15章:K型熱電対プローブ

    作成2016.01.30

  1. K型熱電対プローブの購入先と価格
    (1)購入先:秋月電子通商
    (2)品名:K型熱電対プローブ
    (3)価格:¥700


  2. K型熱電対プローブの仕様
    ■K型熱電対:クロメル・アルメル
    ■−200℃〜+1250℃の広範囲の温度を測定することができます。
    ■起電力:約40.7μV/℃
    ■長さ:約80cm


  3. 起電力と温度の関係
     起電力と温度の関係表を以下に示します。
    起電力(mV)温度(℃)
    -5.75-200
    -3.49-100
    00
    4.1100
    8.13200
    12.21300
    16.39400
    24.9600
    33.31800
    41.511000
    48.851200
    55.811400

     起電力と温度の関係グラフを以下に示します。



  4. K型熱電対プローブ評価回路図
     K型熱電対プローブ評価回路図

    *電源はパソコンのUSBから供給しました。
    *オペアンプLM358Nへの供給電圧は3.3Vとしました。
    *このときの飽和電圧は1.96Vとなりました。(飽和電圧を上げるには供給電圧を上げる必要があります。)
    *非反転増幅回路としました。
    *増幅率は(1+33k/1k)=34倍となります。


  5. K型熱電対プローブ評価回路外観
     K型熱電対プローブ評価回路外観を以下に示します。



  6. 評価プログラム
     まずは下記の「41-15.zip」ファイルをダウンロードしてください。
    [41-15.zip]をダウンロードする。

    解凍するとフォルダー内にMy-CDC-BasicフォルダーとSimple CDC Demoフォルダーがあります。
    (1)My-CDC-Basicフォルダー
    *My-CDC-Basic.Xがソースプログラムです。
    *ファイルの相対位置関係は変えられません。
    *「XC8」用です。

    (2)Simple CDC Demoフォルダー
    *VB.net 2005 Simple CDC Demo.exeが実行ファイルです。
    *VB.net 2005 Simple CDC Demo.exe以外がソースファイルです。
    *Microsoft Visual Basic 2010 Expressで編集しました。

    (3)注意事項
    *上記プログラムはPIC18F4553用に修正してあります。


  7. My-CDC-Basic.Xプログラムコードのポイント
    *MPLAB_X_IDE_v2.25とPIC18F4553マイコンの復習、3章:サンプルプログラムのファイル構造の変更とカスタマイズをベースに小修正しました。
    (1)MAIN_RETURN main(void)の修正
     以下を追加
    // 入出力設定
    ADCON0	=	0b00000001; //A/D converter module is enabled:A/D Idle:Channel 0 (AN0)
    ADCON1  =	0b00001100; //AN0とAN1とAN2がアナログ設定:VDDとVSSが選択
    TRISA   =	0b00000111;//AN0とAN1とAN2を入力設定
    TRISB   =	0b00000000;//出力設定
    TRISC   =	0b00110000;	//D-,D+(USB用)RC4とRC5を入力に設定
    TRISD   =	0b00000000;//出力設定
    TRISE   =   0b00000011;         //SW1,2=INPUT LED=OUTPUT
    LATA    =	0b00000000;//ラッチ無し
    LATB    =	0b00000000;
    LATC    =	0b00000000;
    LATD    =	0b00000000;
    LATE    =	0b00000000;
    
    ADCON2=0x3C;//ADC:111 = 20 TAD , 100 = FOSC/4
    ADCON2bits.ADFM = 1;//ADC:1 = Right justified
    

    (2)app_device_cdc_basic.cファイルの宣言
    以下を追記
    #define _XTAL_FREQ 48000000 //__delay_ms
    unsigned short ADC0();

    (3)void MyCDCBasicTasks()の修正
    以下を追記
    uint16_t RA0;
    RA0=ADC0();
    sprintf(writeBuffer,"%d\r\n",RA0);

    (4)関数追加
    unsigned short ADC0()
    {
        unsigned short result;
    
        ADCON0bits.GO = 0;              // Stop AD conversion
        __delay_ms( 1 );
        ADCON0bits.CHS = 0b0000; //Analog Channel Select bits=Channel 0 (AN0)
        __delay_ms( 2 );
        ADCON0bits.GO = 1;              // Start AD conversion
        while(ADCON0bits.NOT_DONE);     // Wait for conversion
        result=ADRESH*256+ADRESL;
        return result;
    }
    

    *修正は少量でした!!


  8. VB.net 2005 Simple CDC Demoの修正
    (1)Form1.vbデザインの修正
    *測定開始ボタンを追加
    *測定回数入力テキストボックスを追加
    *Timeri1のIntervalを1ms→1000msに変更

    (2)グローバル変数宣言
    *Dim gNo As Integer = 0

    (3)Private Sub Timer1_Tickの修正
     以下を追記
            If (gNo > 0) Then
                SerialPort1.Write("AA#")
                gNo = gNo - 1
            End If
    
    (4)関数追加
        Private Sub Button1_Click(sender As System.Object, e As System.EventArgs) Handles Button1.Click
            txtDataReceived.Clear()
            gNo = Integer.Parse(TextBox1.Text)
        End Sub
    

    *修正は少量でした!!


  9. 操作方法
    (1)VB.net 2005 Simple CDC Demo.exeを起動します。
    (2)接続ポートを選択します。
    (3)「Connect」ボタンを押します。
    (4)測定回数を設定します。
    (5)「測定開始」ボタンを押します。
    (6)指定回数の測定結果が1s毎に表示されます。

    (7)データエリアで右クリックし「すべてを選択」します。
    (8)右クリックでコピーします。
    (9)EXCEL数表にデータをペーストします。


  10. AD値と電圧の関係
    (1)仕様値は3300mV/4096=0.8057mV/divとなります。
    (2)実測値は814mV/1010.25=0.8057mV/divとなりました。


  11. 非反転増幅回路の増幅率
     非反転増幅回路の増幅率=(1+33k/1k)=34倍となります。


  12. ライターで過熱時の温度変化の測定
     ライターで過熱時の温度変化の測定結果を以下に示します。
    時間(s)AD値(div)起電力(mV)温度(℃)
    1310.7318.1
    2461.0926.8
    3962.2855.9
    43127.39181.8
    560814.41354.3
    689521.21521.6
    7108325.67631.1
    8119028.2693.5
    9127530.22743
    10131131.07764
    11130430.9759.9
    12131131.07764
    13133731.68779.2
    14137632.61801.9
    15101424.03590.9
    1676718.18447
    1760814.41354.3
    1849611.75289.1
    193839.08223.2
    203528.34205.1
    212956.99171.9
    222556.04148.6
    232325.5135.2
    242074.91120.6
    251924.55111.9
    261924.55111.9
    271593.7792.7
    281503.5587.4
    291273.0174
    301273.0174
    311212.8770.5
    321152.7367
    331072.5462.4
    341022.4259.4
    35972.356.5
    36962.2855.9
    37962.2855.9
    38962.2855.9
    39962.2855.9
    40791.8746

    ライターで過熱時の温度変化の測定結果グラフを以下に示します。

     上記グラフより
    (1)ライターで過熱時のセンサー温度は約800℃に達する。
    (2)過熱の方が冷却より応答が速い。
     等が確認できます。


  13. K型熱電対プローブ纏め
    (1)K型熱電対プローブの起電力は温度差にほぼ比例する。
    (2)K型熱電対プローブの起電力の電圧は小さいので、非反転増幅回路で増幅する必要がある。
    (3)K型熱電対プローブでライター過熱時の温度変化を測定できる。
    (4)K型熱電対プローブの評価回路はUSB接続タイプとしました。
    (5)本評価回路は連続測定等が可能であるが、携帯には不便である。
    (6)評価ソフトはMPLAB_X_IDE_v2.25とPIC18F4553マイコンの復習、3章:サンプルプログラムのファイル構造の変更とカスタマイズの小修正で動作した。




16章:高温用温度レコーダの製作に行く。

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