2章:A、B、C電極の水道水テストとD、E電極の試作

    作成2014.12.15

  1. A電極の水道水テスト
    (1)低周波一致条件
     低周波でRA0電圧とRA1電圧が一致する条件は基準抵抗が5.16kΩの条件となりました。グラフを以下に示します。


    (2)周波数モード10(3MHz)での一致条件
     周波数モード10(3MHz)でRA0電圧とRA1電圧が一致する条件は基準抵抗が2.81kΩの条件となりました。グラフを以下に示します。


    (3)低周波抵抗5.16kΩにおける評価値(1/Rc)とコンデンサ容量の相関
     低周波抵抗5.16kΩにおける評価値(1/Rc)とコンデンサ容量の相関を求めると以下のようになりました。


    (4)A電極の水道水テストのコンデンサ容量
     A電極の水道水テストのコンデンサ容量Cは

    となります。


  2. B電極の水道水テスト
    (1)低周波一致条件
     低周波でRA0電圧とRA1電圧が一致する条件は基準抵抗が3.01kΩの条件となりました。グラフを以下に示します。


    (2)周波数モード10(3MHz)での一致条件
     周波数モード10(3MHz)でRA0電圧とRA1電圧が一致する条件は基準抵抗が1.49kΩの条件となりました。グラフを以下に示します。


    (3)低周波抵抗3.01kΩにおける評価値(1/Rc)とコンデンサ容量の相関
     低周波抵抗3.01kΩにおける評価値(1/Rc)とコンデンサ容量の相関を求めると以下のようになりました。


    (4)B電極の水道水テストのコンデンサ容量
     B電極の水道水テストのコンデンサ容量Cは

    となります。


  3. C電極の水道水テスト
    (1)低周波一致条件
     低周波でRA0電圧とRA1電圧が一致する条件は基準抵抗が59.6Ωの条件となりました。グラフを以下に示します。


    (2)C電極の水道水テストのコンデンサ容量
     C電極の水道水テストのコンデンサ容量Cは手持ちの可変抵抗が10kΩで作業性がわるいため省略しました。


  4. D電極:LANケーブル電極
    *配線はLANケーブル(8芯)をばらしたもの。
    *配線間の容量を利用
    *直流抵抗は無限大
      D電極:外観を以下に示します。



  5. E電極:エナメル線電極
    *エナメル線を使用
    *配線間の容量を利用
    *直流抵抗は無限大
      D電極:外観を以下に示します。



  6. D電極の容量測定
    (1)空気中での容量測定
     周波数特性測定回路の基準素子を10kΩの抵抗に設定して、D電極を測定すると以下のグラフを得ることができます。

    D電極の空気中での周波数交点は8.59であり、これから容量20.87pFが求まります。

    (2)水道水中での容量測定
     周波数特性測定回路の基準素子を10kΩの抵抗に設定して、D電極を測定すると以下のグラフを得ることができます。

    D電極の水道水中での周波数交点は7.356であり、これから容量51.22pFが求まります。


  7. E電極の容量測定
    (1)空気中での容量測定
     周波数特性測定回路の基準素子を10kΩの抵抗に設定して、D電極を測定すると以下のグラフを得ることができます。

    E電極の空気中での周波数交点は7.53であり、これから容量45.13pFが求まります。

    (2)水道水中での容量測定
     周波数特性測定回路の基準素子を10kΩの抵抗に設定して、E電極を測定すると以下のグラフを得ることができます。

    E電極の水道水中での周波数交点は4.34であり、これから容量460.0pFが求まります。


  8. 結果の検討
    (1)A電極は水道水中での低周波抵抗が5.16kΩと手ごろな値をしめすが、容量変化は僅かであり誘電率測定には適さない。
    (2)B電極は水道水中での低周波抵抗が3.01kΩと手ごろな値をしめすが、容量変化は僅かであり誘電率測定には適さない。
    (3)C電極は水道水中での低周波抵抗が59.6Ωと小さく扱いにくい。
    (4)D電極は空気中の容量が20.87pF、水道水中の容量が51.22pFとなる。低周波抵抗は測定できない。
    (5)E電極は空気中の容量が45.13pF、水道水中の容量が460.0pFとなる。低周波抵抗は測定できない。
    (6)抵抗・コンデンサ並列特性の測定は可能であるがわずらわしい測定手順となる。
    (7)これに対して、コンデンサのみの単独測定は単純で測定精度も良い。
    (8)低周波抵抗測定に関しては高周波波形を利用する必要が無く、別の方法がある。
    (9)溶液の誘電率変化計測用としては、E電極+MPLAB_X_IDE_v2.25とPIC18F4553マイコンの復習、6章:PWMによる高周波波形と周波数特性の測定(2)が最適と思われる。
    (10)溶液の低周波抵抗測定に関しては、A電極+超簡単!無線マイコンTWE-Lite DIP(ZigBee無線)、28章:アース抵抗測定回路が最適と思われる。
    (11)溶液の誘電率変化と溶液の低周波抵抗測定を容易に行えるツールは別途製作する必要がある。




3章:食塩水の電気特性に行く。

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