8章:経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TUR-BT)第2回目(2016年5月10日〜5月17日)

    作成2016.05.18

  1. 2016年5月10日(火)
    8:30 カイベールC(下剤)を2錠服用。
    10:00 入院受付を済ませる。
    ・414-2号室(窓側病室)に案内される。
    ・明るく近代的な設備の4人部屋でパラマウントベット、酸素、吸引が標準装備、ナースコ−ルやZランプ装備、TVと冷蔵庫標準装備(使用はICカードが必要
    ・ひろびろとしたオシュレット付き洋式トイレと温水、冷水付き洗面台が各部屋毎に装備

    10:20 麻酔説明
    ・今回予定の麻酔方法は脊髄くも膜下麻酔+右閉鎖神経ブロック+全身麻酔。
     以下の合併症の可能性について説明を受ける。
    ・歯が欠けたり折れたりすることがある。
    ・感染や血種による神経障害を起こすことがある。
    ・出血により命の危険を生じた場合は、輸血をすることがある。
    ・1/1000〜1/50の確率で心臓と肺の間の大きな血管に血栓ができることがあり、場合によっては救命が難しい。
    ・糖尿病、高血圧、喫煙者のかたは、合併症の発生確率は高くなります。
     以上の合併症の可能性についての説明をうけ、同意書に患者と同席者のサインをおこないます。
    ・薬物に対する反応は個人差があり、いつも同じ結果とはなりません。治療に対するリスクを了承した上で実施することになります。

    10:30 体温、血圧測定(血圧125)
    12:00 昼食 消化吸収できない食材(食物繊維)を食べるのをさける。また、水分は多めに飲む。
    14:20 クリニカルパスの説明。
    14:25 主治医の説明
    15:00〜15:15 シャワー
    15:30 カイベールC(下剤)を2錠服用。
    16:00 バナナココアを飲む。
    18:20 消化吸収できない食材(食物繊維)を食べるのをさける。また、水分は多めに飲む。
    20:50 センノシド錠12mg「サワイ」(下剤)を2錠服用。
    21:00 消灯。
    21:00〜6:00 下剤効果で下痢状態となる。夜間は不安で眠れなかった。
    6:00 点灯


  2. 2016年5月11日(水)
    6:30 血圧126、体温36.2℃。
    7:35 ケンエーG浣腸液50%Lタイプ120MLを肛門内に挿入後、排便しました。(下剤効果でほぼ完璧な浣腸となりました。)
    8:00 朝食無し。
    8:30 手術用点滴針(太め)をさし、ビカネイト輸液500ML点滴開始。
    10:00 血圧128
    11:00 靴下をはく。
    12:40 術衣に着替える。
    14:40 歩いて手術室へ移動、妻は待合室で待機。
    14:50 脊髄くも膜下麻酔を開始、続いて右閉鎖神経ブロックを実施
    ・その後、冷感反応で麻酔状態をチェックしたが、麻酔が十分との判定となった。
    ・全身麻酔は省略となった。
    16:00 手術完了。
    ・下半身は全く感覚がなく、ピクリとも動かすことができない。(下半身は肉の塊のような感覚です。けっして気持ちの良い感覚ではありません。)
    18:00 夕食無し。
    18:30 下半身の感覚が僅かに戻り始めます。
    20:00 血圧135、膀胱洗浄液(大塚生理食塩水1L)を交換。
    21:00 消灯。
    21:00 麻酔がほぼ完全に切れる。3-WAY型フォーリー カテーテル(外形Φ8mm、24Fr)のバルーンが膀胱頚部に接触することにより、激痛を感じるようになる。
    21:10 カロナール錠200 用法:2錠/回(服用間隔4〜6h以上) 作用:解熱鎮痛を服用。
    21:10 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    22:00 眠れず、痛い!!
    22:00 ボンフェナック坐剤50 用法:1個/回(肛門内に挿入、1日2回以下が望ましい) 作用:解熱鎮痛を使用。
    ・鎮痛効果が確認できなかった!!
    ・ボンフェナック坐剤50の刺激で大便の排泄は無かった!!
    23:00 バルーンが膀胱頚部に接触の痛みがどうにも解決できなかったため、3-WAY型フォーリー カテーテルの固定をゆるめる操作を繰り返した。
    ・固定をゆるめる操作を繰り返した結果、固定テープが剥がれてしまった!!
    ・固定テープが剥がれた後は、バルーンが膀胱頚部に接触の痛みが完全に解消した!!
    ・再度、。3-WAY型フォーリー カテーテルの固定が必要となったが、ここでナースコールし、3-WAY型フォーリー カテーテルの固定をお願いした。
    ・バルーンが膀胱頚部に接触の痛みが無い状態で固定できました!!
    23:00〜6:00 妙に興奮状態で眠れませんでした!!
    6:00 点灯。


    2016年5月11日(水)23:00の、3-WAY型フォーリー カテーテルの固定外観を以下に示します。
    ・膀胱洗浄液(大塚生理食塩水1L)が流れている間は、これで大きな問題はありませんでした!!





  3. 2016年5月12日(木)
    7:00 自動マッサージソックスがとれました。
    8:00〜8:30 抗癌液を20分間膀胱に注入しました。
    8:30 朝食 約40%
    9:00 血液検査。
    12:00 昼食 約60%
    12:30 血液検査結果は異常無しでした!!
    15:30 酸素計が外れる。
    18:00 夕食 約90%
    18:30 ココアを飲む。
    21:00 消灯。
    21:00 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    21:00〜24:00 睡眠
    1:45 点滴終了。
    6:00 点灯。


  4. 2016年5月13日(金)
    8:10 朝食 約95%
    9:00 コーヒー(ブラック)を飲む。
    12:00 昼食 100%
    12:30 コーヒー(ブラック)を飲む。
    16:00 ベッドシーツ交換。
    16:30 3-WAY型フォーリー カテーテルの洗浄。
    18:00 夕食 100%
    18:45 ココアを飲む。
    21:00 消灯。
    21:00 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    21:00〜23:50 睡眠
    6:00 点灯。


  5. 2016年5月14日(土)
    6:40 膀胱洗浄液(大塚生理食塩水1L)が終了し、自然尿のみとなる!!
    6:40 血圧148
    8:15 朝食 100%
    8:45 コーヒー(ブラック)を飲む。
    12:00 昼食 100%
    18:00 夕食 100%
    18:25 ココアを飲む。
    21:00 消灯。
    21:00 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    21:00〜22:10 睡眠
    23:00〜0:20 睡眠
    6:00 点灯。
    ・2016年5月14日(土)はお通じ無し。

    ・自然尿のみの場合、バルーンが膀胱頚部に接触する力を微調整しないと尿の出が悪くなることがありました!!
    ・バルーンが膀胱頚部に接触する力を微調整した固定外観を以下に示します。
    ・微調整用テープを追加しました。
    ・最適固定条件は経時的に変化するため、3回/日程度の微調整用テープ張りなおしが必要となります。
    ・3回/日程度の微調整用テープ張りなおしは痛みを感じないぎりぎりの位置に自分で固定する以外ありません!!





  6. 2016年5月15日(日)
    6:20 コーヒー(ブラック)を飲む。
    8:15 朝食 100%
    10:15 コーヒー(ブラック)を飲む。
    12:00 昼食 100%
    18:00 夕食 100%
    18:30 ココアを飲む。
    21:00 消灯。
    21:00 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    21:00 センノシド錠12mg「サワイ」 用法:寝る前に2錠 作用:大腸を刺激して便をだしやすくしますを服用。
    21:00〜22:30 睡眠
    23:30〜1:50 睡眠
    5:40 コーヒー(ブラック)を飲む。
    6:00 点灯。
    ・2016年5月15日(日)はお通じ無し。


  7. 2016年5月16日(月)
    8:15 朝食 100%
    8:20 主治医回診
    8:45 3-WAY型フォーリー カテーテルを抜く。
    9:00 退院は5月17日(火)、外来は5月27日(金)に決定!!
    9:15 コーヒー(ブラック)を飲む。
    12:00 昼食 100%
    13:40 コーヒー(ブラック)を飲む。
    15:00〜15:15 シャワー
    18:00 夕食 100%
    18:35 ココアを飲む。
    21:00 消灯。
    21:00 トリアゾラム0.125mg(睡眠導入剤)を服用。
    21:00 センノシド錠12mg「サワイ」 用法:寝る前に2錠 作用:大腸を刺激して便をだしやすくしますを服用。
    23:30〜2:15 睡眠
    5:50 コーヒー(ブラック)を飲む。
    6:00 点灯。
    ・2016年5月16日(月)のお通じは固く少量。


  8. 2016年5月17日(火)
    8:10 朝食 100%
    8:50 大量のお通じあり!!
    9:00〜10:00 退院手続き。
    10:00 退院!!


  9. 経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TUR-BT)第2回目まとめ
    (1)1回目の脊髄くも膜下麻酔+両閉鎖神経ブロックは効果不十分となりましたが、2回目の脊髄くも膜下麻酔+右閉鎖神経ブロックは有効となりました。
    (2)このため、2回目は全身麻酔無しとなりました。
    (3)1回目の浣腸は効果が不十分で、手術当日の夜にベット上で3回も大便の処理が必要となりました。2回目はカイベールC(下剤)を多めに使用したため、下痢状態となり浣腸は完全なものになりました!!
    (4)経尿道的膀胱腫瘍切除手術(TUR-BT)の最大の問題は、3-WAY型フォーリー カテーテル(外形Φ8mm、24Fr)のバルーンが膀胱頚部に接触することにより、激痛を感じることです。(この痛みは決して我慢可能なレベルの痛みではありません!!)
    (5)バルーンが膀胱頚部に接触することによる痛みに対して、
    ・カロナール錠200 用法:2錠/回(服用間隔4〜6h以上) 作用:解熱鎮痛
    ・ボンフェナック坐剤50 用法:1個/回(肛門内に挿入、1日2回以下が望ましい) 作用:解熱鎮痛
    は全く効果がありません!!
    (6)バルーンが膀胱頚部に接触することによる痛みに有効なのは、接触力を弱くなるようにすることのみです!!
    (7)手術当日の夜にベット上で大量の排便処理をすると、バルーンが膀胱頚部に接触する力が弱くなり、痛みが軽減します!!
    (8)事前の浣腸が完璧の場合、手術当日の夜にベット上で大量の排便処理を行うことができません!!
    (9)この場合、3-WAY型フォーリー カテーテルの固定をやり直す以外に、痛みを無くす方法が見出せませんでした!!
    (10)すなわち、「手術当日の夜にベット上で大量の排便処理を行うか?」あるいは「3-WAY型フォーリー カテーテルの固定をやり直すか?」の選択が必要となります。


  10. 2016年5月27日(金)
    10:00 尿検査用の尿を採取
    11:30 泌尿器科外来を受診
    * 尿検査の結果は異常無し。

    (1)***TUR-BT第2回目で採取した細胞の検査結果発表!!***
    *ステージI(がんが粘膜層を越えて浸潤しているが、筋層にまでは及んでいない)
    *総合判定結果:T1G2
    *膀胱全摘は回避できました!!(一安心!!!)
    *ただし、抗癌治療が必要でBCGを実施としました。
    (2)次回外来は6月13日(月)に決定!!
    *6月13日(月)にBCG実施予定
    (3)BCGの目的と対象
    目的:表在性膀胱癌をTUR-BTで切除した後の再発予防
    対象:T1(粘膜下層まで浸潤した癌)、複数の腫瘍が異なった部位に存在
    FALSE *排尿痛、頻尿、残尿感、尿意を我慢できない、血尿、感冒様症状
    *重大な副作用(BCG感染、間質性肺炎、萎縮膀胱、ライター症候群、腎不全)


  11. 2016年6月13日(月)
    (1)受診内容
    9:50 受付
    9:55 尿検査
    11:00 尿検査の結果がでて、受診。
    *尿検査結果は異常無し
    11:30 ツベルクリン注射を行う。
    12:00 会計を済ませる。
    (2)次回外来
    6月15日(水)に決定!!


  12. 2016年6月15日(水)
    (1)受診内容
    10:45 受付
    11:10 診察
     ツベルクリン注射の結果画像を以下に示します。



    *結果判定=弱陽性

    判定基準
    強陽性
    判定で水疱形成,二重発赤を認めた方を強陽性と判断します。
    強陽性の方は,以前に結核菌を吸い込んだことを示しています。一般的に,2年以内に約5%の方が発病し, 一生を通じてさらに約5%の方が発病しますが,残りの方は一生発病しないままです。年に1回か2回, 胸部X線撮影で結核発病の有無を確認して下さい。

    中等度陽性
    ツベルクリン反応で硬結を認める方です。
    この群にはBCG陽転の可能性と結核菌感染の可能性とがどちらも考えられます。 ツベルクリン反応の検査は不要ですが,毎年の胸部X線検査を受けて下さい。

    弱陽性
    ツベルクリン反応の発赤が10mm以上あるが,硬結は認めない方です。
    この場合は小児期のBCGによる陽性化の可能性があります。結核菌感染に対する抵抗力があると考えられますが, 発病する場合もあり,注意が必要です.年一回ツベルクリン反応をおこない,反応の程度を比較することをお勧めします。

    (2)次回外来
    *6月21日(火)9:30に決定!!
    *イムノブラダーを使用予定!!




9章:麻酔薬に行く。

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