20章:照度(Lux)記録計の検討

    作成2014.04.13

     照度(Lux)記録計の検討の検討を行ってみたいと思います。

  1. 照度(Lux)の構成
    (1)CdSセル(1MΩ)GL5528(4個入)1パック ¥100(税込)【秋月電子通商】
    (2)2回路入汎用オペアンプ(フェアチャイルド製)LM358N(5個入)1パック ¥100(税込)【秋月電子通商】
    (3)カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/4W1kΩ (100本入)1袋 ¥100【秋月電子通商】
    を使用します。


  2. CdSセル(1MΩ)GL5528の仕様
    ・外形寸法:直径5mm
    ・ピーク波長:540nm
    ・最大電圧:150VDC
    ・最大電力:100mW
    ・明抵抗:10〜20kΩ(10Lux時)
    ・暗抵抗:1MΩ


  3. オペアンプLM358Nの仕様
    ・ Internally Frequency Compensated for Unity Gain
    ・Large DC Voltage Gain: 100dB
    ・Wide Power Supply Range: 3V~32V (or ±1.5V~ 16V)
    ・Input Common Mode Voltage Range Includes Ground
    ・Large Output Voltage Swing: 0V DC to Vcc -1.5V DC
    ・Power Drain Suitable for Battery Operation.



  4. 評価プログラム
    19章:高精度IC温度センサLM61BIZと同一です。


  5. 照度の計算式の検討
     照度(Lux)は波長540nmの単色光の単位面積当たりのエネルギーで定義されていますが、定義どおりに測定するのは大変です。
     したがって、一般的には、サブ原器となる照度計を用いて、波長540nmの単色光の照度を調整したサブ基準光源を用いて校正します。
     さて、サブ原器となる照度計もサブ基準光源も無い場合どうするか?カタログデータを信用して、計算式を推定するのが一番簡単です。

     CdSセルの抵抗(R)と照度(L)の間には、定数AとBを用いて以下の関係式が成立するとします。

    CdSセルのカタログデータから

    (20.2)式から定数AとBを決定すると

    が得られます。(20.3)式で抵抗Rと照度Lの関係を計算すると以下のようになります。
    照度L(lux)抵抗R(Ω)
    2119450
    8356100
    3294200
    1299400
    512800
    2021600
    79.63200
    31.46400
    12.412800
    4.8825600
    1.9251200
    0.758102400
    0.299204800
    0.118409600
    0.0361000000
    CdSセルの暗抵抗1MΩは照度0.036Lux以下と類推することができます。


  6. 動作確認
     動作確認の状況を以下に示します。



  7. 測定結果データ
    *測定は約1s毎で固定です。
    *測定回数を50回で測定したAD値、電圧、抵抗、照度換算値を以下に示します。
    *CdSセルへの供給電圧は3.30Vとして計算しました。
    NoAD値(div)電圧(V)抵抗R(Ω)照度L(lux)
    16670.83297287.9
    26710.84294988.8
    310951.341468226.7
    413041.581083341.1
    514831.8837481.8
    615231.84790520.8
    715201.84793517.8
    816321.97673645.9
    916151.95690624.4
    1016321.97673645.9
    1119192.314271188.8
    1219982.413721432.7
    1320272.443531539
    1420482.463391622.7
    1519502.354051277.4
    1617912.16527896.2
    1716542651675.1
    1816792.03627710.2
    1915861.92720589.4
    2015901.92716594.1
    2114961.81822494.1
    225430.68382462.7
    235020.64419255.4
    244720.6449950.4
    251220.19167408.6
    26620.12276874.4
    27440.09342053.3
    28410.09355913.1
    29700.12255074.9
    304560.58467847.8
    3114591.77867459.9
    3215071.82809504.8
    3315191.84795516.8
    3415511.88758550.2
    3519032.294391146.1
    3620532.473361643.5
    3720782.53201753.5
    3821042.533041878.9
    3921112.543001914.8
    4021042.533041878.9
    4121052.533031884
    4218542.244761027.2
    4316151.95690624.4
    4415471.87763545.9
    452870.38765624.7
    46310.08411162.6
    4700.04781761.1
    4800.04781761.1
    491520.221389711.1
    501920.271127514.7


  8. 測定結果グラフ
     照度換算値をグラフにすると以下のようになります。

    *CdSセルをLED電球に近づけたり、遠ざけたりして照度を変化させました。
    *照度は約1〜2000Luxの範囲で変化する。
    *AD値はオフセット誤差があり、約0.04VでAD値がゼロとなる。(この時の照度は約1Lux)


  9. 検討まとめ
    (1)CdSセル(1MΩ)GL5528とオペアンプLM358Nを使用して、照度変化の記録が可能であることを確認できた。
    (2)照度の計算式はカタログデータから類推した。
    (3)CdSセルをLED電球に近づけたり、遠ざけたりして照度が変化することが確認できた。
    (4)照度は約1〜2000Luxの範囲で変化する。
    (5)AD値はオフセット誤差があり、約0.04VでAD値がゼロとなる。(この時の照度は約1Lux)











21章:温度記録計評価回路に行く。

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