って、気体に取り入れられたエネルギーは

    となります。以上の計算は統一工学単位で行いました。目的の単位への変換は最後に行います。


  3. 例題7-2
      空気の圧力が2気圧、温度30℃で30リットルの容器にはいっている。この空気の圧力を4気圧にするには どれだけの熱量を加えればよいか?
    ただし
    絶対零度=-273℃
    空気のガス定数R=29.27(mkp/kg・K)
    単位変換定数A=1/427 ( kcal/ mkp)
    表4-1 内部エネルギー[u]の数表(単位:kcal/kg)を用いて計算
    とします。

    解答

    (2.1)式において、v=一定とするならば

    表4-1 内部エネルギー[u]の数表(単位:kcal/kg)から
    30℃における空気の内部エネルギーu1=5.164 (kcal/kg)=2205( mkp/kg・K)
    333℃における空気の内部エネルギーu2=58.064 (kcal/kg・K)=24793.2( mkp/kg・K)

    (4.4)式から


    空気の質量Gは(2.2)式から

    従って、気体に取り入れられたエネルギーは

    となります。以上の計算は統一工学単位で行いました。目的の単位への変換は最後に行います。

     例題7-1と例題7-2のいずれの方法でも計算できますが、例題7-1においては比熱が直線近似できると仮定しています。
     計算の精度と容易性において例題7-2の計算方法が優れています。










8章:等圧過程に行く。

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