11章:球面の曲率半径の測定冶具
作成2015.06.04
球面の曲率半径の測定冶具を作成しました。
球面の曲率半径測定冶具
球面の曲率半径測定冶具はt3mmのアルミ板と段付ボルトを使用して作成しました。
斜め上面からの外観を以下に示します。
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*中央にΦ3mmの穴があり、ノギスをいれて高さを計測します。
*3個の段付ボルトは半径10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mmの位置に固定できます。
斜め下面からの外観を以下に示します。
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*3個の段付ボルトの先端はR加工しました。
測定時の外観を以下に示します。
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*基準平面板と球面の高さの差を測定します。
*基準平面板と球面の高さの差から球面の曲率半径を計算します。
曲率半径(Rs)と段付ボルト取付半径(r)と基準平面板と球面の高さの差(z)の関係式
再研磨後表面側外観を以下に示します。
曲率半径 Rs
段付ボルト取付半径 r
基準平面板と球面の高さの差 z
とした場合以下の関係式で計算します。
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また、放物面鏡の焦点距離(f)と段付ボルト取付半径(r)と基準平面板と球面の高さの差(z)の関係式は

となります。
7章:SUS430の球面ミラー加工での目標値と実測値
7章:SUS430の球面ミラー加工での目標値と実測値を表にすると以下のようになりました。
曲率半径 | Rs | 400 | mm |
焦点距離 | f | 200 | mm |
- | 球面 | 放物面 | 実測 |
r(mm) | z(計算値) | z(計算値) | z(実測) |
0 | 0 | 0 | - |
5 | 0.031 | 0.031 | - |
10 | 0.125 | 0.125 | 0.1 |
15 | 0.281 | 0.281 | 0.3 |
20 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
25 | 0.782 | 0.781 | - |
*焦点距離f=200mmの条件において、r=25mmの位置での球面と放物面のz誤差は約1μm程度と小さいことがわかります。
*球面の曲率半径の測定冶具はノギスを使用しているため、測定精度は0.1mm程度です。
*球面の曲率半径の測定冶具の測定精度の範囲では、7章:SUS430の球面ミラー加工は近似的に目標に近い曲率半径で加工できたことになります。
球面の曲率半径の測定冶具まとめ
(1)球面の曲率半径の測定冶具を作成しました。
(2)測定にノギスを使用しているため、測定精度は0.1mm程度です。
(3)測定精度は十分でありませんが、手軽に球面の曲率半径を測定できました。
12章:集光用反射ミラーの製作に行く。
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