9章:麻酔薬

    作成2016.05.21
     麻酔薬について調べてみました。

  1. 麻酔薬の必要性
     麻酔とは、薬物などによって感覚をなくすことである。これにより、手術を受けることができ、また、耐え難 い苦痛を取り除くことができる。麻酔は通常、局所の感覚のみを失わせる局所麻酔と全身に作用する 全身麻酔がある


  2. 最初の痛み止め麻酔薬
    (1)使用方法:麻酔開始の最初に痛み止めとして注射します!!
    (2)名称:キシロカイン注ポリアンプ1%10mL
    *剤形:注射剤
    *色・形状:無色澄明の液
    *容器:ポリエチレン製アンプル
    *pH:5.0〜7.0
    *浸透圧比(生理食塩液に対する比: 約1
    (3)有効成分:リドカイン塩酸塩(無水物として)10mg/1mL
    (4)添加物:塩化ナトリウム 6mg/1mL
    *リドカインCAS番号:137-58-6
    *リドカイン化学式:C14H22N2O
    *リドカイン分子量:234.34
    *リドカイン分子構造:以下に示します。





  3. 有効成分(リドカイン)を含む市販薬
     リドカインは、世界で最も広く使用される局所麻酔薬であり、抗不整脈薬でもある。また、神経痛や手足のしびれの 症状の一部にも有効である。
     塩酸塩である塩酸リドカインのほか、いくつかの有効な化合物がある。塩酸リドカインのの商品名は「キシロカイン」 で、日本の医療関係者は「リドカ」「キシロ」とも呼ぶ。
     
     リドカインを含む市販薬は多く、以下等があります。
    *キシロA軟膏( 第一三共ヘルスケア)
    *フェミニーナ軟膏S(小林製薬)
    *ラナケインクリーム(小林製薬)
    *メンソレータム ADクリームm(ロート製薬)
    *メンソレータム フレディ メディカルクリームn(ロート製薬)
    *メンソレータム ジンマート(ロート製薬)


  4. 尿道麻酔薬
    (1)使用方法:尿道麻酔薬として尿道に注入します!!
    (2)名称:キシロカインゼリー2%5mL
    *成分・含量:リドカイン塩酸塩 20mg/1mL
    *添加物:メチルパラベン、プロピルパラベン、カルメロースナトリウム、pH調整剤
    *剤形:ゼリー
    *用法・用量:リドカイン塩酸塩として、尿道麻酔には通常成人では男子は200〜300mg(10〜15mL)、女子は60〜100mg(3〜5mL)を使用する。気管内挿管には適当量を使用する。なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。


  5. 脊髄くも膜下麻酔薬
    (1)使用方法:半身麻酔薬として脊髄くも膜下に注入します!!
    (2)名称:マーカイン注脊麻用0.5%高比重4mL
    *成分・含量:ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)5mg/1mL
    *添加物:ブドウ糖 72.7mg/1mL、pH調整剤 適量
    *剤形:注射剤
    *pH:4.0〜6.0
    *浸透圧比(生理食塩液に対する比):1.5〜1.8
    (3)ブピバカイン分子構造
    *CAS番号:38396-39-3 、2180-92-9
    *化学式:C18H28N2O
    *分子量:288.43
    *分子構造:以下に示します。



    (4)脊髄くも膜下麻酔薬の血中濃度変化
    外国人成人男子にブピバカイン塩酸塩(0.5%等比重液又は高比重液、4mL)を脊髄クモ膜下腔(L3-4)に投与 後の血液中未変化体濃度は、投与約2時間後にCmax(約55ng/mL)を示し、その後、約6時間の半減期で減少 した。高比重液投与時の最高血中濃度到達時間は、等比重液に比べて約0.5時間早まったが、Cmax及びAUC にほとんど差は認められなかった。





  6. 閉鎖神経麻酔薬
    (1)使用方法:閉鎖神経麻酔薬として閉鎖神経近傍に注入します!!
    (2)名称:カルボカインアンプル注1% 10mL
    *成分・含量:メピバカイン塩酸塩 1%10mL
    (3)メピバカイン分子構造
    *CAS番号:96-88-8
    *化学式:C15H22N2O
    *分子量:246.348
    *分子構造:以下に示します。





  7. 全身麻酔薬
    (1)使用方法:全身麻酔薬として点滴で注入します!!
    (2)名称:1%ディプリバン注−キット 500mg 50mL×2筒
    *成分・含量:プロポフォール10mg/1mL
    *添加物:ダイズ油 100mg/1mL、濃グリセリン 22.5mg/1mLL、精製卵黄レシチン 12mg/1mL、エデト酸ナトリウム水和物 0.055mg/1mL、pH調整剤 適量
    (3)プロポフォール分子構造
    *CAS番号:
    2078-54-8
    *化学式:C12H18O
    *分子量:178.271
    *分子構造:以下に示します。





  8. 麻酔薬まとめ
    (1)麻酔薬の多くは麻薬と同じで厳重に管理されている。
    (2)麻酔薬は自由にはできないが、基本特性を理解することは重要である。
    (3)リドカインは、世界で最も広く使用される局所麻酔薬であり、市販薬としても入手可能である。




10章:TUR-BTメスの原理に行く。

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