3章:積分回路の簡易計算方法の検討

    作成2017.04.11

  1. 矩形信号の発生
     矩形信号発生条件は1章と同一となります。


  2. 矩形信号波形データの保存
     矩形信号波形データの保存は、1章と同一となります。


  3. 積分回路
     図3-1に積分回路図を示します。



     図3-1において、入力電圧はArduino(アルドゥイーノ) unoを使用し、 矩形信号の発生スケッチ1(プログラム1)を使用します。
     矩形信号波形データはHantek 6022BE PC USB 2CH デジタルオシロスコープを 使用して保存したデータを使用します。
     このデータを「V0=f(t)」とします。
     コンデンサーに蓄積される電荷Q(単位クーロン)は電流をi(単位A)とすると

    抵抗とコンデンサの電圧の和は、入力電圧に等しくなります。すなわち

    出力電圧V1は

    電荷Qの初期値をゼロとするならば、 (3-2)式から電流iが求まります。
    電流iが決定されれば、 (3-1)式から電荷Qの計算ができます。
    電流iが決定されれば、 (3-3)式から出力電圧V3が計算できます。
    これらの計算はEXCELの表計算で実行できます。


  4. 3-1.xls(積分回路の計算)のダウンロード
      3-1.xls(積分回路)の計算)は以下からダウンロードできます。
    3-1.xls(積分回路の計算)をダウンロードする。
     3-3.xlsはOpenOffice 4.1.3でも問題無く動作しました。


  5. コンデンサ容量15〜60pFでの計算結果グラフ
     コンデンサ容量C1=15〜60pF(C3=0.001μF)での計算結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=R3=10kΩ
    容量C1=15〜60pF(C3=0.001μF)





  6. コンデンサ容量C1=15〜60pF(C3=0.001μF)での実測結果グラフ
     コンデンサ容量C1=15〜60pF(C3=0.001μF)での実測結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=R3=10kΩ
    容量C1=15〜60pF(C3=0.001μF)





  7. コンデンサ容量C1=15〜60pF(C3=1μF)での実測結果グラフ
     コンデンサ容量C1=15〜60pF(C3=1μF)での実測結果グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=R3=10kΩ
    容量C1=15〜60pF(C3=1μF)





  8. C1容量と出力電圧平均値の相関グラフ
     図3-2と図3-3の出力電圧は変動が大きいので平均値を求める必要があります。
      C1容量と出力電圧平均値の相関グラフを以下に示します。
    周波数=145kHz
    時間間隔Δt=0.0625μs
    抵抗R1=R2=R3=10kΩ
    容量C1=15〜60pF



  9. 積分回路の簡易計算方法の検討まとめ
    (1)積分回路の出力電圧波形の検討において、計算結果と実測結果は波形がにてきましたが、 変動電圧に差があります。
    (2) C1容量と出力電圧平均値の相関において、計算値は原点を通る直線の関係がえられました。
    (3)実測では、直線の関係がありますが、オフセットがあります。
    (4)オフセット誤差の要因としては、配線容量の影響等が考えられます。
    (5)計算も実測もC1容量と出力電圧平均値の相関において直線関係があり、本条件で15〜60pF程度 の容量測定が可能であることが確認できました。
    (6)計算はマクロを使用しないため扱いが容易です。




4章:矩形波→正弦波変換回路の簡易計算方法の検討に行く。

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