2章:入力インピーダンスの評価

    作成2013.11.21
     アナログ変換インピーダンス:10KΩ以下推奨の理由について評価してみたいと思います。

  1. USB-FSIO_Oscilloプログラムの修正
     簡易オシロの「データ取得」ボタンを押すと Private Sub btnGetData_Clickルーチンが実行され、設定データ送信、 データ取得、取得データ一覧表示、取得データグラフ表示が実行されます。取得データ一覧表示の後に以下のプログ ラムコードを追加しました。
            Dim OutText As String = "txtDataMax" & vbTab & txtDataMax.Text & vbCrLf
            For iCnt = 0 To CInt(txtDataMax.Text) - 1
                OutText = OutText & iCnt.ToString() & vbTab & iOscDt1(iCnt).ToString() & vbTab & iOscDt2(iCnt).ToString() & vbTab & iOscDt3(iCnt).ToString() & vbCrLf
            Next
            My.Computer.FileSystem.WriteAllText("out.txt", OutText, append:=False)
    

     これで「データ取得」ボタンを押すと取得データ一覧がタブ区切り、テキスト形式ファイルとして保存されます。USB-FSIO_Oscillo.exeとUSB-IO_Family.dllが保存されているフォルダー内に「out.txt」のファイル名で保存されます。
    ・「out.txt」を開いて「編集」_「すべて選択」し、「編集」_「コピー」でデータ全体がクリップボードにコピーされます。EXCELのシート上で「編集」_「貼り付け」でデータ全体がシート上にコピーできます。

    ・簡易オシロの実行に必要なファイルはUSB-FSIO_Oscillo.exeとUSB-IO_Family.dllのみですのでこれを同一フォルダー内に保存すると便利です。


  2. 評価回路
     評価回路を図2-1に示します。スイッチがOFFの時、測定端子とGNDは抵抗1175kΩを通して短絡されます。抵抗1175kΩは抵抗値が大きすぎて、ノイズがのりますが、あえてこの値にしました。
     スイッチをONすると乾電池の電圧1.52Vが抵抗Rを通して測定端子に印加されます。この抵抗Rの値を変えて特性の変化を測定します。



  3. 評価結果
    (1)簡易オシロ測定結果グラフ例
     一例として、R=9.9kΩの測定結果グラフを図2-2に示します。
     測定間隔は10msとしました。印加電圧は1.52Vです。0Vのとき抵抗が1175kΩと大きいため、ノイズがのることが確認できます。1.52Vのとき、抵抗が9.9kkΩと適正化されノイズが減少することが確認できます。

    (2)測定結果要約
     測定結果要約を表2-1に示します。

     表2-1 測定結果要約
    抵抗R平均σ
    0kΩ309.060.276
    0.99kΩ309.080.286
    5.6kΩ309.080.479
    9.9kΩ309.080.616
    46kΩ308.990.944
    67kΩ308.911.709
    104kΩ308.921.11
    ・印加電圧1.52Vが309.08と計測される。したがって、測定値を電圧換算するには、0.004918をかける必要がある。
    ・抵抗Rの値は0kΩから100kΩの間で、測定平均値の値はほとんど変化しない。
    ・抵抗Rの値が10kΩの値を超えると標準偏差(σ)が増大する傾向が見られるが、急激な変化点があるわけでは無い。
    ・67kΩのσが104kΩより大きくなっているが、原因は偶発的な異常ノイズに依存している。


  4. 感想
    (1)アナログ変換インピーダンス:10KΩ以下推奨はごく一般的なノイズ環境において、ノイズの影響が無視できる抵抗値を経験的に示したものと思われる。
    (2)ノイズの原因は交流電流から放出される電磁波であるが、場所や時間によって変動する。(50Hz交流電源の影響が大きいように思われる。)
    (3)電気のノイズは機械の微小振動によく似ている。微小振動は床振動や空気からの音波振動が原因となるが、場所や時間によって変動するため、普遍的なデータとならない。(厳密には、床振動や音波の完全遮蔽が必要となる。)









3章:コンデンサ容量測定に行く。

トップページに戻る。