2章:整流回路の簡易計算方法の検討

    作成2017.04.08

  1. 矩形信号の発生
     矩形信号発生条件は1章と同一となります。


  2. 矩形信号波形データの保存
     矩形信号波形データの保存は、1章と同一となります。


  3. 整流回路
     図2-1に整流回路図を示します。



     図2-1において、入力電圧はArduino(アルドゥイーノ) unoを使用し、 矩形信号の発生スケッチ1(プログラム1)を使用します。
     矩形信号波形データはHantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープを 使用して保存したデータを使用します。


  4. ダイオードの電圧・電流特性
     記号Dはダイオードであり、仮に1N4148とするならば、電流・電圧特性は以下のようになります。



    ダイオードの電圧・電流特性を定数AとBを用いて、下記の式で近似します。

    Ta=25℃のグラフから1mAで620mV、0.01mAで325mVとするならば

    (2.2)式はゴールシークを使って解くことができます。定数AとBを代入すると

    となります。ダイオード1N4148電圧・電流特性をグラフ化すると以下のようになります。





  5. ダイオードの電圧・電流特性
     図2-1からダイオードの両端の電圧Vは

    また出力電圧V2は

    です。電流Iは以下の条件式から求めます。

    (2.6)式を満足する電流Iはニュートン法を用いて求めることができます。電流Iの初期値は

    とします。補正1回目の電流は

    で計算します。 (2-8)式の計算を繰り返すと精度が高くなりますが、とりあえず5回とします。


  6. 2-1.xls(整流回路の計算)のダウンロード
      2-1.xls(整流回路)の計算)は以下からダウンロードできます。
    2-1.xls(整流回路の計算)をダウンロードする。
     2-1.xlsはOpenOffice 4.1.3でも問題無く動作しました。


  7. コンデンサ容量15〜60pFでの計算結果グラフ
     コンデンサ容量15〜60pFでの計算結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=10kΩ





  8. コンデンサ容量15〜60pFでの実測結果グラフ
     コンデンサ容量15〜60pFでの実測結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=10kΩ



  9. 整流回路の簡易計算方法の検討まとめ
    (1)整流回路の出力電圧波形の検討において、計算結果と実測結果が大幅に異なる結果となりました。
    (2)計算では近似計算誤差が発生します。
    (3)実測では、鋭い波形にオシロスコープが追従できない可能性があります。
    (4)真値を知るのは難しいのですが、今回はオシロスコープの波形追従性誤差が大きいように思えます。
    (5)計算はマクロを使用しないため扱いが容易です。




3章:積分回路の簡易計算方法の検討に行く。

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