7章:PWMによる高周波波形と周波数特性の測定(3)

    作成2014.12.09
     PIC18F4553マイコンのPWM機能を利用すると2.9KHz〜12MHzの高周波波形を得ることができます。この機能を利用した抵抗、 コンデンサ、インダクターの周波数特性測定を検討します。

  1. ダイオード1N4148の電流・電圧特性
      ダイオード1N4148の電流・電圧特性を検討します。
    「1n4148.pdf」にいく。
    (1)ダイオード1N4148の電流・電圧特性グラフ
     ダイオード1N4148の電流・電圧特性グラフを以下に示します。

     上記グラフのTa=25℃のグラフを数式に変換すると

    となります。


  2. 基準素子抵抗R1・測定素子抵抗R2の場合のダイオード電圧Vdの計算式
     基準素子抵抗R1・測定素子抵抗R2の場合のダイオード電圧Vdは下記式となります。



  3. RA0端子電圧V0とRA1端子電圧V1の計算式
    RA0端子電圧V0とRA1端子電圧Vは下記式となります。

    (7.3)式を変形すると。

     となります。(7.4)式において、Vd=一定ならば、基準素子抵抗R1・測定素子抵抗R2とRA0端子電圧V0とRA1端子電圧V1の間には線形の関係が成立つはずです。
     しかし、Vdは(7.2)式で与えられるように変化するため、線形の関係が成立しません。その他誤要因も考えられるためR2≒R1であることが望ましいと思われます。
     R2≒R1の微小変化領域において(7.4)式のVdは一定値として扱っても大きな誤差は発生しません。


  4. ダイオード電圧Vdの計算表
     R=R1=R2とした場合のダイオード電圧Vdの計算結果表を以下に示します。
    抵抗R(Ω)電圧Vd(mV)
    10880
    18851
    32821
    56791
    100762
    178732
    316702
    562673
    1000643
    1778613
    3162584
    5623554
    10000524
    17783495
    31623465
    56234435
    100000406
    177828376
    316228346
    562341316
    1000000287


  5. 基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ(並列回路))の測定データ
    (1)基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ(並列回路))の抵抗評価値

    (2)基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ15pF(並列回路))の抵抗評価値グラフ
     基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ15pF(並列回路))の抵抗評価値グラフを以下に示します。

     上記グラフにおいて、低周波領域の抵抗評価値は1となることが確認できます。高周波領域においては抵抗評価値は小さくなります。これは、高周波領域において合成抵抗値が小さくなることを意味します。

    (3)容量評価値
      容量評価値は以下の条件とします。
      容量評価値=低周波抵抗評価値-抵抗評価値が0.2となる周波数 ----(7.6)式
     図7.2から容量評価値を計算すると10.41となります。

    (4)基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ(並列回路))の容量評価値グラフ
     基準素子抵抗(1kΩ)・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ(並列回路))の容量評価値グラフを以下に示します。

     上記グラフから、容量評価値は対数目盛で直線となります。基準素子抵抗(1kΩ)で 約10pF〜0.01μFま での容量測定が可能であることが理解できます。


  6. 基準素子と測定素子抵抗の特性一致の場合
    (1)基準素子(抵抗1kΩ+コンデンサ15pF(並列回路))・測定素子(抵抗1kΩ+コンデンサ 15pF(並列回路))のRA0とRA1電圧グラフを以下に示します。

     基準素子と測定素子の電気特性が一致するとき、全ての周波数領域でRA0端子とRA1端子の電圧が一致することが確認できます。
     この場合は、複雑な計算処理を行う必要がありません。


  7. 結果の検討
    (1)抵抗とコンデンサの並列回路素子を例にとって、抵抗値と容量の測定方法を検討してみました。
    (2)ダイオード1N4148は電流値により電圧が変化するため、RA0端子とRA1端子の電圧は線形変化をしません。
    (3)しかし、基準抵抗と測定抵抗の差が小さい領域においては線形の近似式を用いることができます。
    (4)基準素子と測定素子の特性が異なる場合、近似領域毎に近似式を求める必要があります。
    (5)可変抵抗や可変コンデンサ等を用いて、基準素子と測定素子の特性を一致させた場合、RA0端子とRA1端子の電圧が一致する。
    (6)この場合は、複雑な計算処理を行う必要がない。




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