4章:電気ドリルによる高精度穴開け

    作成2015.03.18

  1. 垂直ゲージ観
     電気ドリルは大変便利な工具ですが、位置誤差や角度誤差が発生しやすい問題があります。
     位置誤差が問題とならず、角度誤差を軽減したい場合、下記に示す垂直ゲージを用いると角度誤差が低減します。

    (1)垂直ゲージは2枚の鉄板を重ねて、基準の貫通穴を開けます。
    (2)穴の開いた2枚の鉄板をスペーサで離して、垂直となる位置で固定します。
    (3)穴位置が問題となる場合は、ポンチで位置をマークしてから、深さ0.5mm程度穴を開ける必要があります。
    (4)深さ0.5mm程度の穴で位置決めした上で垂直ゲージを使用します。
    (5)上記の写真はt4.5mmの鉄板にΦ2mmの穴を垂直ゲージを用いて開ける状態です。


  2. XY座標設定による高精度穴開け
     2章:切断冶工具と同じ、ディスクグラインダー 移動台とワーク移動台を用いて、XY座標設定による高精度穴開けの状況を下記に示します。

    (1)ディスクグラインダー 移動台に基準穴の開いた金具を固定します。(金具はt4.5mmの鉄板部品を使用しました。)
    (2)加工物(t1mm黄銅)をワーク移動台に固定します。
    (3)ディスクグラインダー 移動台とワーク移動台の座標を設定して、基準穴をガイドに電気ドリルで穴あけします。
    (4)上記写真はt1mm黄銅にΦ2mmの穴を開ける状態を示しています。(電気ドリル本体を除いた状態で撮影しました。)


  3. XY座標設定による高精度穴開けテスト結果
     XY座標設定による高精度穴開けテスト結果を以下に示します。

    (1)t1mm黄銅板に3mmピッチでΦ2mmの穴を12個あけました。
    (2)上の写真の左側の12個は最初のテスト結果です。
    (3)2行目の4個の穴位置に誤差が発生していることが確認できます。
    (4)1行目と3行目は送りネジを押し込む方向に移動しました。
    (5)2行目は送りネジを戻す方向に移動しました。
    (6)以上の結果から、無視できないバックラッシュ誤差が発生することがわかります。
    (7)バックラッシュ誤差が移動台構造体の剛性が小さく、摩擦力が大きい時大きくなります。
    (8)木工細工の移動台は剛性が特に小さいため扱いは慎重に行う必要があります。
    (9)上の写真の右側の12個はバックラッシュ誤差に特に注意して操作した結果です。
    (10)バックラッシュ誤差に注意して操作すれば、木工細工の移動台でも精度良く穴あけできることが確認できました。


  4. XY座標設定による高精度穴開け応用事例
     XY座標設定による高精度穴開け応用事例を以下に示します。

    (1)XY座標設定による高精度穴開けを利用して、角度60分割冶具を作成しました。
    (2)t1mmの黄銅板のΦ76円周上に60分割のΦ2mm穴を開けました。
    (3)Φ76円周上60分割Φ2mm穴にΦ2mmピンをさしこんでワークの角度を設定します。
    (4)完全に正確な穴位置ではないので、Φ2mmピン側のガイド穴は長穴にする必要がありました。
    (5)Φ76円周上60分割Φ2mm穴加工中にドリルの刃が折れるトラブルが発生しました。
    (6)やもなく、近くのホームセンターでばら売りのΦ2mmドリルを購入しました。
    (7)ばら売りのΦ2mmドリルは鉄鋼用とステンレス用がありました。
    (8)価格はステンレス用の方が僅かに安い。
    (9)しかし、使用中の13本組セットの価格とばら売りのΦ2mmドリルの価格があまりかわらない。
    (10)いろいろ迷ったのですが、ステンレス用Φ2mmドリルを購入しました。
    (11)ステンレス用Φ2mmドリルに交換してからは、非常に弱い荷重で効率良く穴開けができました。
    (12)価格が高いだけの効果はありそうです。しかし、何が違うのだろうか?


  5. 電気ドリルによる高精度穴開けまとめ
    (1)電気ドリルは大変便利な工具ですが、位置誤差や角度誤差が発生しやすい問題があります。
    (2)位置誤差の原因は、罫書き線の誤差とポンチの誤差とドリルの誤差です。
    (3)角度誤差は、電気ドリルの保持角度誤差です。
    (4)部品加工工場には大きな定盤があり、定盤上で寸法測定したり、専用の罫書き工具で罫書くため比較的精度良く罫書くことができます。
    (5)ポンチでマークした後、ボール盤で穴開けすることになります。
    (6)ボール盤を使用すると正確に垂直に穴開けできます。
    (7)フライス盤を使用すると、正確な座標設定で正確な位置に穴開けできます。
    (8)しかし、趣味の部品加工では、高価な設備を使用することはできません。
    (9)電気ドリルで角度誤差を低減するには、垂直ゲージが有効なことが確認できました。
    (10)2章:切断冶工具と同じ、ディスクグラインダー 移動台とワーク移動台を用いて、XY座標設定による高精度穴開けが可能であることが確認できました。
    (10)ばら売りのドリルには鉄鋼用とステンレス用があるが、廉価版の13本組のドリルセットと価格があまり変わらない。(何が違うのだろうか?)




5章:SUS430Φ3mm丸棒のロング(ネジ長さ140mm、280山)ネジ加工に行く。

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