2章:AM電波信号波形の観察

    作成2014.07.12、修正2014.07.14

     Hantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープでAMアンテナ信号が観察できるか?試してみます。

  1. 地上波デジタルテレビのアンテナ信号ケーブル(アース側)のAM電波信号波形観察
     地上波デジタルテレビのアンテナ信号ケーブルは屋外で約5m、屋内が約20m程度引き回しています。このケーブルのアース側にAM電波信号がのります。
     評価回路を図2-1に示します。

     図2-1に示すように地デジケーブル(アース側)の自由電子はAM電波により振動し、抵抗10kΩの両端には、交流電流による電圧変動が発生します。
     この電圧変動はHantek 6022BEで観察するに十分な電圧変動となります。
     観察結果グラフを図2-2に示します。

     信号波形は、時間変化に伴い複雑に変化し、波形も複雑でこのままでは理解できません。 得られた信号の周波数分析を行う必要があります。


  2. AM電波信号波形の周波数分析
     周波数分析は得られた信号波形を高速フーリエ変換(FFT)し、変換後の絶対値を計算します。
     AM電波信号波形の周波数分析結果グラフを図2-3に示します。

     図2-3から、地デジケーブルのAM波はNHK1、NHK2、TBS、文化、ニッポン等のさまざまな、周波数の合成であることが理解できます。 この中から目的の周波数の電波のみを抽出する必要があります。


  3. キットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)のアンテナ信号波形の観察
     AMラジオ学習用として、キットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)を使用します。アンテナ部分の回路図を図2-4に示します。

     図2-4に示すようにキットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)では800μHのフェライトバーアンテナを使用しています。
     信号が微弱なためオペアンプNJM4558で増幅して波形を観察しました。観察結果グラフを図2-5に示します。

     信号波形は複数の周期性の波形であることが確認できます。


  4. キットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)のアンテナ信号波形の周波数分析
     周波数分析は得られた信号波形を高速フーリエ変換(FFT)し、変換後の絶対値を計算します。
     AM電波信号波形の周波数分析結果グラフを図2-6に示します。

     図2-6から、6石AMラジオ編(ADWIN)のアンテナ信号波形はNHK1、NHK2、NHK2+478kHzの周波数であることが確認できます。
     なぜ?こうなるのか?スーパーヘテロダイン方式の原理を理解する必要があります。


  5. 結果の検討
    (1)地上波デジタルテレビのアンテナ信号ケーブル(アース側)のAM電波信号は、増幅処理しないでHantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープで波形を観察できる。
    (2)地上波デジタルテレビのアンテナ信号ケーブル(アース側)のAM電波信号は、さまざまな、周波数の合成であることが理解できます。この中から目的の周波数の電波のみを抽出する必要があります。
    (3)キットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)のアンテナ信号波形はオペアンプで増幅処理しないとHantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープで波形を観察できない。
    (4)キットで遊ぼう電子回路No.10 6石AMラジオ編(ADWIN)のアンテナ信号波形はNHK1、NHK2、NHK2+478kHzの周波数であることが確認できる。













3章:キットで遊ぼう電子回路「6石AMラジオ編」波形確認に行く。

トップページに戻る。