10章:フレネル回折計算プログラム
作成2013.05.21
フレネル回折の応用
フレネル回折はコンタクト露光や近接露光におけるパターンの転写特性の検討で重要です。
また、光と電波は数学モデルとしては同一であり、電波の障害物による回折の検討にも使用できます。
フレネル回折の基礎理論
フレネル回折の基礎理論については光の不思議と応用 12章:フレネル回折の基礎理論
12章:フレネル回折の基礎理論 に行く。
で説明しています。
VBA_Cソフト
以前は入出力をVBA、計算部分をC++(V6)で作成しました。これは、きめ細かな入出力画面をC++(V6)で作成するのがかなりきつかったためで、高速の演算部分をC++(V6)で作成し、数表やグラフ表示部分をBVAで作成して合体しました。
(1)ビルドして実行形式にしたファイルは現在も正常に動作しています。
(2)C++(V6)自体は、現在使用パソコンの状態が変化したため、互換性に問題が生じて正常には動作しなくなりました。
(3)従って、C++(V6)で作成プログラムの修正は、現在困難となりました。
VBA_Cソフトは13章:近接露光演算演習(1)
トラス構造の強度VBAソフトは光の不思議と応用 13章:近接露光演算演習(1)
13章:近接露光演算演習(1) に行く。
からダウンロードできます。
フレネル回折計算C#、WPFソフト
フレネル回折計算にC#、WPFアプリケーションを適用してみました。
完成ファイルは以下からダウンロードできます。
ダウンロード後は解凍してから使用してください。
[フレネル回折計算プログラム]をダウンロード する。
解凍すると「Fresnel」フォルダーがあります。
「Fresnel」フォルダー内の「Fresnel.sln」をダブルクリックすると「Express 2012 for Windows Desktop」が起動して、プログラムの修正・デバッグが可能です。
「Fresnel.exe」をダブルクリックすると実行プログラムが起動して、フレネル回折計算が可能となります。
操作例
(1)「Fresnel.exe」をダブルクリックします。
(2)「計算実行」を押すと計算結果数表ウインドウが開きます。
(3)「次頁」ボタンを押すと数表ウインドウが閉じて、グラフウインドウが開きます。
以下に計算結果グラフを示します。(図10-1)
(4)グラフウインドウ「閉じる」ボタンを押すとグラフウインドウが閉じます。
(5)クローズボックスで終了します。
その他操作説明
(1)MainWindowのメニューの保存を選択すると計算条件が保存できます。
以下に保存例を示します。
Fresnel
項目 記号 値 単位
矩形パターン数 N 3 行
波長 WL 0.4047 μm
ギャップ量 b 20 μm
照明NA INA 0.03 rad
スクリーンX1 X -10 μm
スクリーンX2 X2 10 μm
スクリーンX分割数 Nx 100 整数
スクリーンY1 Y -10 μm
スクリーンY2 Y2 10 μm
スクリーンY分割数 N 100 整数
パターンデータ
項目 波動振幅(実数部) 波動振幅(虚数部) 開口X1 開口X2 開口Y1 開口Y2
記号 Pr Pi Px1 Px2 Py1 Py2
単位 相対 相対 μm μm μm μm
1 1 0 -1.5 1.5 -7.5 7.5
2 1 0 -7.5 -4.5 -7.5 7.5
3 1 0 4.5 7.5 -7.5 7.5
(2)MainWindowのメニューの開くを選択すると保存した計算条件が設定されます。
(3)数表画面のメニューの保存を選択すると計算結果数表をタブ区切りテキスト形式で保存できます。
変更点
(1)入出力部分は全面変更となりました。
(2)照明NA(INA)の係数にミスが見つかり修正しました。(従来は5倍に設定されていました。)
(3)スクリーン分割数NxとNyの制限がなくなりました。
(4)矩形パターン数の制限がなくなりました。
(5)「Fresnel.exe」単独で動作します。
感想:
(1)フレネル回折の計算は、CRTもフロッピーディスクもない紙テープとデータタイプライターの時代から行った懐かしい計算です。
(2)今回のデフォルト計算条件は、紙テープとデータタイプライターの時代に行った条件に合わせました。それで照明NA(INA)の係数にミスが判明しました。
(3)パターン数や波動の位相は自由に設定でき、その他パラメータもあるため、計算条件の組合せは限りなくあります。
(4)いろいろ計算条件を変更して計算してみると面白いと思います。
11章:投影露光波動回折計算プログラム に行く。
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