11章:LED調光回路

    作成2014.01.16
     トランジスタを使用したLED調光回路でLEDの調光をします。

  1. LED調光回路(エミッタ接地)
    (1)評価回路
     図11-1に示すLED調光回路は、エミッタ接地のトランジスタでLEDの調光をします。

     この回路の電圧と電流変化をCh1、Ch2、Ch3,、Ch4点について同時に簡易オシロで測定すると矛盾した測定結果となります。
     これは、Ch1、Ch2の入力抵抗が簡易オシロの推奨値10kオームを越えており正確に測定できないという問題が発生しました。
     簡易オシロは各チャンネル間の測定値の相互干渉によると思われる測定誤差が発生するようです。
     同時に測定するチャンネルを減らすと相互干渉誤差が減少するようです。

    (2)簡易オシロによるCh1、Ch2の電圧変化測定結果
     簡易オシロによるCh1、Ch2、Ch3,、Ch4の同時測定は無理があったので、Ch1、Ch2同時測定の電圧変化測定結果を図11-2に示します。

     図11-2のCh1(ベース電圧)の変化をみると、ボリウムの回転当初は直線的に0Vから上昇しますが、その後の変化はなだらかとなり、最後は変化しなくなることがわかります。
     Ch2の電圧は3.9Vから0.82Vに変化します。変化が直線でないのは、ボリウムの回転が一定でないためと思われます。
     ベース電圧も最終的に0.82Vとなりますが、入力抵抗が大きいためこの値は正確ではなく、近似値と考えたほうが無難です。
    (3)簡易オシロによるCh3、Ch4の電圧変化測定結果
     簡易オシロによるCh1、Ch2、Ch3,、Ch4の同時測定は無理があったので、Ch3、Ch4同時測定の電圧変化測定結果を図11-3に示します。

     図11-3のCh3(コレクタ電圧)は当初3.9Vから0.21Vまで変化しますが、ボリウム回転当初に大きく変化します。変化が波うっているのは、ボリウムの回転むらと思われます。
     Ch4の電圧は3.9Vから2.9Vに変化します。
     LEDに流れる電流IはI=(2.9-0.21)/220=12.2mAとなります。また、電流増幅率Hfeを318とするならば、ベース電流はI=12.2mA/318=0.038mA程度であったと思われます。


  2. LED調光回路(コレクタ接地)
    (1)評価回路
     図11-4に示すLED調光回路は、コレクタ接地のトランジスタでLEDの調光をします。

     この回路の電圧と電流変化をCh1、Ch2、Ch3,点について同時に簡易オシロで測定すると矛盾した測定結果となります。
     Gを基準としたCh1とCh2の電圧変化とCh2とCh3間の電圧変化を簡易オシロで測定しました。

    (2)簡易オシロによるCh1、Ch2の電圧変化測定結果
     簡易オシロによるCh1、Ch2、Ch3,の同時測定は無理があったので、Ch1、Ch2同時測定の電圧変化測定結果を図11-5に示します。

     図11-5において、Ch1は抵抗220Ωの両端の電圧であり、LEDに流れる電流に比例します。ボリウムを回し始めてしばらくの間、LEDに流れる電流はゼロでありLEDは点灯しません。
     しばらくすると、Ch1の電圧が上がり始めLEDが点灯します。さらに回すとCh1の電圧は一定となります。
     LEDに流れる電流IはI=0.95/220=4.3mAとなります。この値はエミッタ接地の12.2mAと比較すると約0.35倍となります。また、電流増幅率を318とすると、ベース電流は0.0136mAとなります。

     Ch2はエミッタ電圧ですが、ボリウム回転当初は入力抵抗が大きくノイズがのります。ボリウムの回転にほぼ比例して電圧が上昇し、電圧が約1.7Vに達すると電流が流れ始めてCh1の電圧が上昇し始めます。その後Ch1の電圧上昇と平行して上昇し、最後は一定となります。
     最終的には約2.8VとなりCh1との電圧差は1.86Vとなります。
    (2)簡易オシロによるCh2、Ch3間の電圧変化測定結果
     簡易オシロによるG、Ch3間の測定は無理があったので、Ch2、Ch3間測定の電圧変化測定結果を図11-6に示します。

     図11-6において、Ch2とCh3間の電圧はLEDに電流が流れ点灯し始めるまで入力抵抗が大きくノイズがのります。LEDが点灯するとノイズが小さくなり、測定値が安定します。
     最終的に0.66Vで一定となります。


  3. 結果の検討
    (1)エミッタ接地LED調光回路においても、簡易オシロで4チャンネル同時測定は困難でした。
    (2)入力抵抗が簡易オシロの推奨値10kオームを越える場合は、各チャンネル間の測定値の相互干渉によると思われる測定誤差が発生する。
    (3)同時に測定するチャンネルを減らすと相互干渉誤差が減少する。
    (4)エミッタ接地LED調光回路、コレクタ接地LED調光回路ともにLEDの調光可能であるが、エミッタ接地LED調光回路の方が特性が良い。









12章:CdSセル回路に行く。

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