30章:微分回路
作成2014.02.08
微分回路の検討をします。
- 微分基本回路
(1)評価回路
微分基本回路を図30-1に示します。
(2)微分基本回路の出力電圧
図30-1において
(30.1)式を整理すると以下の式となります。
入力信号が正弦波とするならば
となり、高周波ほど増幅率が大きくなることになります。
- 微分基本回路の正弦波を入力時の出力波形評価
微分基本回路の容量C=0.033μF、抵抗R=68kΩとした場合の正弦波を入力時の出力を簡易オシロで観
察した結果を図30-2に示します。
図30-2において以下のようになりました。
(1)入力V1(正弦波)電圧=1.98V
(2)出力Vo(微分波形)電圧=2.88V
(3)数値微分波形(計算値)=2.80V
(4)出力Vo波形と数値微分波形(計算値)は良く一致する。
(5)入力波形は正確な正弦波ではない。
- 微分基本回路の方形波を入力時の出力波形評価
微分基本回路の容量C=0.033μF、抵抗R=33kΩとした場合の方形波を入力時の出力を簡易オ
シロで観察した結果を図30-3に示します。
図30-3において以下のようになりました。
(1)入力V1(方形波)電圧=1.01V
(2)出力Vo(微分波形)電圧=4.93V
(3)数値微分波形(計算値)=6.58V
(4)出力Vo波形と数値微分波形(計算値)は良く一致する。
- 結果の検討
(1)微分基本回路の出力の計算式は純粋数学の微分定義と一致する。
(2)代数的な数値微分の結果と微分基本回路の出力はほぼ一致する。
(3)正弦波発生回路で発生させた入力波形は正確な正弦波でない。
(4)出力可能な電圧範囲があり、容量Cと抵抗Rを状況により調整する必要がある。
(5)簡易オシロの測定可能電圧は0〜5Vでマイナス側を測定できません。簡易オシロの入力は抵抗分圧で電圧を調整しました。
(6)簡易オシロは出力波形のグランド基準で測定できません。オフセットを与えて測定するため、オフセット誤差が発生します。
(7)オフセット誤差は測定後補正しました。
31章:積分回路に行く。
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