5章:排便と排尿のコントロール

    作成2016.04.13
     排便と排尿のコントロールについて調べてみました。

  1. 排便コントロールの必要性
     私が排便制御の必要性を感じるのは以下の場合です。
    (1)バリウム検査(X線・レントゲン)
    *胃の形や影などを見るために行います。X線はそのままだと胃を透過してしまうので、X線を通さないバリウム(造影剤)を飲んでから撮影します。胃潰瘍や胃がんの検査では、さらに胃を空気や炭酸ガスでふくらませて黒く写る部分を作り、白く写るバリウムとのコントラストで細かな病変を写し出す「二重造影法」が用いられます。
    *検査後はなるべくたくさんの水と一緒に下剤を飲み、バリウムが固まる前に体外に排出させます。
    *下剤を飲んでもバリウムをうまく排泄できずに固まってくるときがたびたびあります。
    *この場合は、肛門から温水(または低濃度の石鹸水)を大量(薬2L程度)に大腸内に注入します。
    *注入後は1回で排泄できずに何回もトイレで排泄します。
    *この方法は負担が大きいため、実施するのはバリウムを飲んだ時だけです。

    (2)経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TUR-BT)2016年3月17日(木)
    *2016年3月16日(水)21:00 センノシド錠12mg「サワイ」を2錠服用(21:00以降は食事不可)
    *2016年3月17日(木)7:00 ケンエーG浣腸液50%Lタイプ120MLを肛門内に挿入後、排便しました。
    *身動きがとれないTUR-BT手術当日の夜に3回もベット上で排便の処理が必要となりました。
    *TUR-BT手術(第2回目、2016年5月12日(木)予定)では、身動きがとれないベット上で排便はしたくありません。

    (3)通常の便秘でおなかがはって辛いとき
    *糖尿病の薬を飲み始めるまでは、頻繁に便秘がありました。
    *糖尿病の薬を飲み始めたころは、よく下痢をして便秘はなくなりました。
    *糖尿病の薬を飲み続けると下痢はなくなり便秘するようになりました。
    *通常の便秘においては、イチジク浣腸(グリセリン)が即効性があります。
    *イチジク浣腸は直腸内の便を排泄できますが、大腸内の便は排泄できません。
    *直腸内の便を排泄すれば、おなかのハリは解消します。
    *イチジク浣腸は温水(または低濃度の石鹸水)浣腸のような負担がありません。


  2. 排尿コントロールの必要性
    (1)経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TUR-BT)2016年3月16日(水)〜2016年3月28日(月)で尿量管理の重要性を痛感しました。


  3. 下剤
    (1)病院の薬
    *名称:センノシド錠12mg「サワイ」
    *用法:寝る前に2錠
    *作用:大腸を刺激して便をだしやすくします。
    *有効成分:センノシドA・Bカルシウム塩
    *分子構造:以下に示します



    (2)市販薬
    *名称:カイベールC
    *用法:寝る前に2錠
    *作用:自然に近いお通じをもたらします。
    *有効成分(1):センノサイド(センノシドA・Bカルシウム塩)20gm/1錠
    *分子構造:以下に示します。



    *有効成分(2):ビサコジル 5gm/1錠
    *分子構造:以下に示します。



    *センノシド錠12mg「サワイ」とカイベールCを比較するとカイベールCの方が有効成分が多いようです。


  4. 浣腸剤
    (1)病院の薬
    *名称:ケンエーG浣腸液50%Lタイプ120ML 
    *用法:1日1回
    *作用:直腸壁からの水分吸収に伴う刺激で、蠕動を促進し、また、便を軟化・膨潤させて糞便を排泄させます。
    *有効成分:グリセリン(50%)
    *分子式 C3H8O3
    *分子量 92.09
    *分子構造:以下に示します。



    (2)市販の薬
    *名称:イチジク浣腸30 (30g) 
    *用法:1日1回
    *作用:直腸壁からの水分吸収に伴う刺激で、蠕動を促進し、また、便を軟化・膨潤させて糞便を排泄させます。
    *有効成分:グリセリン(50%)
    *分子式 C3H8O3
    *分子量 92.09
    *分子構造:以下に示します。



    *量の違いのみです。


  5. 高圧浣腸
     点滴と同じ原理で薬剤を入れた容器を高所(被施術者の身長程度)につり下げ、水圧を使って薬剤を注入する方式で、1000ml〜2000mlの大量の薬剤を注入する場合に用いられる。
     大腸は直腸に近いほうから(1)S字結腸、(2)下行結腸、(3)横行結腸、(4)下行結腸に区別されるが、高圧浣腸では直腸〜(3)横行結腸までの洗浄ができる。
      小腸から大腸へ入る所には回盲弁という逆止弁があって大腸から小腸への逆流を防いでいるため、肛門から薬剤を注入しても大腸内の洗浄しかできず、小腸の洗浄は不可能である。
     高圧浣腸には、石鹸水(逆性石鹸は使用できない)、生理食塩水、温水等が用いられる。

    (1)スリムエレマ使用の方法(少し高価)
    http://item.rakuten.co.jp/onlystyle/c/0000000497/
    手順(1)ぬるま湯を容易します。
    手順(2)ぬるま湯をスリムエレマにいれて、吊り下げます。
    手順(3)ぬるま湯を肛門から注入します。
    手順(4)おなかをマッサージします。
    手順(5)滞留便を排泄してスッキリ。

    (2)エネマシリンジ(多目的洗浄器)使用の方法(安価)
    手順(1)容器にぬるま湯を容易します。
    手順(2)ぬるま湯をエネマシリンジで肛門から注入します。
    手順(3)おなかをマッサージします。
    手順(4)滞留便を排泄してスッキリ。

    (3)温水シャワー使用の方法(費用の発生無し)
     道具が無い場合、温水シャワーを利用して可能ですが流量を小さくして慎重に行う必要があります。
    手順(1)温水シャワーの先端をはずします。
    手順(2)温度と流量を調整します。(流量は極少量とします。)
    手順(3)ぬるま湯を肛門から注入します。
    手順(4)おなかをマッサージします。
    手順(5)滞留便を排泄してスッキリ。

    *いずれの方法でも高圧浣腸は可能ですが、スリムエレマが病院で行う方法と同じで安全です。
    *石鹸水を使用すると刺激が強くなります。ぬるま湯が推奨です。
    *滞留便を排泄は1回で終わりません。何回もトイレにいぐことになります。
    *スッキリはしますが、負担の大きい浣腸です。
    *頻繁に行うのは推奨できません。
    *バリウムの排泄がうまくできない時等の非常時のみに適用すべきです。
    *小腸の洗浄はできません。


  6. 小腸を含む消化器系の洗浄
    (1)経口腸管洗浄剤
    経口腸管洗浄剤(けいこうちょうかんせんじょうざい)とは腸管内容物を洗浄流去する為の経口の薬剤である。主に大腸内視鏡検査や大腸手術の前処理として使用される。ゴライテリー液とも呼ばれる。 ゴライテリーは製品名であり、正しくはPEG(ポリエチレングリコール製剤)である。 マグコロール、ニフレック、ムーベン、オーペグ、スクリット、ニフプラス、ロレナック等の商品名で販売されている。 またPEG製剤のほかには高濃度のマグネシウム製剤であるマグコロールがある。マグコロールはスポーツドリンクに似た味であり、比較的飲みやすいとされる。ただし洗浄効果がニフレックやムーベンに比べて劣っているという評価が多い。また高齢者での安全性が懸念されており、メインとなっている製剤はPEG製剤である。
      味が悪く飲みにくいとされていたニフレックとムーベンは2004年にレモン味に変更され、若干ではあるが飲みにくさが改善された。

     直近の腸管洗浄剤はモビプレップというものが発売された。これはニフレック、ムーベンよりも高張の浸透圧となっており、服薬には水分補給が必要となってくる製剤であるが、患者受容性は従来のものより改善された。

    (2)小腸を含む消化器系の洗浄
    手順(1)前日の夕食は食べない。
    手順(2)前日の夜、下剤を飲む。
    *経口腸管洗浄剤を飲む前に小腸までを空にする必要があります。(従って数時間前から水も飲まない方が良い。)
    手順(3)経口腸管洗浄剤を2L以上飲む。
    手順(4)トイレで経口腸管洗浄剤を排泄します。
    手順(5)排泄物の色を見て、追加の経口腸管洗浄剤を飲みます。
    手順(6)手順(4)に戻ります。
    手順(7)排泄物が透明になったら完了です。
    *経口腸管洗浄剤は市販されていないため、家庭では実施できません。
    *まだ、経験したことはありません。


  7. 家庭でできる小腸を含む消化器系の洗浄
     経口腸管洗浄剤は市販されていないため、家庭では実施できませんがこれを生理食塩水(塩分0.9%)に置き換えると家庭で実施できます。
    手順(1)前日の夕食は食べない。
    手順(2)前日の夜、下剤を飲む。
    *経口腸管洗浄剤を飲む前に小腸までを空にする必要があります。(従って数時間前から水も飲まない方が良い。)
    手順(3)生理食塩水(塩分0.9%)を1L作成します。(塩9g、温水1L)
    手順(4)生理食塩水(塩分0.9%)を1Lを10分以内に飲みます。
    手順(5)トイレで排泄します。

    *まだ、完全な条件では試していません。
    *手順(1)と手順(2)をはぶいて実施すると失敗しました。
    *手順(1)と手順(2)を省くと小腸を通過する際にほとんどの塩分は体内に吸収されます。
    *大腸まで届いた水に塩分は無く、大腸で吸収されます。
    *体内に吸収された塩分と水分は腎臓で処理され、尿として排出されます。
    *このとき、腎機能に大きな負担がかかります。
    *体内の塩分濃度が上昇すると血圧上昇の要因となります。
    *従って、生理食塩水(塩分0.9%)は1Lを限度とすべきです。


  8. 体内時計
     下剤は長期間連続使用すると効きにくくなる傾向があります。またグリセリン浣腸は習慣性になりやすい傾向があります。
     高圧浣腸や腸洗浄はしんどくて、頻繁に実施することはできません。手軽に毎日できる方法はないのか?と思います。

    体の働きは、体内時計に合わせて、3つのリズムに別れています。
    (1)4:00〜12:00=排泄が活発になる時間(目覚めの時間帯です。)
    *大腸で水分と残りの栄養を吸収します。
    *水分と栄養素を吸収し25時間〜72時間ほど腸内に停滞した後、便として排出されます。

    (2)12:00〜20:00=消化が活発になる時間(最大の活動時間帯です。)
    *食物の消化は口、胃、十二指腸、小腸の入口で行われます。
    *口〜小腸の入口までの到達時間は食物により異なります。
    *果物 1〜2時間
    *野菜 2〜3時間
    *ご飯 2〜3時間
    *魚 3時間程度
    *天ぷら 4時間程度
    *ステーキ、牛肉 4時間以上
    *バター 8〜12時間

    (3)20:00〜4:00=吸収が活発になる時間(睡眠時間と重なります。)
    *小腸で消化と吸収が行われます。
    *小腸での消化吸収にかかる時間は7〜9時間程度です。


    (4)体内時計から予測される理想の食事習慣
    *6:00 起床
    *6:05〜6:15 生理食塩水(塩分0.9%)を1L飲む
    *6:15〜12:00 排泄
    *12:00〜13:00 メインの食事(塩分ひかえめ)
    *15:00〜15:30 おやつ
    17:30〜18:00 軽食(消化のよいもの、塩分ひかえめ)
    10:00〜6:00 睡眠

    *実際の生活習慣とは大きく食い違っており、とても実行できそうにありません!!!
    *多少の便秘はがまんするきりなさそうです!!


  9. 新ビオフェルミンS
    下剤、浣腸、腸洗浄はあまり簡単ではないため、整腸剤を飲むのが手軽と思います。
     とりあえず、新ビオフェルミンSを試してみたいと思います。

    【特徴】
    (1)ヒト由来の乳酸菌なので定着性がいい。
    (2)3種の乳酸菌が小腸から大腸まで広く腸の調子を整える。
    (3)赤ちゃん※からお年寄りまで服用できる。

    【用法】15歳以上の場合
    (1)1回量:3錠
    (2)1日服用回数:3回
    (3)服用タイミング:食後(満腹時)に服用(胃酸の酸性度を薄める必要があります。)




6章:鎮痛剤と睡眠薬に行く。

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