8章:等圧過程

    作成2012.06.20

  1. 仕事エネルギー
     圧力pが一定のとき

    状態式、(2.1)式から

    の関係が得られる。なされた仕事lは

    (8.2)式に(2.1)式の関係を代入すると




  2. 内部エネルギー変化
    内部エネルギーの変化は




  3. 全エネルギー
    気体に与えられた全エネルギーqは

     として、5章のエンタルピ[i]の式が全て成立します。


    表5-1 エンタルピ[i]の数表(単位:kcal/kg)を使用する場合

    表3-1 定圧比熱cpの数表(単位:kcal/kg・deg)を使用する場合




  4. 仕事の効率
     等圧過程では、熱量qは内部エネルギー[u]の増加と膨張の仕事[l]に費やされる。

    (2.3)式をdqで割ると

    従って

    0℃における空気のk(=cp/cv)の値は1.4であり、(8.6)式に代入すると

     等圧過程においては、全熱量の28.5%が膨張の仕事となり、残りにの71.5%は内部エネルギーの 増加、すなわち温度上昇に使われる。


  5. 例題8-1
      温度30℃の乾燥空気2kp一定圧力で最初の容積の1.4倍に膨張した。この場合の最終温度、膨 張の仕事、消費された熱量を求めよ。
    ただし
    絶対零度=-273℃
    空気のガス定数R=29.27(mkp/kg・K)
    単位変換定数A=1/427 ( kcal/ mkp)
    表5-1 エンタルピ[i]の数表(単位:kcal/kg)を用いて計算
    とします。

    解答

    (2.1)式において、p=一定とするならば、最終温度T2は

    仕事は

    (8.3)式から膨張の仕事は

    表5-1 エンタルピ[i]の数表(単位:kcal/kg) から
    30℃における空気の内部エネルギーi1=7.2203 (kcal/kg)=3083.07( mkp/kg・K)
    151℃における空気の内部エネルギーi2=36.4602 (kcal/kg・K)=15568.50( mkp/kg・K)

    (5.3)式から消費された熱量は

    定圧比熱を用いて計算する方法もありますが、表5-1 エンタルピ[i]の数表(単位:kcal/kg) を 用いたほうが計算が簡単になります。










9章:等温過程に行く。

トップページに戻る。