28章:アース抵抗測定回路

    作成2014.10.20

     アース抵抗測定回路をテストします!!

  1. アース抵抗測定回路図
      アース抵抗測定回路図を以下に示します。

     アース抵抗測定回路評価用ですので、無線機能は使用せずに、トワイ・ライターとTWE−Liteのみを使用します。
     ベースプロジェクトは「Samp_PingPong」を使用します。

     アース抵抗は1kから10kΩ程度のため、オペアンプによる増幅は省略しました。

    品名単価個数小計購入先
    HC-SR04 超音波距離センサーモジュール4751475アマゾン
    ZigBeeワイヤレスモジュール TWE−Lite Dip−WA (半完成品セミキット)162011620秋月電子通商
    USBアダプター TWE−Lite R(トワイ・ライター)189011890秋月電子通商
    高精度IC温度センサLM61BIZ(4個入)50150秋月電子通商
    においセンサ TGS24503001300秋月電子通商
    トランジスター2SC1815Y(60V150mA)(10個入テーピング品)8216秋月電子通商
    赤色LED 3mm OSDR3133A 500mcd 30度100個入3.513.5秋月電子通商
    カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/4W10kΩ (100本入)111秋月電子通商


  2. アース抵抗測定回路図外観
     アース抵抗測定回路図外観を以下に示します。



  3. アース抵抗測定回プログラムのダウンロード
     完成プログラムは「40-28.zip」ファイルをダウンロードしてください。
    [40-28.zip]をダウンロードする。

     解凍するとフォルダー内に
    Samp_PingPongg
    フォルダーがあります。
    \Samp_PingPong\PingPong\Build\Samp_PingPong_PingPong_JN5164_0_1_4.binが実行ファイルです。
     WindowsパソコンソフトはターミナルソフトTera Termや9章〜24章のWin-PingPong.exeが適用できます。
     24章のWin-PingPong.exeがフォルダー内にあります。


  4. 基本操作方法
    (1)\40-25\Samp_PingPong\PingPong\Build\Samp_PingPong_PingPong_JN5164_0_1_4.binを無線マイコンTWE-Lite DIP(トワイライト・ディップ)に書込みます。(方法は7章:ToCoNet(トコネット)のソフトウエア開発環境(SDK) とPingPongの実行プログラムの書込みを参照願います。
    (2)TWE-Lite R(トワイ・ライター)は接続したままにします。
    (3)「Win-PingPong.exe」をダブルクリックで起動します。
    (4)画面の左側を「COM9」にセットして、「Conect」ボタンを押します。
    (5)評価回路の電源をいれます。(リセットボタンは電源ON/OFFと同じとなります。下記画面となります。

    (6)Send Data に「k」を入力して「Send Data vbCrLf無し」ボタンを押すと測定結果が表示されます。



  5. アース抵抗の計算式
    (1)計算式の記号
    *DO3端子接続の抵抗:R1=3.3kΩ
    *アース抵抗抵抗の記号:R2
    *電圧オフセットの記号:α
    *DO3端子の電圧が0VでDO4端子の電圧がVcc=3.3Vの時の出力電圧の記号:V1
    *DO3端子の電圧がVcc=3.3VでDO4端子の電圧が0Vの時の出力電圧の記号:V2
     上記のパラメータに関して以下の計算式が成立します。

     (28.1)式を変形すると

     (28.2)式において、電源電圧Vccは一定であり、V1とV2を計測すれば、アース抵抗R2と電圧オフセットαが求まります。
     ここで、Vcc=V1+V2とするならば

    となります。


  6. 出力電圧波形の観察
     Hantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープでR2=10kΩの場合の波形観察を行った結果を以下に示します。

     図28-5から、V1=0.765(V)、V2=2.474(V)で、V1+V2=3.24(V)となることが確認できます。V1+V2≒Vccとなります。


  7. 測定データ例
     表示抵抗値1kΩ、3.3kΩ、10kΩについて評価した結果を以下に示します。
    -R2=1kΩR2=1kΩR2=1kΩR2=3.3kΩR2=3.3kΩR2=3.3kΩR2=10kΩR2=10kΩR2=10kΩ
    NoV1(div)V2(div)R2(Ω)V1(div)V2(div)R2(Ω)V1(div)V2(div)R2(Ω)
    1107263356103270387083332135111067210030
    210708335710347034708733243524106559977
    310711335610337035709433273524106599981
    4107103356103470437087332035181067810016
    510726335610327035708533233519106599995
    6107123360103570347093332735171066410006
    7107093358103470447083331835231067910003
    8107123354103370367083332235121066010016
    910723336210347027708633273526106459962
    10106983358103570417087332135181068210020
    11107093354103370437084331935161068110024
    1210712335110327043710233273524106659987
    13106983357103570267086332835171067010011
    1410715335910347033708533243521106669996
    15107103351103270417087332135181068410021
    1610710335610347023709333323523106509975
    17107233361103470437084331935131068610038
    1810711335110327041708833223527106689981
    1910709336210367024709333323529106739980
     上記の表から、表示抵抗値と測定結果測定値は良く一致することが確認できます。


  8. Samp_PingPongプログラムの変更箇所
    (1)Samp_PingPongプログラムの変更のポイント
    *Samp_PingPongもvoid cbToCoNet_vRxEvent(tsRxDataApp *pRx)等の割込み処理を行っており、250ms等の長いDelayループは使用できない。
    *Tick Timerの基本設定とコールバック関数はどこかですでに設定されている。
    *TickTimerIntervalは4msとなっている。
    *Tick Timerのコールバック関数はvoid cbToCoNet_vHwEvent(uint32 u32DeviceId, uint32 u32ItemBitmap)であり、u32DeviceId=E_AHI_DEVICE_TICK_TIMERがTick Timerの割込みである。

    (2)変数・関数定義追加
     
    //***変更3
    //***変更4
    uint8 gOhm_F=0;//抵抗測定フラグ
    uint16 gOhm_C=0;//TickTimerカウンタ
    uint16 gOhm_N=10;//総和回数
    uint16 gOhm_NC=0;//総和カウンタ
    uint32 gOhm_S1;//ADC総和1
    uint32 gOhm_S2;//ADC総和		
    

    (3)void cbAppColdStart(bool_t bAfterAhiInit)への追加
     
    //****変更3
    //***変更4
    vPortAsOutput(PORT_OUT3);//出力設定
    vPortAsOutput(PORT_OUT4);//出力設定
    vPortSetLo(PORT_OUT3);//OFF設定
    vPortSetLo(PORT_OUT4);//OFF設定	
    

    (4)void cbToCoNet_vHwEvent(uint32 u32DeviceId, uint32 u32ItemBitmap)への追加
    //***変更4				
    if(gOhm_F == 1)				
    {				
    	gOhm_C++;			
    	if(gOhm_C == 1)			
    	{			
    		vPortSetLo(PORT_OUT3);//OFF設定		
    		vPortSetHi(PORT_OUT4);//ON設定		
    	}			
    	if(gOhm_C == 20)			
    	{			
    		vAHI_AdcEnable(E_AHI_ADC_SINGLE_SHOT,E_AHI_AP_INPUT_RANGE_2,E_AHI_ADC_SRC_ADC_2);		
    		vAHI_AdcStartSample();//測定開始		
    		while(bAHI_AdcPoll());//AD変換待ち		
    		gOhm_S1=gOhm_S1+ u16AHI_AdcRead();//結果読み込み		
    		//vAHI_AdcDisable();		
    	}			
    				
    	if(gOhm_C == 40)			
    	{			
    		vPortSetHi(PORT_OUT3);//ON設定		
    		vPortSetLo(PORT_OUT4);//OFF設定		
    	}			
    				
    	if(gOhm_C ==60)			
    	{			
    		vAHI_AdcEnable(E_AHI_ADC_SINGLE_SHOT,E_AHI_AP_INPUT_RANGE_2,E_AHI_ADC_SRC_ADC_2);		
    		vAHI_AdcStartSample();//測定開始		
    		while(bAHI_AdcPoll());//AD変換待ち		
    		gOhm_S2=gOhm_S2+ u16AHI_AdcRead();//結果読み込み		
    		//vAHI_AdcDisable();		
    	}			
    				
    				
    	if(gOhm_C > 80)			
    	{			
    		gOhm_C=0;		
    		gOhm_NC++;		
    		//vfPrintf(&sSerStream,"Ohm-TEST=\t%d\t%d\r\n",gOhm_S1,gOhm_S2);//TEST表示		
    		if(gOhm_NC > gOhm_N)		
    		{		
    			gOhm_NC=0;	
    			uint32 R2=3300*gOhm_S2/gOhm_S1;	
    			vfPrintf(&sSerStream,"Ohm-TEST=\t%d\t%d\t%d\r\n",gOhm_S1,gOhm_S2,R2);//TEST表示	
    				
    			gOhm_S1=0;	
    			gOhm_S2=0;	
    			//gOhm_F=0;//これを有効にすると1回で終了!!	
    		}		
    	}			
    }					
    

    (5)static void vHandleSerialInput(void)への追加
    case 'k'://***変更4			
    	//Ohm		
    	vfPrintf(&sSerStream,"\r\nOhm-TEST=\tgOhm_S1\tgOhm_S2\tR2\r\n");//TEST表示		
    	gOhm_F=1;//フラグON		
    			
    	if (!bAHI_APRegulatorEnabled())//REGULATORがOFFの場合		
    	{		
    		//REGULATOR許可、割込み無し、サンプリング間隔2、500KHz、内部クロックを設定	
    		vAHI_ApConfigure(E_AHI_AP_REGULATOR_ENABLE, E_AHI_AP_INT_DISABLE,E_AHI_AP_SAMPLE_2,E_AHI_AP_CLOCKDIV_500KHZ,E_AHI_AP_INTREF);	
    		while(!bAHI_APRegulatorEnabled());//REGULATORがON待ち	
    	}		
    			
    	break;			
    


  9. 結果の検討
    (1)アース抵抗測定用回路は、増幅用オペアンプを省略すると単純な回路となる。
    (2)プログラム構造はにおいセンサTGS2450と類似となった。
    (3)抵抗の表示値と測定結果は良く一致し、測定バラツキも小さい。
    (4)単純な回路で、測定バラツキが小さく、抵抗の表示値と測定結果は良く一致する。
    (5)抵抗値測定は応用範囲が広そうである。




29章:無線式アース抵抗レコーダ実用タイプの検討に行く。

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