7章:焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の検討

    作成2014.06.06

     焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210) 秋月電子通商 \100(1個)
    http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00243/
    の検討をします。

  1. 焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の評価回路図
     焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の評価回路図を以下に示します。



  2. 評価プログラム
     6章:ホールセンサーA1324LUA−Tの検討と同一となります。
     まずは下記の「37-6.zip」ファイルをダウンロードしてください。
    [37-6.zip]をダウンロードする。

    解凍するとフォルダー内にUSB-HID-SCDフォルダーがあります。USB-HID-SCDフォルダー内に

    (1)MPLAB IDE-Xフォルダー
    *MPLAB IDE-X\src\apps\usb\device\hid_custom\firmware\MPLAB.Xがソースプログラムです。
    *ファイルの相対位置関係は変えられません。
    *容量削減のため、直接関係無いと思われるファイルは削除しました。
    *「XC8」用です。

    (2)Windows Softwareフォルダー
    (2-1)PnP Demo - Windows Softwareフォルダー
    *Microsoft Visual C# 2012 Express(ソース)

    (3)注意事項
    *上記プログラムはPIC18F4553用に修正してあります。
    *Microsoft Visual C# 2012 Express(ソース)はVS Express for Desktopを管理者として実行しHID PnP Demo.slnを開く必要があります。 (ダブルクリック起動ではビルドが成功しません。)


  3. 操作方法
    (1)パソコンでHID PnP Demoを起動して、測定開始ボタンを押すと測定データファアイルが作成されます。



  4. 焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の応答波長範囲
    (1)焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の応答波長範囲は5〜14μmです。

    (2)物体温度と放射波長
     物体温度と放射波長の関係を計算してグラフにすると図7-2に示すようになります。

    図7-2から、応答波長範囲5〜14μmは0℃から50℃の物体から放射される遠赤外線に対応することが理解できます。


  5. 焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の特性評価結果(1)
     標準状態と焦電型赤外線センサに指、お湯の入ったコーヒーカップ、保冷剤を接近させた場合の出力変化評価結果を以下の表に示します。
    No標準状態コーヒーカップ保冷剤
    Max10480116371686811648
    Min10224990481757283
    Max-Min256173386934365
    110224116371022410480
    21023310224168687283
    3102249904817511648
    41022410018831811642
    51022410133932811015
    61023710224989810740
    710224101631010310575
    810224102241022410480
    910224102241022410224
    1010224104611023010472
    1110224102241046310224
    1210224102241022410272
    1310224102241026810382
    1410224102241022410224
    1510224102241022410224
    1610480102241031910224
    1710480102241022410224
    1810224102241022410224
    1910224103011046010224
    2010225102241022410224
     上記の表から、標準状態での出力の変動幅は、256と小さいですが、指接近の場合で1733、コーヒーカップ接近の場合で8693、保冷剤接近の場合4365と大きくなることが理解できます。
     すなわち、焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)は気温とは異なる温度の物体が接近した場合、出力の変動幅が大きくなる特性があります。
     この特性を利用して防犯センサーを作成できます。


  6. 焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)の特性評価結果(2)
     防犯センサーの場合、焦電型赤外線センサから離れた特定領域の温度変化を検知する必要があります。この場合、レンズまたは曲面鏡が必要となります。
     とりあえず、化粧用の凹面鏡を使用してテストしてみました。評価結果を以下の表に示します。
    No標準状態コーヒーカップ
    Max1053910916
    Min1006310021
    Max-Min476895
    11045910267
    21022410916
    31042210021
    41047910553
    51022610312
    61022510471
    71044510480
    81041810493
    91024910250
    101046910224
    111048010224
    121006310176
    131022410480
    141022410471
    151021010224
    161053910456
    171022410737
    181022410224
    191048010224
    201045210224
     標準状態の変動幅は476と大きくなりました。ミラーから離れた前方をコーヒーカップが通過した場合、変動幅は895とやや大きくなりましたが、直接センサーに接近した場合と比較すると変動幅は小さくなっています。これは、簡易実験のため、センサーと凹面鏡の位置関係が正確でなかった可能性が考えられます。


  7. 結果の検討
    (1)焦電型赤外線センサ AKE−1(RE−210)は気温と異なる温度の物体が接近すると出力の変動幅が大きくなる。
    (2)レンズまたは曲面鏡をを使用するとセンサーから離れた位置の変化を検知できる。
    (3)以上の特性を利用して、防犯センサーを製作することができる。













8章:電解質の電気抵抗測定の検討に行く。

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