10章:TUR-BTメスの原理

    作成2016.05.23
     TUR-BTメスの原理について調べてみました。

  1. TUR-BT使用薬剤
    (1)生理食塩液(1L) 1瓶:
    (2)生理食塩液(2L) 3〜7袋:膀胱灌流用
    (3)フィジオ140輸液(500mL) 1袋:循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給補正
    (4)生理食塩液「ヒカリ」 1袋:
    (5)キシロカインゼリー2% 5mL:尿道麻酔


  2. TUR-BT周波数と膀胱灌流水の周波数特性
     49章:マイクロ波と電子レンジ(http://skomo.o.oo7.jp/f27/hp27_49.htm)の水の誘電率の周波数特性を参照します。



     一方、TUR-BTメスの周波数は380kHzを使用しています。
     図49-2の水の誘電率の周波数特性において、380kHzは10の5乗Hz領域です。この領域において相対誘電率の虚数部εr’’の値はプラス、マイナスのイオン濃度の影響を強く受けます。
     すなわち、TUR-BTメス電極部に380kHzの高周波出力が加わった場合、プラス、マイナスのイオンは激しく振動し、加熱されます。
     激しく加熱されたとき、組織の水蒸気爆発が起こり切開が行われる。また、高周波出力によって組織が熱変性を起 こすことで、凝固が行われる。


  3. 高周波焼灼電源装置の概要
     一例として、高周波焼灼電源装置ESG-400(オリンパス)の外観図を以下に示します。



    *基本周波数
    ・モノポーラ出力:380kHz(スプレーコアグ、パワーコアグを除く)
    ・モノポーラ出力:470kHz(スプレーコアグ、パワーコアグく)
    ・バイポーラ出力:380kHz(ファインコアグ(シール&カット)、ハードコアグ(シール)を除く)
    ・バイポーラ出力:400kHz(ファインコアグ(シール&カット)、ハードコアグ(シール))

    *モノポーラ処置具を使用する場合、患者に対極板を貼り付けて、本製品の対極板スケットに対極板を接続する。また、モノポーラ処置具の装置側プラグを本製品のモノポーラソケットに接続する。

    *バイポーラ処置具を使用する場合、バイポーラ処置具の装置側プラグを本製品のバイポーラソケットに接続する。


  4. HF サージェリーシステムの概要
    (1)構成品目
     HF サージェリーシステムは、次の構成品目がある。
    ・WA22301D ループ型電極24Fr.(12°用S サイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22302D ループ型電極24Fr.(12°用Mサイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22305D ループ型電極24Fr.(30°用S サイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22306D ループ型電極24Fr.(30°用Mサイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22331D 傾斜ループ型電極24Fr.(S サイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22332D 傾斜ループ型電極24Fr.(Mサイズ、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22351C ローラー型電極24Fr.(12°/30°用、電解質溶液下レゼクト用)
    ・WA22355C 傾斜針型電極24Fr.(12°/30°用、電解質溶液下レゼクト用)

    (2)電極形状
     電極形状を以下に示します。





  5. TUR-BTメスの原理まとめ
    (1)TUR-BTメスの原理について調査してみました。
    (2)膀胱灌流用は生理食塩液が主流です。
    (3)生理食塩液のプラス、マイマスのイオンが組織の切開と凝固に関与していることがわかりました。




11章:BCG膀胱注入療法に行く。

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