16章:ブロッキング発振回路
作成2014.01.23
ブロッキング発振回路について検討します。
- ブロッキング発振回路(1)
(1)評価回路図
図16-1に示すブロッキング発振回路(1)の動作を確認します。
(2)アウトプットトランス仕様
型番 ST32
巻線比 12:1
出力 0.2W
インピーダンス
1次:1200Ω
2次:8Ω
直流抵抗
1次:60Ω
2次:0.62Ω
(3)簡易オシロによる電圧変化測定結果
ブロッキング発振回路は1次側で電源電圧より高い電圧が発生するため、2次側のみ測定しました。
簡易オシロによる電圧変化測定結果を図16-2に示します。
図16-2から
(1)2次側の電圧変動は±1.1V程度である。
(2)2次側の電流変動はI=±1.1/47=±0.036A程度である。
(3)1次側の電圧変動は巻線比からE=±1.1×12=±13.2V程度となる。
(4)発振周期は約3.6msであり、これはCRの時定数CR=9.9msの約0.36倍となる。
- ブロッキング発振回路(2)
(1)評価回路図
図16-3に示すブロッキング発振回路(2)の動作を確認します。
(2)簡易オシロによる電圧変化測定結果
ブロッキング発振回路は1次側で電源電圧より高い電圧が発生するため、2次側のみ測定しました。
簡易オシロによる電圧変化測定結果を図16-4に示します。
図16-4から
(1)2次側の電圧変動は±0.85V程度である。
(2)2次側の電流変動はI=±0.85/8=±0.106A程度である。
(3)1次側の電圧変動は巻線比からE=±0.85×12=±10.2V程度となる。
(4)発振周期は約2.1msであり、これはCRの時定数CR=9.9msの約0.21倍となる。
- 結果の検討
(1)ブロッキング発振回路は1次側で電源電圧よりも高い電圧が発生するため、高電圧発生に応用できる。
(2)簡易オシロの測定可能電圧は0〜5Vであり、1次側の電圧変化測定はやめました。
(3)ブロッキング発振回路の構成は簡単ですが、動作原理は難解です。
(4)ブロッキング発振回路の発振周期は、負荷抵抗の値に影響されるようです。
17章:PNPトランジスタに行く。
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